2度目のワールドカップへ―PR加藤幸子・北野和子、HO谷口琴美 | ラグビージャパン365

2度目のワールドカップへ―PR加藤幸子・北野和子、HO谷口琴美

2025/07/29

文●編集部


女子ラグビー日本代表は、23日、女子ラグビーワールドカップ・イングランド大会のスコッド32名が発表され、いよいよ本大会に向け最終調整に入る。メンバー発表会見後に行われた選手取材から選手のコメントを紹介する。今回はフロントローの3人、2度目のワールドカップ出場となる、PR加藤幸子、HO谷口琴美(横河武蔵野アルテミ・スターズ)、PR北野和子(PEARLS)。前回大会の悔しさを経験している3人が今大会に向けた意気込みとは。

PR 加藤幸子

加藤幸子

加藤幸子


今はコンディションが万全ではなかったので出場する機会を得ることができなかったんですけど、ワールドカップ本番に向けてはベストなパフォーマンスを目指していきたい。大した怪我ではないんですけども、リハビリで練習から外れていました。

――海外でプレーした経験はどう生かされている?


試合数も多かったので、大きな相手に対してたくさんプレーができたので、ワールドカップで恐れることなくプレーできるかなと思います。2試合目のニュージーランド戦は、自分が所属していたチームのスタジアムでもあるので、芝の感じとかわかっています。

イングランドのラグビーが強い理由が、ラグビーにだけあるんじゃないなというは感じていて、ラグビー以外の時に、ラグビーを忘れて、普通に生活していますし、ラグビーは生活の一つなんだなというのは感じました。

昨年11月の女子15人制大会にて

昨年11月の女子15人制大会にて


日本にいたときはオフの日の1日はラグビーの試合を見たりしていたんですけど、イングランドの人は、オフの日はラグビーを見ないで好きなことをして、好きな物食べていました。そういう切り替えができましたね。こんな感じでいいんだ、ずっとラグビーに縛られない方がむしろいいんだと。

――ワールドカップでまたイングランドに戻って来るという気持ちがあった?


そうですね。ただまたエクスターでプレーできるとは思っていなかったですけど。

今はイタリア戦で復帰を目標にしています。FWとしてはセットプレーでラインアウトとスクラムを重点的にやってきたのでそこを出したいですし、個人としてはフィールドプレーのところ、ディフェンスの部分などだしていきたい。

――マーク・ベイクウェルコーチについて


すごいですね。練習の質もそうですし、これまでは数十分しかやってきていなかったですけど、ユニットの練習時間に1時間割くようになりました。FWの選手も自信がついてきているし、本番でもやれると思います。

WXV2・南アフリカ戦

WXV2・南アフリカ戦

モールの練習では、試合の場合、ユーズイットがでたらボールを出さないといけないですけど、練習の場合はマークが笛を吹くまでボールが出せないです(笑)。1年目は腰が痛くなって、それは押しが足りないからだと言われました。そんなことないだろ、と思っていたんですけど、2年目に入って痛感します。本当に長くてきつい合宿でしたが、それはすべてワールドカップのため、なので、やってきたことを全員がしっかり試合にだせれば結果がついてくると思います。

HO谷口琴美

谷口琴美

谷口琴美


率直に嬉しいです。前回は選ばれると思っていなかった中、選んでいただいて驚くの方が大きかったんですけど、今回は行きたいと思って目指してやってきたので、より嬉しさが大きいです。

(ワールドカップでは)何か特別なことをするわけではなく、たくさん準備してきたことが、個人としてもチームとしてもあるので、それを存分に発揮できればいいなと思います。

スペイン戦ではハットトリック

スペイン戦ではハットトリック


(サクラフィフティーンの武器は?)たくさんあるんですけど、どれにしようかな。スペイン戦2試合では、FWパックとしての強みが特に大きく出たかなと。セットプレーだったり、モールだったり、フェイズのアタックもそうなんですけど、本当に合宿でたくさんユニットの練習もしてきたので、練習量が強みかなと思います。

(マーク・ベイクウェルコーチが来てから)ユニットの練習に時間を割いてもらえるようになったのと、細かいところの意識がみんな高くなりましたね。セットプレーの精度や、何かうまくいかなくても取り戻せるところとかは強くなっているかなと思います。

(細かな部分というのは?)スクラムだと、膝は地面から5センチと言われています。映像をみたりして、この回のスクラムはダメだったとかよくなっていたとか、皆で繰り返しミーティングしていました。

前回の時もセットプレーの練習はもちろんしていたんですけど、FW専門のセットプレーをみてくれるのはマークさんがついてくらたおかげでより突き詰められているという感じがします。私たちはやっぱり小さいチームなので、テクニックにこだわって大きいチームに勝つ、というところに重きを置いてやっています。

マークさんがチームにきたのは2023年の3月くらいだったと思うのですが、5月にARC(アジアラグビーチャンピオンシップ)があって、たった2ヶ月だったんですけど、セットプレーの成長を感じました。精度が上がっていたり、みんなの振り返るポイントが同じだったり、向いている方向が一緒になってきたなというのを感じれたんです。

