宮崎合宿を行っているラグビー日本代表は20日、公開練習を行った。エディー・ジョーンズHCが練習後に取材に対応。現状のチームやメンバーの状況を話した。
ラグビー日本代表 エディー・ジョーンズHC

――宮崎合宿は新しいスコッドで臨んでいます。
取り組む姿勢は素晴らしいです。学ぶスピードも速い。ウェールズ代表に対して求められるフィジカルを想定して今練習しているところです。
――JAPAN XVメンバーを2人追加で呼びました。トップ4の選手たちはウェールズ代表戦に集中していく形になるでしょうか?
そうですね。 ウェールズ代表戦に向けて2 つのオプションがあります。1 つはマオリ・オールブラックスとの試合です。もう 1 つはトレーニングです。現在、その 2 つを総合して判断材料にします。
――ギャリー・ゴールドさんが合宿に参加しています。ディフェンスコーチでしょうか?
ディフェンスのアドバイザーです。
――今はオブザーバーみたいな立場ですか。
アドバイスもしています。

ギャリー・ゴールド氏
――今季、ディフェンスコーチにギャリーさんに来てもらう?
非常に経験値高いコーチです。アメリカ代表や4年で南アフリカのコーチ、ロンドン・アイリッシュ、ニューカッスル、ウスター、ストーマーズもコーチしました。すごく経験があります。(今の)コーチングスタッフは結構若いので、もう少し経験値の高い人が必要だと思いました。
――オファーをかけようと思ったのはいつくらいですか。
彼は、今はあくまでもアドバイザーです。

――今日もディフェンスを積極的に上がって、プレッシャーをかけるように指導していました。
昨年は3つの重要な課題がありました。それは、ブレイクの一貫性、ラン・パス・キックのプレー能力、プレーのバランス、そして3つ目はボールを止める能力でした。そのため、連携のあるラインスピードを少し向上させたり、相手へのプレッシャーを強化したりできると考えています。特に、ウェールズ代表戦は、そのようなストラクチャーを採用したプレーを多く行っています。そのため、組織を整えて、エネルギーを蓄積し、守備を機能させたい。

――イングランドではディフェンスを積極的にやっていた。あのような感じか。
似たような考えですが、全く違うチームですからね。イングランド代表はディフェンスが大好きです。日本代表はそこまでではありません。ディフェンスを楽しめるように促していかないといけないと思います。今日暑いですけど、50分のセッションの最後の6~8分をハードなディフェンスに充てました。

ヴェティ・トゥポウ
――アタックも少し仕組みも含めてアップデートされたという風にうかがっています。
ほんのちょっと変化を付けました。いつもスタートのストラクチャーをいろいろ試しているのですが、今回追加したのは、相手のディフェンスを先に崩すためのモメンタムのあるキックプレーです。それは間違いなく、私たちがやりたいことに追加されるものです。
――FWの立ち位置も少し変えた?
少しはありますが、ゲームでそれを実現できるかどうか、様子を見てみようと思います。
――SOサム・グリーン選手の評価は
彼は本当に調子がいいです。でも、スンシンは10番でプレーしていなかった神戸から復帰したばかりです。だから(10番として)まだ4日目です。サム・グリーンは、セッションを重ねるごとに少しずつ良くなっています。中楠は本当に成熟しました。現在、私の頭にある構造は、昨年の選手の数です。昨年は、ナショナルチームの初年度でした。

メイン平(左)、サム・グリーン(右)
彼らは(日本代表に)戻ってきて、少し成熟しています。テストマッチの準備について少し理解が深まり、素晴らしいパフォーマンスを見せています。原田や為房、松永、藤原は今日、合流します。去年よりも成熟した形が見られると思います

中楠一期
――グリーンと中楠とスンシンが10番争う
(新しい選手が)セブンイレブンで見つけられない限りはね(笑)
――松永はFB?
松永はもうフルバックですね。中楠もフルバック、サム・グリーンもフルバックでプレーできます。
――コーチに伊藤鐘司さんが入って、コネクションが強化された?
今やり始めているところです。彼はとても頭の良い勤勉な素晴らしいコーチで、日本人選手たちとも良い関係を築くことができます。

