20日、太田市陸上競技場では関東大学対抗戦、帝京大学と慶應義塾大学の一戦が行われ、57‐19で帝京が勝利し開幕4連勝。勝ち点24として明治大に並び1位。次戦は1週明けた11月3日、同じ全勝の早稲田大との対戦に挑む。敗れた慶應は3敗で今シーズンまだ勝利なし。次週は青山学院大学との対戦に挑む。
2024/10/20
文●編集部
序盤、慶應が帝京陣内に攻め込む。前節で明治に大敗を喫した慶應は「慶應らしさ」に立ち返りディフェンスとアタックを取り戻しコリジョンでも激しい攻防で帝京を苦しめた。それでも先制したのは帝京。キャプテンの青木恵斗のトライで先制。さらに18分、帝京が敵陣ゴール前のペナルティーからクイックでリスタートしSO大町佳生が個人技でゴール中央にトライ。12-0とリードする。
追いかける慶應は19分、公式戦初先発のSO和田健太郎(1年・清真学園)が絶妙なキックで相手BKの裏のスペースにパント。プレッシャーをかけてペナルティとしてチャンスを向かえる。このチャンスを慶應はしっかりとスコアにつなげる。大外に待っていた小野澤謙真までボールを回し、右隅にトライ。小野澤は対抗戦初トライを決めた。
これで慶應が流れを引き寄せたかに思われたが、29分、帝京は再び青木がトライを決め流れを渡さない。帝京は34分にはSH李錦寿、40分にはHO當眞蓮が連続トライで33-5とリードを広げて前半を終えた。
後半4分、U20日本代表PR森山飛翔のビッグゲインからディフェンスを崩すとWTB生田弦己にボールをつないでトライ。帝京が38-5とさらにリードを広げた。54分、帝京はピッチに入ってきたばかりのWTB青栁龍之介が危険なプレーでシンビン。数的優位を得た慶應はこのチャンスを活かして帝京陣内に攻め込む。
59分、敵陣ゴール前でラインアウトのチャンスを得た慶應はモールを押し込み最後はHO中山大暉がトライ。帝京にとっては嫌な流れになったかと思われたが、その流れを断ち切ったのは前半に続き青木だった。
68分、敵陣22m手前付近で相手ディフェンスのスペースをつく絶妙な角度でボールを貰った青木がそのままトライ。45‐12とリードを広げた。
点差を考えると勝利は厳しくなった慶應だったが、次のキックオフからビッグプレーから慶應が再び攻撃に転じる。キックオフのボールをCTB村田紘輔がダイレクトキャッチ。敵陣ゴール前のラインアウト。再びモールを押し込むも押しきれずペナルティアドバンテージで慶應が再びラインアウト。モールを押すが帝京もしっかり対応するとBKに展開、和田から小野澤につながりトライ。
疲労が溜まる中、難しい角度のコンバージョンゴールを小野澤が決めて45‐19と追い上げるもここまで。
追い上げられた帝京がその後2トライを決めて9トライを決めて勝利。プレーヤーオブザマッチには帝京・青木恵斗、モストインプレッシブプレーヤーには慶應・小野澤謙真が選出された。
帝京大学 相馬朋和監督
わが町というか、長く過ごした街でこうして母校を率いて試合ができるのは本当に感慨深いです。慶應さんが本当にひたむきに激しくファイトしてくれる中、青木はじめ学生たちが本気になってプレーする姿というのは本当に素晴らしかったと思います。
対抗戦でこうやって鍛えてもらって、我々があると思っていますんで、ここから残りの対抗戦も全力で戦って参りたいと思います。
――前半の攻防をどう見ていましたか?
