80分の激闘でも決着つかず。抽選で流経大が準々決勝進出権を獲得 | ラグビージャパン365

80分の激闘でも決着つかず。抽選で流経大が準々決勝進出権を獲得

2020/12/14

文●編集部


12月13日、秩父宮ラグビー場では、第57回全国大学ラグビー選手権大会の3回戦が行われ、第2試合は、流通経済大学(関東大学リーグ戦4位)と筑波大学(関東大学対抗戦5位)の一戦が行われた。拮抗した展開、互いのラグビーを出し切った展開、80分では決着がつかず抽選の結果、流通経済大が準々決勝進出権を獲得した。

茨城県同士の戦い、コロナ禍で連携したからこそ「正々堂々と」真っ向勝負

流通経済大学・内山達二監督は「確かに4年前の抽選のことが試合後、頭をよぎりましたが、どちらになってもよい覚悟はできていた」と話し、筑波大学・嶋崎達也監督も「抽選なので仕方ない。どちらでも仕方ないと思っていた。今期コロナ禍で校内グラウンドができない中、流経大さんにグラウンドと体を借りてシーズンスタートできた。(選手権で)流経大さんに当たって、正々堂々と戦うことができました。流経大さんあって、自分たちが今ここに立てているので本当に感謝しています」と試合後話した。

MATCH REVIEW

筑波大・岡﨑キャプテンを先頭にピッチに出てダッシュ

筑波大・岡﨑キャプテンを先頭にピッチに出てダッシュ

 

流経大・坂本キャプテンが入場

流経大・坂本キャプテンが入場

 

FB松永から植村へパス

FB松永から植村へパス

試合が動いたのは開始早々の1分、筑波は敵陣10m付近のスクラムから、FB松永貫汰(3年)がゲイン、松永からWTB植村陽彦(2年)につながりトライ。筑波は強みであるBK陣で先制。SO山田雅也(4年)のコンバージョンも決まって7‐0とした。

植村が走りきりトライ

植村が走りきりトライ

 

ゴール前の筑波の粘り強いディフェンス。

ゴール前の筑波の粘り強いディフェンス。

15分、流経大はゴール前ラインアウトのチャンスから、FWにこだわりフェイズを重ねる。筑波もペナルティなく粘り強く守る。まさに一進一退の攻防が続く。

カペネのトライで流経大が同点に追いつく

カペネのトライで流経大が同点に追いつく

27フェイズ目、野村悠(3年)が密集から離れ、右サイドに待機していたLOタマ・カペネ(3年)へパス。カペネが右隅にトライを決め流経大が同点とした。

筑波NO8飛髙昂空(4年)が低い姿勢でボールを前へ運ぶ

筑波NO8飛髙昂空(4年)が低い姿勢でボールを前へ運ぶ

同点に追いつかれた筑波は、FWで前にでると自慢のBK陣へ展開。流経大陣内に攻め込むが流経大キャプテン・坂本侑翼(4年)の低いタックルが刺さり、密集ではジャッカルで筑波の攻撃の芽を摘んだ

30分、流経大は10m付近のスクラムからCTB中川彪流(4年)のグラバーキックにFB河野竣大(3年)がさらにキック。インゴールに向かって転がるボール。河野が、インゴールギリギリでグラウディング。12-7と流経大が逆転。

河野が自身でキックしたボールをインゴールギリギリでグラウディングしトライ。

河野が自身でキックしたボールをインゴールギリギリでグラウディングしトライ。

 

CTB岡﨑がビックゲインし左右を確認し、SH鈴村へつなぐ

CTB岡﨑がビックゲインし左右を確認し、SH鈴村へつなぐ

逆転を許した筑波だったが、34分、カウンターラックでボールを奪うと、自陣22m付近からCTB岡﨑航大(4年)キャプテンがビッグゲイン。

鈴村からボールを受けた仁熊がインゴールへ

鈴村からボールを受けた仁熊がインゴールへ

一気に敵陣22m手前までボールを運ぶと、SH鈴村淳史(3年)にパス。さらにサポートに入ってきたWTB仁熊秀斗(4年)に繋がり、ゴール中央へトライ。筑波が14-12として前半を終えた。

 

圧巻の攻勢でBKの決定力を強く印象づけた

圧巻の攻勢でBKの決定力を強く印象づけた

 

SO山田雅也のコンバージョンも決まって筑波が14-12と逆転

SO山田雅也のコンバージョンも決まって筑波が14-12と逆転

 