マーク・ベイクウェルFWコーチ

マーク・ベイクウェルFWコーチ


(マークさんはどんな人?)一見すごく厳しそうな感じで、背も高くて、細かいこともめっちゃ言うんですけども、打ち解けるとめっちゃ「お茶目なおじさん」ですね。何かもっと英語がわかれば絶対おもしろいこと言ってるんだろうなあ、とすごく思うんですけど、悔しいです(笑)。


(前回大会で選ばれた時とは異なる感情と言われていましたが?)前回は運良くいけたと個人的には思っていて、ワールドカップ出てみて、終わったら引退しようかなみたいなことすら考えていた時間もあったんです。特に具体的に何があったわけではないんですけど。もう一回ワールドカップに行きたい、この3年間選ばれたいと思って、今回選んでいただけたので本当に嬉しい気持ちと、2回目なので、前より、もう少し世界が分かって戦えると思うので、前回よりもうちょっとチームに貢献できたらいいなと思っています。

PR 北野和子

北野和子

北野和子


前回のニュージーランド大会の時は、あまり出場時間がなかったので今回もまた選出していただいて素直にうれしいですし、今大会は主にスクラムでチームを引っ張っていきたいと思っています。


――この3年間で自分がどこが一番成長した


スクラムとボールキャリーです。


――今回どこも強い相手だと思いますけど一番どの相手とやりたいとかありますか


まずは初戦のアイルランドが本当に大事になってくるので、まずは初戦にフォーカスしています。


――フロントローとしてはアイルランドに対してはどうやって戦っていきたいですか?


私たちよりもサイズがあるので、やっぱり私たちの武器である低さと一体感をもっと磨いていきたいと思っています。


――ラグビーを始められたきっかけを改めて聞かせてくれますか


きっかけはもともと兄と弟がずっと小さい時からスクールでやっていました。兵庫県ラグビースクールでやってたんですけど、私は全然たまについて行くことはあってもやることはなくて、ずっと親と見てるみたいな感じで全然やるつもりもなかったんですけど、高校進学するときに、家からめっちゃ近い高校に女子のラグビー部があって女子だけでできるんやったらちょっとやってみようかなみたいな。


――高校入る前ですか?


たまたま近くの高校に女子のラグビー部があるならそこに行こうかなって。今までそんな運動とかもしたこともなくて、テニスを中学校の部活でやってたくらいで。それで始めたら楽しかったんです。


――本格的にラグビーを続けようと思ったのは


高校卒業する時に大学進学をどうしようかなって思った時に、高校自体公立の普通の高校でそんなにめっちゃ強いとかもなかったので、上のレベルに挑戦してみたいなって思ってきて。高いレベルでというか、トレーニングとかもそれまであんまりちゃんとしたこととかもなかったので、大学に入ってレベルがバッと上がった感じだったんですけど、やっていく中でどんどん上を目指したいなって思いました。


――フォワード全体がチームの強みになって来ている。それをワールドカップでどう活かしていきたいか


今のフォワードコーチのマークがこのチームに来てくれてから、結構相手というよりは自分たちにフォーカスし、 自分たちがどういうフォワードになりたいのかっていうのをずっとやってきて、本当に練習も重ねてきたんで、自分たちがやろうとしていることがどんだけ出せるかかなっていうふうに思うんですけど、WXVだったりとかアメリカ戦で勝てたこととか本当に私たちも手応え感じている部分はあるので、自分らの強みがどれだけ出せるかとなって思っています。今は結構ワクワクというかやってやろうという感覚が多いです。


――さっきご家族の話されていたんですけどラグビー一家みたいな感じですか


いや親は全然両方全然やったことなく、お父さんは野球を出たっていうのは聞きました。お父さんが多分ラグビーが好きでやってほしくてお兄ちゃんとか小さい時からスクールに入れてたみたいな感じだと思います。4人兄弟で兄2人と弟で、女は私が1人なのでお父さんは結構心配とかはしていました。

――積極的にやらせようとは別にしていなかった。


でも反対とかもないですし、強制的にとかもなかったですし自分で選んでるってこともあるので。


――実際、怪我もされて、そこから復活っていう形になりました。改めてそういう期間を振り返って


その時に出会ったS&Cコーチの方が、ずっと9ヶ月間リハビリをしたんですけど、メニューも組んでくださって、その期間に6キロとか体重を増やしたんですけど、それもその方との出会いがきっかけで増やすことになったんですけど、やっぱりスクラムの時に世界の相手と戦うにはこのぐらいの体重が必要なんやなっていうのは本当に実感してますし、その期間がなかったら体重を増やそうって思うこともなかったかなって。

ちょうどパールズに新しいS&Cコーチの方が来たんですけど、その方と話す中でポジション的にも軽いんじゃないっていう風に言われて、その時も一回増やしてみようかなみたいな感じでやってみたんですけど、今思ったら、それは本当に良かったなと思います。


――ウエイトがメインですか?


ウエイトをめっちゃして、食べる量も結構増やして、みたいな感じで。あと、アキレス腱の怪我だったんですけど、走れるのはちょっと時間かかったんですけど、ウエイトが結構すぐできるようになったんでひたすらウエイトしてみたいな。


ーー何かファッションなどにこだわりもあったりありますか?


ゴールドのアクセサリーがめっちゃ好きです。ゴールドのカラーが好きですね。


――趣味とかリフレッシュ方法とか


実家で犬を飼っていて、ブルドッグのシェリーという女の子なんですけど、ワンちゃんと遊ぶのが楽しみです。

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