関東大学ラグビー2021・前半戦レビュー、リーグ戦グループ | ラグビージャパン365

関東大学ラグビー2021・前半戦レビュー、リーグ戦グループ

2021/11/05

文●大友信彦


リーグ戦は4年連続11回目の優勝を目指す東海大と、1985年以来36年ぶりのリーグ制覇を目指す日大が前半戦を全勝で折り返した。

今季、東海大の強さが際立つ

今季、東海大の強さが際立つ

第4節終了時点の成績は以下の通り。
前半は前年上位と下位の対戦だったことを考え、昨季の順位順にならべてみた。

東海大 4勝0敗 勝点20 得点244-失点17 得失点差+227
流経大 2勝2敗 勝点8 91-125 -34
日大 4勝0敗 勝点20 201-47 +154
法大 2勝2敗 勝点11 121-90 +31
中大 1勝3敗 勝点4 80-184 -104
大東大 2勝2敗 勝点9 63-101 -38
関東学大 1勝3敗 勝点5 74-139 -65
専大 0勝4敗 勝点1 58-231 -173


今季苦しい戦いが続く、昨年2位の流経大。

今季苦しい戦いが続く、昨年2位の流経大。

前半戦を全勝で終えたのは東海大と日大。昨季2位の流経大は初戦で大東大に、次いで中大に敗れる連敗スタート。続く関東学院大と専大には勝ったがともに4点差(スコアも31-27とまったく同じ!)だった。流経大は法大、大東大とともに2勝2敗で並んでいるが、前半終了時点ではBPの差で3位法大、4位大東大、5位流経大となっている。

首位・東海大と同じく全勝で2位の日大。

首位・東海大と同じく全勝で2位の日大。

勝点順で並べ直すと以下の通りだ

1 東海大 4勝0敗 勝点20 得点244-失点17 得失点差+227
1 日大 4勝0敗 勝点20 201-47 +154
3 法大 2勝2敗 勝点11 121-90 +31
4 大東大 2勝2敗 勝点9 63-101 -38
5 流経大 2勝2敗 勝点8 91-125 -34
6 関東学大 1勝3敗 勝点5 74-139 -65
7 中大 1勝3敗 勝点4 80-184 -104
8 専大 0勝4敗 勝点1 58-231 -173

東海大・SO武藤ゆらぎ

東海大・SO武藤ゆらぎ

東海大は総得点244もさることながら失点17というDFの堅さが目を引く。4試合で失ったトライはわずか3。対抗戦を含めても失トライは1位タイ、失点は単独1位だ。攻撃面ではSO武藤ゆらぎとCTB丸山凜太朗のダブル司令塔で仕掛ける多彩なアタックも魅力。例年ならWTBの快足ランナー、あるいはラインアウトモールからHOが多くのトライをあげる東海大だが、今季はFLナサミラが5T、トビオが4T、ジョーンズ主将とアフが2TずつをあげるなどFW第3列勢がトライを量産している。

日大・HO井上風雅

日大・HO井上風雅

日大はHO井上風雅が話題を独占している。開幕の中大戦で3TをあげPOM(プレイヤーオブザマッチ)に輝くと、続く専大戦では6Tの大爆発をみせ、大東大戦でも4Tで3戦連続のPOM受賞。関東学院大戦では1Tに終わったが4試合終了時点で早くも14T。昨季のトライ王、河野竣太(流経大)の9Tを大きく超え、日大快進撃の象徴となっている。

法政との接戦に勝利した大東大

法政との接戦に勝利した大東大

大東大は昨季、開幕から専大、法大に2連敗するなど序盤に苦しみ、1勝1分5敗で6位に終わったが、最後の流経大戦では10-19の接戦を演じ、地力を証明。今季は初戦でその流経大を29-7で破る好発進。東海大と日大には敗れたが、法大を破り、昨季4強との対戦を2勝2敗で終えた。3季ぶりの大学選手権出場へは、これからBPつきの勝利を重ねていくことが鍵になりそうだ。

