24日、OTOWAカップ・第31回関東女子ラグビー大会準決勝、日本体育大学女子ラグビー部とTKMフェニックス(YOKOHAMA TKMと東京山九フェニックスの合同チーム)の試合が行われ、実力拮抗した接戦が繰り広げられ、一度は逆転されたTKMフェニックスが後半39分に再逆転し劇的な勝利を収めた。
2021/01/26
文●編集部
GALLARY

試合前、円陣を組んで気勢を上げる日体大

円陣を組むTKMフェニックス

日体大のスポットコーチを務める菊谷崇さんもベンチ入り。試合前のアドバイスを受けるのはサクラ15候補のPR小牧日菜多(1年)

牧野円レフェリーは横河武蔵野アルテミスターズ所属。前年度の全国女王ながら試合ができなくなった選手たちにかわって大会をアシストする。

TKMフェニックスは準々決勝ではTKMの黄色のジャージーを着用したが、準決勝では山九フェニックス今季新調した前面が赤、背面が黒のジャージーで登場。

TKMフェニックスのSO片山菫(TKM)は日体大卒1年目。母校を相手に冷静にゲームをリードした

日体大FL細川恭子は3連続タックルでボールを奪い、そこからボールキャリーするなどワークレートの高さをアピールした

TKMフェニックスのLO三村亜生(TKM)はセットプレーを正確にリードした

日体大のNo8柏木那月、CTB、WTBからPR、HOもこなす万能ランナーはこの日はNo8で登場。厳しいマークの中でも強気にボールを前に運んだ

日体大WTB吉野舞祐は福岡・新宮高出身の1年生。急減速→急加速の効いたステップは切れ味抜群だ

7月にはサクラ15のリモート合宿にも参加した日体大PR牛嶋菜々子は関東学院六浦出身の1年生。機動力抜群。

サクラ15の日体大FB古屋みず希。柔らかさと人への強さをアピールした

TKMフェニックスのSH新原響(TKM)も日体大OG。同じく日体大OGのSO片山とともに走り慣れたピッチで積極的にゲームをリードした

日体大HO中野。先輩SH新原をハンドオフして前に出る

日体大の司令塔を務めたSO秋山歩花。視野の広いプレー選択で味方を前に出した

日体大の主将を務めたWTB中山潮音。宮崎北高3年の2016年に17歳で日本代表に選ばれた大器だ

TKMフェニックスのWTB高橋李実にタックルする日体大CTB小林花奈子。相手アタックに負けず前に出て圧力をかけた

突破をはかる日体大LO堀川侑愛(中央)とサポートするLO阿部純佳(右)、柏木那月(左)

PKから速攻を試みる日体大No8柏木那月

0-0で続いた試合で先に得点したのは日体大。前半33分、右ゴール前のラインアウトからFWが密集を押し込みPR小牧日菜多がねじこんだ

SO秋山とともにゲームメーカー役、ゴールキッカーも務めたCTB人羅美帆

SH佐藤日向子は関東学院六浦出身の1年生。抜群の走力でポイントに走り込み展開攻撃を支えた

前半39分、TKMフェニックスはFWが体をあてポイントを作り、BKのスペースを作る

TKMフェニックス・キャプテンを務めたFL松永美穂

前半終了間際、TKMフェニックスはWTBレイヤモ・アテ力のトライで5-5として前半を終了



TKMフェニックスのNo8永井彩乃は昨春まで日体大に在籍。よく知る後輩たちのタックルを浴びながら力強く前に出た

TKMフェニックスのCTB阪本結花は日体大防御の圧力を受けながら果敢に前に出た

攻守とも体を張るプレーが看板のTKMフェニックスFB鹿尾みなみ。昨季はグレースで会長杯優勝に貢献し、筑波大を卒業した昨春クボタに就職。東京山九フェニックスでプレーする

女子日本代表最多キャップ保持者の鈴木実沙紀(TKMフェニックス)。後半11分にはリードを奪うトライを決めた

トライを決めた鈴木を囲んで喜ぶTKMフェニックス

リードを許した日体大はキックで敵陣深くに蹴り込みキックチェイス。

接点でプレッシャーをかけボールを奪う。

リードを守りたいTKMフェニックスも必死のディフェンスで食い下がるも

後半17分、PR小牧日菜多のトライで日体大が10-10の同点とする。

CTB人羅のコンバージョンが決まり12-10と日体大が逆転

TKMフェニックスの得点源レイヤモ・アテカにタックルする日体大WTB中山潮音とサポートする佐藤日向子。日体大DFは後半、アテカに走るスペースを与えなかった

RWC2017ではサクラ15のFLだったTKMフェニックス塩崎優衣(フェニックス)はHOで出場。

ゴールに迫るTKMフェニックス鈴木実沙紀を日体大CTB人羅美帆が懸命のタックルを浴びせゴール前で落球させる。日体大のカバーディフェンスは見事だった

ラインアウトを捕球するTKMフェニックスのサクラ15LO佐藤優奈(フェニックス)。スロワー鈴木実沙紀との抜群のコンビネーションで空中戦を制圧し、試合に優位性を作った

残り1分、TKMフェニックスはNo8永井彩乃がゴール前で空いてDFのギャップを突破。

そのまま永井は約20mを走りきって歓喜の逆転ダイビングトライ

劇的な逆転勝利に抱き合って喜ぶTKMフェニックスのフィフティーン

激闘を示すスコアボード

MIPは逆転トライの永井が受賞した
TKMフェニックス NO8永井彩乃
今日はチーム全員、試合前のアップのときから「絶対に勝ってやる」という雰囲気でした。最後の時間帯も、みんなあきらめないで走っていた。みんなは先週から連戦だったけれど、私は先週の試合はちょっと足首をケガしていたこともあって休ませてもらっていた分、元気なので、自分の持ち味の突破力を活かそうと。勢いのあるアタックができた。
日体大には去年まで在学していたので、後輩たちのことはよく知っているし、それだけに負けたくない気持ちは強かったし、このメンバーで勝ちたいという気持ちが強かった。
(日本代表のレスリー・マッケンジーHCが視察していたが)
今は日本代表に選んでもらっているので、それにふさわしいプレーをしようと思って臨みました。どのレベルの試合でも、日本代表のスタンダードを出していかないといけないと思っています。

決勝進出を決めたメンバーをTKMフェニックスはベンチメンバーとスタッフがグータッチで迎える


決勝に向けての円陣。モーニングベアーズとの決勝は2月7日(日)だ
MEMBER_TKMフェニックス

MEMBER_日体大
