10日、11日に行われた「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2024昇格大会」来シーズンのコアチーム昇格をかけた戦いに敗れたチームは再び新たな目標へ向けた挑みをはじめる。
四国大は準々決勝でRKUグレースと対戦。先制トライを許すも、金島瑠奈、辰己美咲希の連続トライでリードして前半を終える。勝負の後半、グレースに2トライを奪われ逆転負け。コアチーム昇格の目標を絶たれた。その後、メンタル的にも厳しい中、早稲田、神戸に勝利し5位で大会を終えた。
弘前サクラオーバルズは、今大会10名の選手登録で大会に挑んだ。片岡瑞帆キャプテン、アザレアセブンから移籍した山形詩織、チャレンジチームに今シーズン第3戦まですべて出場している新居里江子らを中心に戦うも、なかなか勝利できないまま今大会の最終戦で早稲田大学に52-0と大勝。7位で大会を終えた。
大会終了後に四国大・金島瑠奈、弘前サクラオーバルズ、片岡瑞帆の二選手に話を聞いた。
四国大 金島瑠奈
――この大会を終えて
四国大は今年部員数が12人でこの入替戦の登録が12人ギリギリでした。チームの目標としてはもちろん優勝を掲げていたんですけど、「けが人ゼロ」という目標を練習期間内も含め立てながら、12人全員で指導者含めてここまで本当やってこれたなと実感しています。
――金島さんは北九州大会に出場されていましたがそこからチームに戻ってどんな準備を?
チャレンジチームで出場した時に、アカデミー合宿で教わった高いレベルの練習を自分たちのチームに持ち帰って自分が練習メニュー組んで、レベル高く、質も濃い練習に取り組んだり、鈴鹿大会は(チャレンジチームへの出場を)辞退させていただいてこのチームに貢献できるようチームを優先していました。
――今日のグレース戦は本当にギリギリのところで敗れてしまいました
去年は3位決定戦でRKUさんと対戦して勝つことが出来ていたし、太陽生命に出たときからずっとライバルチームでやっていたんで、今日の負けというのは自分たちの中ではすごく悔しかったです。
――部員は増えていますか
前に比べると減ってしまいました。自分たち4年生で、3年生の代がいなくて、2年生3人、1年生3人の12人なので、来年自分たちが卒業してしまうと6人になってしまいます。だからとにかく今は部員集めを率先しています。あとは自分たちのチームで掲げているのが、この入替戦ともう一つ学生セブンスで優勝することなので、来年太陽生命は出れないですけど、今シーズン終わったわけじゃないので、次の学生セブンスに向けチームでまたイチからやっていこうかなと思っています。
――先ほど「けが人ゼロ」を目標にと言われていましたが具体的にはどんなことを?
監督やコーチとすごくコミュニケーションを取るようにしています。コンディションは自分が一番わかっていると思うんで、ちょっと痛いなと思ったらすぐにコミュニケーション取ったり、制限しながら自分にできる練習をやったり、今日は落としてほしいとかを監督に伝えたりしました。疲労感とかも相談しながら今日まで全員コンディションがバッチシでこれたので良かったかなと思います。
――金島さんがアカデミーで培ったノウハウをもとに組み立てた練習に対してメンバーはどんな反応をしていましたか?
アカデミー合宿で自分が感じたのは、やっぱり基礎ってすごく大事なということでした。それを痛感しました。とにかく基礎の練習と、練習でしたことを試合でそのままできるような意識付け、癖のようになるくらい、もう繰り返しドリル練習を合宿ではやっていたので、それを持ち帰って、基礎から徹底して、質、精度をあげていこうと、他のチームはみんなスキルは高いので私達は精度にこだわってやってきました。
――次の目標は学生セブンズ優勝ですね。
はい。目指していきます。
弘前サクラオーバルズ 片岡瑞帆
――今のメンバーについて教えて下さい
弘前を拠点にしているメンバーと八戸学院大学の女子ラグビー部の選手が3名と八戸市内で教職につきながらプレーしているメンバーと大学を卒業して新潟県の方で大学院に進学したメンバーが1名いて、今回は10人で大会に参加しました。
――今回参加できなかったメンバーを含めると
あんまり変わらないです。青森県としては、再来年に青森国体があるので、そういった関係で高校生以上の選手たちと合同練習をしていて、それは大体20人ほどになります。週末一緒にラグビーをしているという状態です。
――片岡さんは海外のクラブでもプレーをされたりしましたがどういった理由からですか
去年行きました。青森に来て、仕事をフルタイムでやりながらラグビーをするという生活をしていて、結構ハードな毎日でした。それでも結構自信がついたんです。もう一度日本代表になるというのは本当に大きすぎる夢ではあるんですけど、再びそういった部分に食い込むために広い世界でチャレンジしたいなと思っていたので、ずっとラグビー留学はしてみたくて、タイミング的にも今しかないと思って決意して行きました。半年間だったんですけど。
――永田虹歩さんも一緒のクラブでしたよね。
そうです!ブルースでチャンピオンになって。めちゃめちゃ嬉しかったですね。彼女は現役のワールドカップメンバーだったので、そばで同じクラブチームと州代表として一緒にプレーができて、もう学びしかないというか、彼女から吸収するところがたくさんありました。
ラグビーに対する姿勢だったり、本当に純粋さだったり。でも1回フィールドにたてば、もう目の色を変えて、すごくクレバーに戦う選手なので、ものすごい刺激をもらいました。
――同じクラブになったのは?
あれは偶然だったんです。彼女とは国際武道大学時代に一度「読谷セブンス」というゲームと15人制で合同チームを組んだ事があって、その子といっしょにしかも海外で同じチームメイトでできるんだということでただただ嬉しいし、現役のジャパンと体をぶつけて毎日過ごせるのはものすごい幸せな瞬間でした。
――これからのチームの予定は
ホームゲームの「オーバルカップ」というものがあるんですけど、そこに今回入替戦に出場しているクラブチームも複数招待して来ていただく予定です。6月22、23日の土日に弘前で行うのでその試合に向けて準備します。
――オーバルズの注目してほしい選手を教えて下さい。
1人は新居里江子(国際武道大学卒)選手です。FWもBKもどちらもできる選手なんですけど、今年はチャレンジチームとして鈴鹿大会まで3戦連続で出場していて、ものすごくタフになっています。攻守にわたって体を張ってプレーしてくれているので、今年はじめて一緒にプレーしているんですけど、楽しいです。
普段はほんわかしているんですけど、ラグビーになると表情が変わるというか、躊躇せずタックルに入る姿勢とかすごく刺激もらっています。私自身ももっと体を張り続けなきゃいけないなと。キャプテンとしてもこう言葉でチームをまとめたり、うまく組み立てたりというのが得意ではないので、プレーで若い選手たちを引っ張っていきたいなって思っています。
もう一人は今季アザレアセブンから移籍して加入した山形詩織選手。PRの選手なんですけど、青森出身で故郷に帰ってきてくれて、多分国体でも一緒に青森県代表として目指していくので、彼女の体の強さだったり、彼女も背中で見せてくれる選手で、あと言葉でも若い選手とたくさんコミュニケーションを取ってくれています、私も彼女もチームの中では年齢が上の方なので、助けられています。もともとは砲丸投げの選手だったんですけど、大学からラグビーをはじめた転向組で、キックも器用にできちゃいます。
オーバルズはチームとして本当に経験値が浅いので、もっともっといろんな大会に出て、あとは田舎だけど誰かきてくれたらすごく嬉しいですけど。私も東京出身で来たので、弘前はいいところだよっていうのをラグビー界に広めていきたいですね。