後半最初にスコアしたのは筑波。後半8分、敵陣ゴール前スクラムからフェイズを重ね、ゴール前ラックから、SH鈴村が相手ディフェンスのスペースをついて前進。パスダミーで相手ディフェンスを揺さぶり、インゴールへボールを運びトライ。19-12とリードを広げた。

 

鈴村のトライで19-12。

鈴村のトライで19-12。

 

攻撃の中心となっていた岡﨑キャプテンがハードタックルを受け、交代を余儀なくされた筑波。

攻撃の中心となっていた岡﨑キャプテンがハードタックルを受け、交代を余儀なくされた筑波。

しかし、筑波にアクシデントが起こる。トライの前の局面で、攻撃の中心としてチームを牽引していた岡﨑キャプテンが、相手のタックルを受け退場を余儀なくされる。筑波にとっては攻撃の舵取りとして大きな存在だっただけに痛い交代となってしまった。

カペネがライン際でボールを残しブルアにつなぐ

カペネがライン際でボールを残しブルアにつなぐ

追いかける流経大は後半13分、敵陣22m手前の攻撃でCTB土居大吾(2年)が裏のスペースにグラバーキック。絶妙なコントロールで、LOカペネに入る。ライン際でカペネが残してWTBイノケ・ブルア(3年)につながりブルアがトライ。19‐19と同点にした。

 

 

ハイボールをキャッチするカペネ

ハイボールをキャッチするカペネ

まさにそこからは互いにトライを奪えぬまま終盤へ。39分、試合終了間際で流経大は相手ペナルティーからゴール前ラインアウトのチャンス。ハドルを組んでFWに指示を出す坂本キャプテン。流経大はモールを組む。筑波はモールコラプシングのペナルティー。試合終了のホーンが鳴る。流経大はショットではなくトライを狙う。ゴール前のラインアウト。HO松田一真(4年)がスローしたボールはオーバーして筑波が抑える。

ゴール前の攻防でタックル、ボールをはじき出しピンチをしのぐ筑波。

ゴール前の攻防でタックル、ボールをはじき出しピンチをしのぐ筑波。

 

80分の激闘でも決着がつかず、抽選へ。

80分の激闘でも決着がつかず、抽選へ。

 

予備抽選で最初に引いたのは筑波・山田。山田は筑波陣内方向の封筒を選ぶ。「先」と書いた封筒。本抽選で山田は再び筑波陣内の封筒を引く。「準々決勝進出権あり」と書いてあるのは流経大・坂本キャプテンの封筒だった。

流通経済大学は、翌週19日、関西王者の天理大学と対戦。昨年は準々決勝で敗れた相手。初のベスト4入りをかけ昨年の雪辱をかけて戦う。

SCOREBOARD

大学選手権 2020.12.13 秩父宮ラグビー場 14:00

  • TRY(3)
  • G(2)
  • PG(0)
  •  
  • 前半21分 T 5. タマ・カペネ
  • 前半22分 G 15. 河野竣太
  • 前半30分 T 15. 河野竣太
  • 前半31分 Gx 15. 河野竣太
  • 後半14分 T 14. イノケ・ブルア
  • 後半15分 G 15. 河野竣太
  •  
  • PENALTY
  • PK(5)
  • FK(1)
  • TRY(3)
  • G(2)
  • PG(0)
  •  
  • 前半4分 T 14. 植村陽彦
  • 前半5分 G 10. 山田雅也
  • 前半34分 T 11. 仁熊秀斗
  • 前半35分 G 10. 山田雅也
  • 後半11分 T 9. 鈴村淳史
  • 後半12分 Gx 10. 山田雅也
  •  
  • PENALTY
  • PK(11)
  • FK(1)
  • 流通経済大学 内山達二監督

    コロナの中、大学選手権初戦を無事終えたこと協会関係者の皆さん、様々な方々のサポートがあってからこそなので本当に感謝しています。19-19という試合で、初めての試合の中で最高の試合をしたと思います。一番は試合をした、抽選を引いた選手たちにいろいろと聞いてください。


    ――前半2つ目のトライ、TMOがあればトライになったかどうか微妙だった


    そういうところがあったのかな。最後試合終わって46年組の時以来の抽選をやった。今回は抽選で次に行ける。風が吹いていたのかなと思います。

    ――4年前の抽選のこと思い出しましたか


    試合中は思わなかった。試合が終わったあとはまた抽選かと気持ちはありました。抽選で次にいこうがどうか、今日の全力を尽くした学生たちを誇りに思っていたので、コロナの中で大舞台でラグビーができることそのものに感謝していたので、どちらでも受け入れる準備はありました。


    ――筑波大学さんとはコロナの中、一緒に練習をしたりという話がありましたが、どういう経緯でそういうことになりましたか。


    以前から筑波さんとは近いこともあって、一緒に練習をしている仲でした。コロナで校内に入れないということであれば、何か協力できることがあればということで、いつも我々はそういう関係であるので、それがラグビーだと思っているので、一緒に練習を何回かしました。


    ――今回は抽選でしたが、国際試合では延長戦という流れもあります。それについてはどう思われますか?


