14日(土)、第61回全国大学ラグビー選手権3回戦の4試合が行われた。秩父宮ラグビー場の第2試合は、明治大学(関東対抗戦3位)と東海大学(関東リーグ戦3位)が激突した。
明治はキャプテンの木戸大士郎とバイスキャプテンの秋濱悠太がいずれも脳震盪のため欠場。福田大晟がゲームキャプテンを務めた。東海大学はリーグ戦最終戦で流通経済大学との激闘を制し3位として選手権出場を果たした。
序盤は両者譲らず拮抗した状況が続いた。スコアが動いたのは前半15分。東海大学は敵陣22m手前のラックからSH山田が抜け出しゴール中央へトライ。セブンスターのゴールも決まり7‐0。
16分、東海のダイレクトタッチから明治が敵陣22m内側でのラインアウトのチャンス。HO西野がボールを持ってモールを押し込む。東海がサイドエントリーでペナルティ。明治はラインアウトをキープできず東海がエリアを戻す。
21分、敵陣22m付近でこの試合12番に入ったCTB伊藤龍之介が狭いスペースをすり抜けトライ。平のゴールも決まり7‐7の明治が振り出しに戻す。
24分、東海はスクラムペナルティで敵陣深くに入りチャンスを迎える。ラインアウトからモールを押し込む。明治がオフサイドのペナルティ。東海がアドバンテージを持ちながらアタック。SO浦本がドロップゴールを狙うも失敗。ペナルティに戻り、東海が再びラインアウト。モールを押し込む東海に対して、明治がペナルティ。東海はこのチャンスを活かしたかったが、東海がボールをキープできず。
28分、明治WTB白井がハイボールをキャッチし明治が前進すると、そこからボールを繋いでSH柴田がトライ。14‐7と逆転に成功。
直後のキックオフ。東海はプレッシャーをかけてペナルティを獲得。東海はショットを選択。セブンスターがPGを決めて14‐10とする。
さらに明治は36分、再び白井のハイボールキャッチから明治が前進。ボールを繋いで最後はFB金が右隅にトライ。平のゴールも決まって21‐10。前半はそのまま終了。明治リードで折り返す。
後半はリードしている明治のキックオフ。東海が自陣22m付近でオブストラクション。明治がタッチに蹴り出し、いきなりゴール前ラインアウトのチャンス。モールを押し込む明治、パイルアップで東海がボールを奪う。東海は自陣ゴール前5mのマイボールスクラム。SO浦本のタッチキックは伸びず再び明治のチャンス。
明治はFWでフェイズを重ねるも、東海ディフェンスが中央に寄ったところで伊藤がロングパスを白井に繋いでトライ。26‐10。明治がリードを広げる。
50分、東海は相手ペナルティから敵陣深くに入る。ロングスローはFL薄田がキャッチ。前進するも明治PR檜山がパスインターセプトしてビッグゲインするもボールキープできず。
56分、明治はまたまた白井のハイボールキャッチから東海ディフェンスに揺さぶりをかける。FW、BKが連動して最後はCTB平がこじ開けてトライ。33‐10と明治がリードを広げる。
59分、東海は自陣22m手前でペナルティ。明治は伊藤がタッチに蹴り出しトライを狙う。ラインアウトモールから、この試合ゲームキャプテンを務めるFL福田大晟がトライ。38‐10と明治が大きくリードを広げた。
明治はさらに、自陣10m付近でボールを奪うとWTB竹之下仁吾がトライ。45‐10と勝負を決めた。72分、東海は千葉のブレイクから中村がトライ。45‐17と食い下がる。
それでも後半終了間際、明治はゴール前ラインアウトからHO金がトライ。50‐17として試合終了。明治が勝利して準々決勝進出を果たした。
明治大学 神鳥裕之監督
まずホッとしています。負けたら終わりというトーナメントにふさわしい試合でしたので
、やはり関東リーグ戦で長い間チャンピオンであることがわかるいいチームでした。本当に厳しい戦いで、点差が離れても最後まで果敢にタックルしてくるチームでしたので、我々としてはまた成長させてもらえたなと思っています。
我々もリーダーがいないという状況の中で数少ない4年生がチームを引っ張って若いメンバーたちもいい経験ができたと思います。この経験を成長の糧にして次の天理大学戦に向けて準備していきたい。
――12番に起用した伊藤龍之介の評価
彼はアタッキング能力も非常に高いですし、12番はなかなか経験がなかったということだったんですけども、対抗戦前半ではこういう(10番萩井・12番伊藤)組み合わせをやってきたので、その準備がこういう試合でも発揮したのかなと思いますし、彼だけじゃなくて他のメンバーもしっかりそこに合わせてくれたなと思っています。
――前半我慢の時間帯があったが、修正出来たポイントは
こういうゲームの状況になると、ある程度プレッシャー(を受けるというの)は想定できたので、相手も負けたら終わりという中なので、いかに我慢強く、自分たちのラグビーが出来るようになる時間帯まで我慢できるか、自分たちがやろうとしていたことを信じてそれを今日は選手たちが遂行できたかなと思います。
――白井瑛人選手のハイボールキャッチは
よかったですね(笑)。日頃から練習している姿もみていますし、菅平での帝京戦でミスしてトライ取られて本人がすごく悔しがっていた姿をみていますので、能力だけではプレーができないというのは私自身も見ているので、こういった大舞台でもああいうプレーができるというのは彼の能力を再認識しました。
――早明戦から2週間、どんな時間の使い方を
早明戦では我々にとっていろんな学びをもらえました。選手権で大事になってくるのは、負けはしましたけど、以下に早明戦で発揮した一貫性を高めてやれるのかということが肝になるというメッセージを伝え、準備の中でもゲームの中でも同じ強度を出していこうということをAチームに課して準備してきました。
明治大学 福田大晟ゲームキャプテン
(木戸)大士郎や秋濱(悠太)がいない中で、大事な一戦にゲームキャプテンを務めたんですが、前半、東海大学さんのブレイクダウンに圧倒されてしまいましたが、自分たちがやってきたことを信じて、一貫性をもって80分間、緩まないで最終的には上回れたので良かったなと思います。
――相手の勢いに飲み込まれそうな時にどんな声がけを
ハドルを組んだ時に、今週のテーマは「一貫性」というもので、春から積み上げてきたものをしっかりだそうということを再認識させて、あとは一人一人がやることをやろうと言いました。
――天理戦にむけて
天理大学もフィジカルが強いと思うので、自分たちはここからあまり変わることはないと思うので、ディテールのところまで今週一週間しっかり準備をしていきたい。