――毎日○○デーなど、テーマを決めているそうですが
メソッドを変えようとしています。以前の方法に戻ります。昨年は少し違うことを試してみました。選手たちがこの種のトレーニングに準備ができているかどうか確信が持てませんでした。このトレーニングのやり方も分かりませんでした。そして、おそらく彼らは準備ができていなかったでしょう。
しかし、今は準備ができています。今年のトレーニングメソッドはまだ始めたばかりですが、ずっと一貫性がありますね。私はこれを日本U-23代表とJAPAN XVで試行錯誤を繰り返してきましたので。
――具体的にはどういう風に?
より戦術的で、より段階的なアプローチを心掛けます。毎日の練習内容については、これまで以上に厳格に管理していきます。
――マオリ戦のメンバーについてはいつくらいに決める?
まだほとんど固まっていません。多分、来週の木曜日の朝ですね。
――今リーダーはもう決まっているのか?
今は特に指定はしていないですね。リーダーシップグループを作っているところで、いろいろプランニングしています。荒木香織氏と今取り組んでいて、明日からリーチが来ます。彼のリーダーシップというところも期待しています。
――トップ4の選手に関して、それぞれの顔を見て、疲労度とか、そういうのを見て練習、強度を決めたいと言っていましたが
特に問題なく、いいコンディションです。ルア(マキシ)とか数名の選手が別のプログラムに取り組んだりとか、スンシンが少しトレーニングを調整したりとか、原田も調整していますね。でも大多数の選手はフィットしていいトレーニングができています。

――改めて2年目を迎えた心境を
まだ5日目ですので、いわば学校に入学してまだ5日しか通っていないような感じです。しかし、昨年のこの時期と比較すると、チーム全体として、自分たちがどのようなプレーをしたいのか、より明確に理解していると思います。本当に良い選手たちが揃っています。彼らは昨年よりも年齢は若いですが、昨年よりも成熟しています。そして、このチームには良いチームの基礎があると思います。とはいえまだ始まったばかりですが。
――マオリ戦でウェールズ代表戦に向けてどういうものを持ち帰りたいか?
マオリ戦はウェールズ戦代表に向けた準備試合です。ここには試合出場時間が必要な選手たちがいます。彼らは試合出場時間が必要です。マオリ・オールブラックスがウェールズと対戦するときと同じようなプレーはしません。しかし、いくつかの要素を取り入れてプレーするつもりです。つまり、マオリ戦に向けて最大限の準備をどのようにウェールズ代表戦にいかせるか、それが私たちのアプローチです。
――今やりたいラグビー、見せたいラグビーの中でスクラムハーフの役割はどのようにお考えになっていますか。

福田健太
福田は、まさに目を見張るほど素晴らしい成長を見せています。本当に素晴らしいです。私は70分くらいでスタジアムを後にしなければならなくて、福田が出てくるのは71分くらいからなので、彼のプレーを今年あまり見ることはできませんでした。だから私は彼のことを「10分」って呼んでいるんですけど、練習では非常に素晴らしい。すごくいい練習をしています。

北村瞬太郎
今日は藤原が来ます。(齋藤)直人の様子も今週末のゲームで知ることができます。若い土永と北村もいます。私たちはこのポジションには非常に強みがあります。そして、彼らは皆、タイプの違った選手で、それは良いことです。ですが(田中)フミのような存在を育成する必要があります。チームの精神となるような選手です。小さいけどタフで、でもタフだけじゃなくてスマートで、ジャパンをリードするような9番が必要ですね。
――宮崎合宿の感想と今後の試合にどう繋げたいか
宮崎出身の2人の選手がいることを本当に誇りに思います。TK(竹内)と平が宮崎から来てくれて本当に嬉しいです。宮崎はまず私たちを受け入れてくれているので、これにより、全員が仕事に集中しやすくなります。施設も良いですしトレーニングは最高です。(ウェールズ代表戦の前は)木曜日か金曜日に北九州に行きます。戦術的な明確さがあります。身体的にも準備は整っています。日本の記録を塗り替える準備はできています。