「勝ち切るために」アルカス熊谷・松井渓南、日体大・高橋夏未2選手に訊く、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025北九州大会 | ラグビージャパン365

「勝ち切るために」アルカス熊谷・松井渓南、日体大・高橋夏未2選手に訊く、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025北九州大会

2025/07/26

文●編集部


7月21日、22日に開催された「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025・北九州大会」はながとブルーエンジェルスが優勝を飾った。日本体育大学ラグビー部女子は、1日目のプール戦を6位で通過し、準々決勝進出した。


準々決勝の相手は前回の熊谷大会では圧倒的な強さで優勝したPEARLS。タリア・コスタに先制トライを許すも後半5分に堤ほの花がトライ。さらに難しい角度のコンバージョンをサクラセブンズ、谷山三菜子が決め逆転。
堤ほの花のトライ

堤ほの花のトライ


PEARLSに自陣からボールを継続され、後半9分、ガブリエラ・リマに逆転トライを許し接戦を落とした。その後のTKM戦では7-12、7位決定戦のフェニックス戦も21‐22といずれも僅差の試合を落とし8位で大会を終えた。

日体大と同じように、僅差の勝負を勝ちきれなかったのはアルカス熊谷だ。プール戦では今大会準優勝のナナイロプリズム福岡に17‐19と逆転負け、2日目の11位決定戦でも追手門学院VENUSに26‐28で敗れ12位で大会を終えた。

粘り強いディフェンスでナナイロを苦しめたアルカス熊谷

粘り強いディフェンスでナナイロを苦しめたアルカス熊谷


両チームともに順位としては満足いく結果ではなかったものの、前回大会よりチームとしての成長を大きく感じられる大会となった。残り2大会、どんな戦いをするのか。日体大からは高橋夏未、アルカス熊谷からは松井渓南キャプテン2選手に試合後話を聞いた。

日本体育大学ラグビー部女子・高橋夏未

高橋夏未

高橋夏未


――準々決勝のPEARLS戦は本当に惜しい試合でした。


昨日(プール戦で)も負けていたんですけど、最後粘り勝ちできなかったというのが課題で、負けたことに対してマイナスじゃなくてプラスに考えていて、何回も試合を重ねて段々、差が埋めれてきていたというのが自分たちの中でも自信をもっていこうという話をしていました。

今日(2日目)の1発目もお互い体が疲れているし、そういう中で自分らがどう勝ちきりたいかということを思って試合に臨みました。

結局今回も粘り勝ちできなかったんですけど、それを引きずっていたら、後の試合にも結果だけじゃなくて試合内容も良い内容でできないと思ったんで、すぐに切り替えてやろうと半話をしました。結果としては(後の試合も)負けちゃったんですけど、相手に影響されず自分たちができることをやろうということを意識して、ダメだったところは試合中、しっかり選手たちで話してというところまでやったんですけど、簡単なミスとか、自分たちのボールを離してしまったりとか、そういうところがまだ足りないところだなと思います。


基礎というか、しっかり基本的なところから失敗しないように練習から出来るようにしたいですね。今日の結果から次の大会では最初からと強いプールになると思うんですけど、そこは切り替えていきたい。

――ミスが出てしまった要因は


コミュニケーション不足なところが一番で、隣とのつながっていないことで、パスミスだったり、コネクトが切れてしまったというのが多かったので、試合中きつくても隣と喋る、というのをもうちょっと、これは無意識でもできないといけないことなんで、もうちょっと意識高く試合で発揮できるようにやらないといけないかなと思います。

――前回大会に比べて、チームとしてはやりたいことができるようになっていますか?


1回戦った相手とかが今回も多かったので、しっかり分析というか対策をねって、このチームにはこういうことをやろうというのを試合前に確認して、頭の中に最低限それは入れた状態で試合ができていました。やってくることが分かっていても、フィジカルのところでは負けてしまうのが弱みなので、そこも負けずに自分たちから間合いに詰めて入るとか、運動量のところで勝って、相手のやりたいことをやらせねいというのを継続できた部分は、いい流れに出来たかなと。でも最後までそれが持つのは最終的には体力なんで最後まで走りきれるように練習しないと思いました。


――向來桜子(日体大)が15人制の代表のゲームキャプテンを務めて、見事スペインに勝利しました。その試合は見ていましたか?


会場には行けなかったですけど、スマートフォンでみました。幼なじみなんで、いい刺激になっているというか、自分も今は太陽生命だけど、太陽生命が終わったら、代表シーズンが始まるんで、そういうのに向けてもチームとしてもそうだし、個人としてのパフォーマンスももう1回見せる、個人としても昨シーズンよりはレベルアップしていきたいですし、彼女の活躍に刺激を受けました。

チームのキャプテンを務める向來桜子は本大会の前日、女子日本代表のゲームキャプテンとしてスペイン代表戦に出場し、勝利を飾った

チームのキャプテンを務める向來桜子は本大会の前日、女子日本代表のゲームキャプテンとしてスペイン代表戦に出場し、勝利を飾った

――チームとしての役割は?


チームの中で、キャプテンとか、そういうリーダーの役割はやっていないんですけど、代表で学んだこととか、意識付けとかっていうのは練習の中でもやっていきたいし、パフォーマンスで自分は見せて、まだ勝ちきれない部分が多いですけど、きついところで自分が最後まで走って追いかけるとか、そういうのを見せてみんなにもそういう意識をもってもらえたらなと思っています。



アルカス熊谷・松井渓南キャプテン

松井渓南

松井渓南


――この大会を振り返って


1大会目から走り勝つラグビーというのをチームの目標に掲げてやってきたんですけど、底の部分でやっぱり負けた試合は、自分たちがまずプレッシャーに感じてしまって、そこから流れを作れずに全部飲み込まれてしまうという状況になってしまって悔しい結果になってしまいました。

アルカス熊谷・山田晴楽

アルカス熊谷・山田晴楽


――前回大会よりも取り切らないといけない場面では取り切れたり、チャンスをいかすことができるようになったのではと感じました。この1ヶ月どんな準備をして何がうまくいきましたか?


熊谷大会では1日目から3戦負けるという結果を残してしまったので、自分たちの目標が「リンク」、つながるというところだったの、ボールを繋いだり、自分たちの気持ちを繋いでトライまで絶対に持っていこうという気持ちで戦うことができたかなと。

(ボールを動かすというところも)前回大会を終えて、チームに帰ってからフォーカスして練習はしてきたと思うので、通常した部分はあったのかなと思います。

――今大会は上位のチームとも僅差の試合ができていました


一人ひとりの勝ち気というのは上だったかなという気持ちもあるんですけど、僅差で負けるのというのはまだ足りない部分があったからこその負けだと思います。花園にむけて(練習できる)期間は短いんですけど、調整していきたい。

――1日目にきめた松井さんの逆転トライは素晴らしかったですね。


ありがとうございます。自分自身、結構きつくてでも、自分の前が空いてたので、もうここしかないと思って走りきれたんですけど、後ろに相手がいたので気にしながら走って、最後とりきれたのは良くて、勝ち切れたのもよかったんですけど、ギリギリの試合をしなくてもいいような練習をこれからしていかないといけないですね。

――花園に向けてチームとして積めていかないと行けない部分は?


やっぱりディフェンスの部分。トライをされるというのはディフェンスがよくない部分だったと思うので、止めきってボールを取り返して、そこから自分たちのチャンスに繋げられるようにやっていきたい。


――順位的には納得行く結果ではなかったでしたが、手応えはつかめましたか?


トライを取りきる部分も何個かシーン的にあったと思うので、そこの部分は継続して強化していきたいです。

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