2月7日、NTTジャパンラグビーリーグワンは、バイウィークが明け第7節が始まった。駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場では、リコーブラックラムズ東京(3勝3敗)が首位埼玉パナソニックワイルドナイツ(6勝)を迎えた。
キックオフ直後、ブラックラムズが敵陣での時間帯を作るも、ワイルドナイツの強固なディフェンスを崩しきれない。一方、ラムズの攻撃を凌いだワイルドナイツは前半6分、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、HO坂手淳史がトライ。あっさりと先制点を奪う。

谷山隼大

坂手淳史

前半6分、ラインアウトモールからHO坂手淳史がトライ

山沢拓也のゴールも決まり7-0
この日の駒沢は試合開始直前から吹雪となり厳しいコンディション。お互いにボールをキープできずスコアが膠着状態となる。ワイルドナイツも先制トライを決めたものの、ラインアウトが安定せず、中々リズムに乗り切れない。結局その後、お互いにSO山沢拓也、中楠一期がPGを1本ずつきめて10-3とワイルドナイツがリードして前半を折り返した。

マリカ・コロインベテのブレイク

山沢京平

竹山晃暉

ベン・ガンター

ジャック・コーネルセン

前半15分山沢拓也のPG

前半29分中楠一期のPG

前半の終盤、雪が一層強くなった・竹山晃暉
後半、ブラックラムズは何度も敵陣でチャンスを作るも、取り切れない状況が続き、52分、中楠一期がこの日2本目のPGを決めて6-10とする。70分、勝負どころでラムズがペナルティ。ワイルドナイツはPGを決め13-6と7点差にリードを広げる。結局そのまま試合終了。13-6でワイルドナイツが勝利し全勝をキープし、勝ち点32で1位。次節はホーム・熊谷でトヨタヴェルブリッツとの対戦。

モールを押し込むブラックラムズ

アイザック・ルーカス

パディー・ライアン

後半12分中楠一期のPG

湯気が上がるスクラム!

フィリックス・カラブ

後半途中から照明が入った

山本嶺二郎

齊藤誉哉と山本嶺二郎、明治の先輩後輩同士

POMには山沢拓也
一方、敗れたブラックラムズは、ボーナスポイント1を加算。同日行われた試合で7位の浦安D-Rocksが敗れたため7位に浮上。プレーオフ圏内に一歩近づいた。次節は、今節で初勝利し勢いを取り戻した横浜キヤノンイーグルスとの対戦。プレーオフ進出をかけて取りこぼしはできない。
埼玉パナソニックワイルドナイツ 金沢篤HC

金沢篤HC(左)と坂手淳史キャプテン(右)
今日の試合は天候のところで厳しい状況でした。ラグビー的にはあまり美しくなかったですけれども勝ちをここでしっかり取ったというのは選手の努力もそうですし、チームにとっても大きなことかなと思います。選手にも言いましたけど、勝つことが当たり前じゃないというか、選手の頑張りは素晴らしかったなと思います。
――今シーズン3試合目のノートライに抑えた。今年何かプラスアルファしているところはありますか?
ディフェンスのところは、布巻(峻介)が担当してくれているんですが、彼がポジティブにアグレッシブなディフェンス、攻撃的なディフェンスを彼がメンタル的なところもですけど、選手に植え付けてくれているのが、昨年より大きく違ったところかなと思います。
埼玉パナソニックワイルドナイツ HO坂手淳史キャプテン

坂手淳史
金沢さんが言われた通りだと思います。アウェイということと、(雪の)天候ということで勝つのは非常に難しいと思っていました。この1週間いい準備をしてきましたけど、勝てたことが本当によかったなと思います。勝った上で次に向けて成長していくことができることも良かったですし、今後チームとしてもっと改善しないといけない部分が多く見えた試合でした。
――昨日とは10度以上も差がありましたが、今日の試合に向けてどういうことを選手同士で話をしていたか?
寒くなる予想はしていました。雨、または雪になるだろうという予想も。前半、後半共にボールをもっていない時間帯の動きというのがキーになるというのはチームにアナウンスしていました。動き出し、動くスピード、ボールへの反応…。そういう部分で相手との違いを出していこうという話はしていました。あとは見えない部分、細かい部分もこういう難しいゲームでは差を生むので、そういうところは意識していましたね。

――今日のテーマは?
今週のテーマは「正確性」というところを掲げていました。そのテーマに対してはまだまだ課題が残りましたけど、来週につなげていきたいです。
――22m入ってからのペナルティが多かった
非常にフラストレーションが溜まったと思います。前半でも大きくゲインしたところが2つくらいあった中でトライに結びつかない、点数が取れないという時は経験上難しいゲームになるんだろうなあと予想していました。やっぱり簡単に取れない時間帯があると、その後のゲーム展開にすごく影響を与えていくので、チームとしてペナルティを減らすことや、一人一人のプレーにならない、ということはゲーム中にも言っていましたが、すごくロースコアの難しいゲームになるだろうと予想した中で動いていました。
22m中でのプレーはもっと改善が必要ですし、ミス、ペナルティー、特にブレイクダウンの部分では相手からプレッシャー受けてしまい、リアクションのところでのペナルティ多かったので、いいコンタクトをして前に進んでいけるところが増えてくれればもっと僕たちらしいゲームに繋がると思います。

