太陽生命カップ2017中学校の部、決勝に駒を進めた京都市立勧修中学校。登録メンバーは17名。今大会で最も少ない人数だ。その中でも準優勝という結果を残した。チームを率いる中西大監督は「(準優勝という結果は)ちょうどいいです。追いかける立場の方が」と本音を漏らした。
京都市内全体で取り組む強化システム
試合登録17名の内、3年生が12名、2年生が5名という構成で3年生の内7名は、第10回サントリーカップ・タグラグビーで京都市立勧修小学校「リトルブラックス」で全国3位となった経験をもつ。
「京都市内の小、中、高校が連携してタグラグビーからラグビーに繋げていこうという取り組みをしています。決勝では、タグの良いところを活かして全国大会で結果を残したかったですが、ラグビーはコンタクトスポーツなので厳しかったですね。」
と試合を振り返った。今回の試合登録メンバーは参加チーム中、最も少ない。チーム作りの前に「部員集め」からスタートする。
「楽しいですよ。当然、はじめからラグビーが好きでラグビーをやりたいといって入部する子は少ないです。」
遠征試合などもそう多くは経験できない。
「京都市内の中学校や、市内にある高校にいくつかの中学校が集まって教えてもらったり、一緒に練習をさせてもらっています」
京都市内をあげてジュニア世代の強化に取り組んでいる。その努力が着実に結果となって現れてきている。
前半こそ同点で折り返した決勝戦、後半に入ると立て続けにトライを決められリード許す展開となってしまう。そういった状況下で選手から「京都のラグビーをやろう」という言葉が発せられていた。
「初めて聞きました。でも嬉しいですね。そういってくれるのは。何のことをいっていたのだろう…。特別、そういう言い方をしていませんが、もしかしたら自分たちで何か気づいているかもしれません。日頃から、3つのことを意識するように伝えています。
1.人格 疎かにならない。投げやりなプレーはしない
2.アタック ボールを動かしていこう
3.タックル 愚直にいこう。 ひたむきにやっていこう
そのどれかのことを言っているのではないでしょうか」
準優勝という結果だけでなく、この大会から大きな収穫もあった。
「この大会をきっかけにラグビーを続けたいという生徒が出てきました。ラグビーの勝負が楽しさを見出したのだと思います。それまでは1対1で抜きさる部分だとか目先の勝負に楽しみを感じていたようですが。今は本物の勝負に楽しさを見出しているようです。」
「京都のラグビー」その言葉が、一つの文化となる日もそう遠くないかもしれない。