「疾風迅雷」将軍野中はあと一歩及ばず—茗渓学園がロスタイムに逆転勝利 | ラグビージャパン365

「疾風迅雷」将軍野中はあと一歩及ばず—茗渓学園がロスタイムに逆転勝利

2013/12/24

文●斉藤健仁


12月23日(月・祝)、東京・秩父宮ラグビー場で第33回東日本中学校大会が行われた。桐蔭学園中(神奈川)が國學院久我山中を40-12倒して優勝した大会だったが、最も、気持ちがこもっていたのは、惜しくも茗渓学園中(茨城)のロスタイムに逆転負け(7-12)してしまったベスト4唯一の公立中学校の将軍野中(秋田)だった。

前半、将軍野中は茗渓学園中の前に出るディフェンスに手を焼いて、自陣での時間が続いた。

だが身長177cm・体重80kgのPR濱野主将だけでなく、身長182cm・体重80kgLO桑原真諭(3年)、身長185cm・75kgのCTB児玉樹(2年)といった体格に優れた中心に粘りのディフェンスを見せて、ほとんど自陣で相手に攻められる時間帯が続いたものの、1トライに抑えて0-5で前半を折り返した。

後半も同じような展開が続いたが、ついに「疾風迅雷」を掲げる将中ラガーがチャンスをつかむ。スクラムからSH奈良卓磨(3年)近場を攻めた後、外に大きく展開し、FB佐藤光一(3年)のトライ&ゴールで5-7と、ついに逆転に成功する。

しかし、ロスタイム、最後までコミュニケーションを取って守っていた将軍野中だが、茗渓学園中の見事なボール回しの前に再び逆転を許し、7-12で敗れた。

ノーサイドを迎え、喜ぶ茗渓フィフティーンの前で、次々と倒れ込んだ将軍野中の選手たち。それだけ、この3位決定戦に賭けていた証拠であろう。ただ濱野主将は気丈だった。

相手と握手を交わし、表彰式やスタンドへの挨拶を終えて、最後にグラウンドの白いラインを超えた瞬間、倒れ込んで嗚咽した。「3年生は秋田工と秋田中央に分かれます。(将軍野中として最後の試合だっただけに勝てなくて)悔しかったです」と目を真っ赤にしながら、秩父宮ラグビー場を去った。

中学でのラグビー、そしてこの敗戦の悔しさを糧に、きっと成長しただろう濱野主将を中心とした将軍野中のメンバーたち。きっと、また花園ですばらしいプレーを見せてくれるに違いない。

 

斉藤健仁
スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当するなどトップリーグ、日本代表を中心に取材。プロフィールページへ


 

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