    本当はこういういい試合をお互いできたと思うので、さらに延長戦で最高のゲームをして勝敗を決めるのがいいのかなと思います。


    流通経済大学 FL坂本侑翼キャプテン

    この状況のなか大学選手権初戦を迎えられたこと感謝しています。関係者の皆さん、筑波大学の皆さん本当にありがとうございました。

    今日は、自分たちがやってきたこと信じて、仲間を信じて試合に臨みました。ここまで(試合は)拮抗するだろうと予想していましたが、引き分けになるとは思っていませんでした。筑波さんの圧力、選手権という大舞台の圧力やプレッシャーがあって、自分たちの思うようにいかない部分もありましたが、抽選という結果でしたが、次に進むことができて嬉しいです。筑波大の思いを背負って、天理大戦も戦っていきたい。

    ――同点の場面で、何度かショット選択しても良さそうな場面でラインアウトを選択したのは?


    試合を通して、FWの中でセットプレー勝っているという意識があったので、これでとりきってやろうという思いでラインアウトを選択しました。


    ――抽選の手順はわかっていましたか。


    わかっていなかったです。じゃんけんで負けて予備抽選で山田さんが引いて「先」だったので、山田さんがまた引いて…。自分は残っていたものを引いただけでした。



    ――ディフェンスで苦しめられた中でアタックで修正をかけたか


    少しラインが浅くなってしまって相手に先に入られてしまったところがあった。BKのアタック力には自分たちも自信があるので、スペースを作ってそこにボールを運んでいこうという話をしていました。

    ――前半相手の動きを止めるタックルやジャッカルについて


    ディフェンスで自分は体を張るタイプなので、まずはいこうと言うタックルは行きました。取れるか取れないかは自分の力量次第ですが、ジャッカルは常に狙っています。


    ――今回は抽選でしたが、国際試合では延長戦という流れもあります。それについてはどう思われますか?


    延長線があるというのであれば、最後まで自分たちの力を出し切ってやりたいなあという思いがあります。

    流通経済大学 HO松田一真バイスキャプテン

    この状況の中で試合ができたが嬉しいことですが、引き分けたということで余計筑波の思いも余計感じて次の試合で勝たなければならないと思います。筑波さんの圧力は予想以上で、自分たちのうまくいかなかった。最後まで戦い抜いたチームメイトに感謝しています。


    筑波大学 嶋崎達也監督

    本当に最後までやりきってくれました。シーズン通してやろうとしていたことをやりきってすべて出しきってくれたと思います。抽選なのでしかたない。選手たちにはよくやったと言ってやりたい。


    8月にほとんど練習試合もできない中、流経大さんに同県ということで流経大さんには2回、グラウンドと体を借りてシーズンスタートできました。それがなければ本当にここに立っていなかったと思いますし、流経大さんとあたって感謝もしていますし、その分正々堂々とやることができました。

    次の天理大学さんも定期戦でやるチームですので、両校に頑張ってほしいですし、流経大あっての自分たちなので本当に感謝しています。

    筑波大学 CTB岡﨑航大キャプテン

    この試合のためにいろいろと準備をかけていました。FWが善戦してくれて、トライにもっていけた場面もありましたがBKがトライまでもっていけなかった。チャンスをミスしていかすことができなかった。最後まで諦めず、筑波らしく戦ってくれたので悔いはないです。


    ――(負傷退場のきっかけとなった)タックルについて


    あそこの周辺は、流経大さんのディフェンスが厚いということがわかっていた上であそこに1回当てるという選択をしました。接近をした分、ああいうプレーもしかたがないと思います。

    ――前半のハンドリングエラー、パスの繋がりスムーズではなかったようにみえた


    前半ハンドリングエラー、流経大の前にでてくるディフェンスに対して、ディフェンスの繋がりが薄いところを狙っていくというアタックをしていたのですが、そこがうまくいって、いつもより前に出てしまって、無理にボールをつなごうという意識が強くなって、いつもやっていないプレーがでてしまったと思います。