関東学院大学は、日大とは後半残り5分まで同点。着実に力をつけてきていることを証明した。

関東学院大学は、日大とは後半残り5分まで同点。着実に力をつけてきていることを証明した。

関東学院大と中大は1勝どまり、専大は全敗と前半戦は苦しんだが、それぞれ上位校に食い下がっている。関東学大と専大は、流経大戦でともに勝利まであと一歩と食い下がり、27-31という同スコアで敗れた。後半戦の巻き返しに期待したい。

トライランク

1 井上風雅 日大 HO 14T
2 レキマ・ナサミラ 東海大 FL 5T
2 ナサニエル・トゥポウ 日大 WTB 5T
4 土一海人 東海大 HO 4T
4 ノア・トビオ 東海大 No8 4T
4 谷口宣顕 東海大 WTB 4T
4 河野竣太 流経大 FB 4T
8 野口幹太 東海大 FB 3T
8 當眞 寮 流経大 WTB 3T
8 坂田龍之介 法大 WTB 3T
8 石岡玲英 法大 FB 3T
8 酒木凜平 大東大 HO 3T


トライ王レースを独走している井上のトライはラインアウトモールからあげているものが多いが、走り回ってあげたものも多い。東福岡高時代はFLで大活躍。大学2年の今季から本格的にHOに転向したが、大東大戦と関東学院大戦では途中からFLの位置ででプレーした。

リーグ戦グループのシーズン最多トライ記録は、記録が残っている1996年以降では1996年の仙波優(関東学院大CTB)の18Tが最多。次いで2012年のウヴェ・ヘル(拓大LO)と2018年の加藤竜聖(東海大HO)が17Tをあげている。井上が残る3試合でこれらの記録に並びかけるか、あるいは更新するかに注目したい。

得点ランキング

法政大FB・石岡玲英

法政大FB・石岡玲英

1 井上風雅 日大 HO 70=14T
2 石岡玲英 法大 FB 62=3T 10C 9P
3 津田貫汰 中大 SO 34= 8C 6P
4 丸山凜太朗 東海大 CTB 32=2T 11C
5 河野竣太 流経大 FB 30=4T 5C
5 広瀬龍二 日大 CTB 30=2T 10C
7 古里樹希 専大 FB 28=5C6P
8 武藤ゆらぎ 東海大 SO 26=13C
9 レキマ・ナサミラ 東海大 FL 25=5T
9 ナサニエル・トゥポウ 日大 WTB 25=5T

得点ランキングも日大HO井上がトップに立つ。過去5年では2018年の東海大HO加藤竜聖が17トライ85得点で2冠に輝いた。

井上を追うのは法大FB石岡玲英。逆転勝ちを飾った開幕戦の専大戦では1T5C1Pの18得点、2勝目をあげた中大戦では1T4C4Pの25得点(キックは8回蹴って100%成功!)。法大が勝った2試合ではともにPOMに輝いた。

専修大FB・古里樹希

専修大FB・古里樹希

石岡はここまで24回蹴って19回成功、成功率.792。得点3位の中大SO津田貫汰は17回蹴って14回成功の.824、4位の東海大SO丸山は14回蹴って11回成功の.786、5位タイの流経大FB河野は昨季の得点王だが、今季前半戦は12回蹴って5回成功.417とキックは不調だった。ちなみに前半戦得点5位タイの日大CTB広瀬は13回蹴って10回成功の.769、7位の専大FB古里は12回蹴って11回成功の.917。今季外したのは法大戦最後の1本だけで、アベレージでは首位に立っている。後半戦、この高率を維持できるか、もっと数字を上げられるかも楽しみだ。

後半戦は順位争いにも直結する。接戦になればPG勝負も増えるだろう。得点王争いにも注目したい。



大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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