――ラインアウトの部分
前半こそ1本取れたんですが、後半に入ってから多くのミスをしてしまったので修正が必要だと思っています。ラインアウトリーダーとコミュニケーションを取りながら、いいスローイングも続けられるようにしなければならないと思っています。ラインアウトがよければもう少しトライが取れたと思いますし、反省は大きいです。
リコーブラックラムズ東京 タンバイ・マットソンHC

タンバイ・マットソンHC(左)とTJペレナラキャプテン(右)
今日はチャンスをのがしたと感じています。正直なところ、今の気持ちは残念で仕方ありません。過去20回対戦して、私たちが勝ったのは1度だけです。ですが、今日はチャンスがあると思っていました。最後まで選手たちは戦い続けました。その点についてはチームを本当に誇りに思います。ワイルドナイツというトップチームを相手にパニックに陥るような状況でどんなパフォーマンスができるかテストしたいと考えていました。チームはチャンスを作るという点では非常に素晴らしい仕事をしたと思います。しかし、ワイルドナイツはやっぱり素晴らしいチームでした。
リコーブラックラムズ東京 SH・TJペレナラキャプテン

TJペレナラ
(相手から奪った)ボーナスポイントは今シーズンにおいて非常に重要になると思っています。パナソニックは本当に素晴らしいチームでした。長年、このコンペティションをリードし、頂点に君臨し続けている理由を今日も証明していたと思います。
今日はチャンスがありながら、それを掴みきれなかったことに落胆しています。しかし、ポジティブな要素も多くありました。数週間前、神戸に大敗してチームの自信が傷ついたところもありましたが、あの試合のパフォーマンスは我々の本来の姿ではないのです。
今日は、パナソニックのようなチームを相手に最後まで戦いきり、『勝てなかったことが悔しい』と思えるところまできました。これはチームとして本当に重要なステップです。HCが言ったように、いくつかチャンスはありましたが、彼らの守備を崩すのは非常に難しかった。自分たちが試合中ずっと正確なプレーを継続できなければ、彼らはしぶとく食らいついてくるのです。我々が学ぶべきは、より長く戦いの中にとどまり、より長い時間正確なプレーを遂行し続けることが勝つためには必要です。

――最後に仕留めきれなかったのは?
いくつかの理由があります。疲労や選手層の厚さ、相手のディフェンスによるプレッシャー。ただ今日に関しては雪です。ボールが非常に濡れていました。天候は変えられませんが、こうした状況下でのセットアップ(立ち位置の幅や深さ、攻め方)は変えられたはずです。そこの徹底が足りなかった。
雪が激しくなり、気温が下がれば下がるほど、スキルの遂行は難しくなります。おそらく相手も自分たちが求めるスキルレベルに達していなかったと話をしているでしょう。言い訳をしたくありませんが、80分間雪が降り続く中ではパスやキャッチは格段に難しくなります。その中での適応が課題でした。

ただ、月曜日のディフェンスレビューはポジティブなものになると思います。今日は何度かターンオーバーを許しましたが、そこから懸命に戻って失点を防ぎました。神戸戦では、ターンオーバーがそのまま失点に繋がっていましたが、今日は正しい方向にステップを踏めました。
これは『努力(エフォート)』の賜物です。タックルを決めること、ジャッカルにいくことも大事ですが、まずはその場所にいなければなりません。そうした献身的な動きを、我々はチームとして讃え、学んでいきたいと思います。
――攻め込んでも取り切れない場面があった
シンプルに規律(ディシプリン)の差だと思います。今日のペナルティ数がどうだったか正確にはわかりませんが、それほど多くなかったはずです。相手はディフェンスで無駄なペナルティを犯しませんでした。同じ事を何度も何度も繰り返せる忍耐強さがあるのです。
彼らには確立されたシステムがあり、それを守り抜く規律と、システムへの信頼があります。我々がそういったチームを倒すには彼らよりも長く、正確にやり続けなければなりません。

今日はその片鱗が見えたと思います。最初のポゼッションでは相手にプレッシャーをかけられました。彼らが崩れる寸前まで追い込んでいたと思います。あと一歩です。だからこそ、我々はもっと忍耐強くなり、自分たちのシステムを信じる必要があります。
フィールドにいると、特に攻撃側はボールをもっていても前進できていないように感じ、相手のディフェンスに行きを詰まらせられるような感覚に陥ることがあります。そうなると無理に何かをしかけてしまいがちです。しかし相手にもっとタックルをさせて、プレッシャーをかけ続ければ、レフェリーの見方も変わってきます。すぐにスコアできなくても試合後半に相手の疲労や負荷、そしてレフリーの判断にプレッシャーとして蓄積されていきます。それこそが我々が作り上げなければならない展開です。
今後もそうした積み重ね(ビルドアップ)を次につなげていきたいと思います。