    ――抽選について


    抽選はバイスキャプテンの山田(雅也)が引いたのですが、筑波陣地側の封筒を引いていました。自分がもし引いていてもそうしようとしていたので、誰がとってもわからないし仕方のないことだと思います。

    ――来年以降後輩たちへの期待


    今年やってきたBKの決定力があるというのは来年も変わらないですし、FWが前で戦ってくれるというのも変わらない。今年やってきたことをさらにレベルアップして戦っていってほしい。


    ――ラグビーできなかった期間があった中で、シーズンを終えた心境


    ラグビーを開催していただいたことに個人としてもチームとしても感謝しています。チームづくりとしても集まれなく、活動できないなど難しいシーズンだった。その中で自分たちができることをやってきたのが今日の試合に出た。それを常にそれを考えながらやってきたのが今シーズンかなと思います。


    ――流経大の2本目のトライはTMOがあったらトライかどうかわからないプレーだったが


    あそこのシーンにまで至ってしまったのが筑波のディフェンスの甘さだと思います。


    筑波大学 LO中原健太バイスキャプテン

    筑波としてディフェンスでは今まで準備してきたことをやりきれたと思いますが、アタックの面でFWでミス多かったことがこういう結果になってしまった。抽選については仕方のないことなので流経大さんには頑張ってほしいと思います。


    ――岡崎選手がいなくなって、どんな話をしたか。自陣に張り付く時間帯が多かった


    まずバイスキャプテンのSO山田(雅也)が中心に話をしていましたが、筑波大学では普段から「自立」というものを掲げているので、個人個人で自ら発信して、キャプテンがいない中でもチームとしてまとまっていました。

    MEMBER_流通経済大学

  • 1 小川寛大(4年)後半0分 OUT → IN 16竹内治人
  • 2 松田一真(4年)後半24分 OUT → IN 20熊谷幸介
  • 3 津嘉山廉人(4年)後半0分 OUT → IN 18山内開斗
  • 4 平井寿太郎(4年)
  • 5 タマ・カペネ(3年)
  • 6 南太陽(2年)
  • 7 坂本侑翼(4年)後半7分 OUT → IN 17佐川奨茉
  • 8 シオネ・リクアタ(2年)後半16分 OUT → IN 19テビタ・オト
  • 9 野村悠(3年)後半7分 OUT → IN 21前川李蘭
  • 10 柳田翔吾(2年)
  • 11 中西海斗(3年)後半0分 OUT → IN 23呉尚俊
  • 12 土居大吾(2年)後半7分 OUT → IN 22三良煕三郎
  • 13 中川彪流(4年)
  • 14 イノケ・ブルア(3年)
  • 15 河野竣太(3年)
  • 16 飯野翔也(3年)
  • 17 篠澤輝(1年)
  • 18 シンクル寛造(2年)
  • 19 アピサロメ・ボギドラウ(2年)
  • 20 西山大樹(3年)
  • 21 武井陽昌(1年)
  • 22 荒木龍介(3年)
  • 23 アンドリッシュ・ドゥトイ(1年)
  • MEMBER_筑波大学

  • 1 木原優作(2年)後半0分 OUT → IN 16肥田晃季
  • 2 安里大吾(4年)後半0分 OUT → IN 17小山峻哉
  • 3 内田康介(1年)後半0分 OUT → IN 18岡田祥吾
  • 4 中原健太(4年)後半13分 OUT → IN 19樋上寛大
  • 5 八木澤龍翔(2年)
  • 6 梁川賢吉(1年)後半18分 OUT → IN 20楢本鼓太朗
  • 7 岩田真樹(3年)
  • 8 飛髙昂空(4年)
  • 9 鈴村淳史(3年)後半7分 OUT → IN 21今井快
  • 10 山田雅也(4年)
  • 11 仁熊秀斗(4年)後半18分 OUT → IN 22松島聡
  • 12 岡﨑航大(4年)
  • 13 一口隼人(4年)前半35分 OUT → IN 23鳥越賢太郎
  • 14 植村陽彦(2年)
  • 15 松永貫汰(3年)
  • 16 肥田晃季(2年)
  • 17 小山峻哉(4年)
  • 18 岡田祥吾(3年)
  • 19 樋上寛大(3年)
  • 20 楢本鼓太朗(2年)
  • 21 今井快(4年)
  • 22 松島聡(2年)
  • 23 鳥越賢太郎(4年)
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