両チームが接点で激しく、ファイトして膠着状態が続いているなあと思って見ていました。どうしてもフィールド内にボールがありすぎたので、断ち切るところは切ってきちっと揃えてから守るというようなことを上から指示をしました。
――早稲田戦にむけて
我々の強みを更に磨くのが一番だと思います。夏、コンタクトの部分で散々やられましたので、その部分で戦う準備をしていきたいと思います。
帝京大学 青木恵斗キャプテン
今日の試合は慶應大学さんの接点でのファイトであったり、コンタクトの硬さであったりそこに苦戦してしまったのですが、自分たちで乗り越えて修正できて買ったことを嬉しく思います。
――立ち上がり慶應にボールを持たれたけれども、そこを耐えて反撃に転じましたがそのときはどんな声がけを
まずシンプルに自分たちのコンタクトの強さを出そうというところをチームに伝えて、敵陣でプレーし続けることをチームメイトに伝えました。
――青木さんのキックも珍しかったです
あのときタッチに出しきれなかったですけど、やっぱり焦ってしまって。BKの難しさを実感しました(笑)。
――今日はいい場面でトライを決めていました、そこは今日は自分が決めるぞというような思いがありましたか
やっぱりコンタクトの基準自体は僕が作るものだと思っています。そこのところで僕は勝ち続けようと思った結果、トライにつながったので、狙ったわけではなく結果としてトライが取れたので本当にそれは嬉しく思います。
――後半嫌な時間帯が続いた後でもトライを決めましたが
そうですね。うまくいかないときこそ、シンプルにやることがやっぱりベースだと思うので、そこで難しいことをやってミスにつながってまた悪い流れのサイクルに入ってしまうので、まず1回シンプルにこの流れを断ち切りたいなと思っていました。
――早稲田戦に向けて
自分たちがまず一番のターゲットとしたゲームが再来週あるので、夏合宿では、相馬さんも言ってましたけど、コンタクトの部分で負けてしまったので、自分たちのプライドであるコンタクトのところを出して、その基準を自分が作ってチームとして必ず勝ちきりたいと思います。
慶應義塾大学 青貫浩之監督
去年のチャンピオンチームに対してどれだけチャレンジできるかということで練習を積んできました。特に対抗戦が始まって、筑波さん、明治さんと連敗したあとの試合だったので、自分たちが何を大事にすべきかというところを明治に負けた後、原点に立ち返ってこだわってきました。特に、慶應らしいベースというところで、ラインスピードをあげて相手を倒す。ブレイクダウンで圧力をかけるということにこだわってやってきました。
今日の試合である程度はやってきたことが出せたかなというふうに思っておりますが、やっぱり帝京大学さんの圧力でまだまだ通用しない部分もありましたが、これから来週に青山学院大学さんが控えていますけれども、さらに成長を積んで自分たちの目標を達成できるように成長していきたい。
――小野澤選手を14番に起用した意図
1年生なんですけれどもかなり多くのことを小野澤に頼っていて、仕事多くさせていたというのは反省点としてありました。今回はやることをシンプルにして、その分、ボールタッチを増やして、自由に走り回ってもらおうということで今週はWTBにコンバートしました。
結果としてやはりボールタッチが増えましたし、彼がボールをもってランをするという機会を増やせたので、そのは狙い通りできたかなというふうに思っていますし、彼自信もすごく楽しそうに今日はラグビーしているなというふうに見えましたので。狙い通りの、期待以上のパフォーマンスを出しているんだろうなと思っています。
――初スタメンの和田選手について
筑波さん、明治さんと負けが続いて、少し何かを変えたいなというところで彼も1年生なんですけど、本当に堂々としたプレーで、周りが見えることと、あと周りを活かせるところを強みとし、加えてエリア取りについては長けていた部分があったんですけど、今日は思い切って起用しましたが想像以上の、期待以上のパフォーマンスを見せてくれました。
慶應義塾大学 中山大暉キャプテン
今日の試合を振り返って、明治大学さんに負けてから1ヶ月間、このブレイクダウンでのファイトだったり、ラインスピードを上げて前に出るディフェンスというのをこだわってやってきました。その中で帝京大学さんのFW、特に強いフィジカルの部分で受けてしまって、ペナルティーの数が多くなってしまって、前半の段階でペースを握られてしまったというのが今回一番の敗因かなと思っています。その中でも自分たちがやるべきラグビーというか、前に出るディフェンスのところは通用した部分もあったので来週の青山学院大学戦でも同様に、自分たちが慶應らしさというものを出して勝利できるようにこの1週間、切り替えて感ばっていきたいと思います。
慶應義塾大学 小野澤謙真
キャプテン、監督からもあったように、僕達はアタックするためのディフェンスということで、ラインスピートとブレイクダウンでファイトすることをこの1ヶ月やってきました。その中で昨年の王者である帝京大学さん相手にいいディフェンスからBKのトライが増えて、ディフェンスでターンオーバーしてからのトライが増えたということはすごい良かった点ですが、まだまだそれが足りていないからこういった点差もついてしまっていると思うので。来週の青学戦までにしっかりと準備をして、いいディフェンスからいいアタックに繋げられるようにして、必ず大差で勝利していきたい。
――ポジションが14番になったことについて
自分としてはやることがシンプルになって、BKの中でも全員が全員、自分の役割を果たそうというのが今回フォーカスしてきたところなので、そういった意味でも自分の役割として
トライを取るということだったので、2トライ取れたことは大きかった。
ディフェンスのところだったり、アタックでも取り切ることだったり、まだまだ足りてない部分が多いからまけてしまったと思うので、WTBとしても、FBとしても両方のポジションの準備をして進めていきたい。