9月13日から15日に行われた「太陽生命カップ2025」第16回全国中学生ラグビーフットボール大会の男子の部は、中学校の部、ラグビースクールの部、そして地域普及ブロックの部の3つに分かれて激しい戦いが繰り広げられた。3日目の最終日に行われた各ブロックの決勝レポートをお伝えする。
男子 中学校の部 決勝 東海大大阪仰星高校中等部 22-0 茗渓学園中
仰星は開始1分に黒川虎鉄のトライで先制。6分にはゴール前ラインアウトからモールを押し切って池崎修吾がトライを決め、12-0とリードする。

茗渓学園は積極的なパス&ランで仰星に挑んだ
3連覇中の茗渓学園は、大胆なロングパスを繰り出すなど伝統のスリリングなアタッキングラグビーで良い形を作るが、仰星の粘り強いディフェンスを前にトライまでは作れず。仰星が12-0とリードして折り返す。

後半も仰星が敵陣でゲームを進め、8分に岡野颯亮がトライ。
さらに14分には自陣ゴール前のピンチを耐えてPKを獲得。陣地を戻すとラインアウトから山崎琉矢がキック。松川悠槻が猛チェイスしてゴール前で拾いトライ。22-0と差を広げると、茗渓の反撃を勤勉なディフェンスで封じ、完封勝ちした。

仰星11松川悠槻

仰星HO池崎修吾

後半8分、仰星岡野主将がトライ

茗渓は得意のパス攻撃を繰り出すも仰星の堅守を破れず

仰星が22-0で勝利した
仰星は2022年大会前期の優勝以来3年ぶり5回目の優勝。

優勝した東海大大阪仰星高校中等部


東海大大阪仰星高中等部 岡野颯亮主将
「茗渓の速いアタックでしんどい場面もありましたが、粘り強いディフェンスと、逆にこちらも速いアタックで自分たちらしさを出せた。仰星は部員が全員で90人と大勢いるのですが、全員で力を合わせて戦う良いチームになっていると思う。メンバーもメンバー外も同じ方向性を理解して、自分たちがやるべきことをやる。茗渓は3連覇中だけど、相手を見るよりも自分たちのラグビーに集中したのが良かったと思います」
男子 ラグビースクールの部 決勝 世田谷RS 37-12 芦屋RS
世田谷は開始2分、戎真吾のトライで先制。6分に池田和錬がトライを加え14-0とリードすると、11分には正面のPKで竹山哲平が冷静にショットを選択しPGを成功。さらに16分にはカウンターアタックから田所言葉が左隅に飛び込み24-0とリードする。

前半11分、PGを決める世田谷SO竹山哲平

16分、世田谷・田所言葉がダイビングトライ
芦屋もそこから反撃。木庭悠登のビッグゲインから鶴田聖波がトライを返し、加川文滋がコンバージョンを成功。24-7で前半を終えた。

19分、芦屋⑩木庭悠登がビッグゲイン

⑦鶴田聖波がトライ
後半は互いのタックルが決まり、9分過ぎまでスコアレスで進む。
10分に世田谷は竹山がPGを決め27-7とするが、芦屋は13分に平井圭吾の突破から大川慶佑がトライ。27-12と追い上げた。

芦屋 大川慶佑がトライ
しかし世田谷は冷静だった。20分、正面PKを得ると竹山がPGを成功。
ロスタイムには自陣からアタックする芦屋のノックフォワードを竹内亮がカットして逆襲し、竹山がダメ押しのトライ。37-12と点差を広げて初優勝を決めた。

ロスタイムの23分、世田谷の竹山がステップで相手を抜き

ダメ押しのトライ

ノーサイド

世田谷RS 竹山哲平主将
「勝因は、良い雰囲気で臨んだことです。ウォームアップのときからずっと笑顔で、良い雰囲気を作ることを心掛けました。試合だから特別のことをするんじゃなく、普段の練習でしていることをそのまま出そうと話し合ったので、緊張しないで、試合の最初からいいプレーを出せました」


優勝した世田谷RS


決勝を戦った両チーム
地域普及の部 松本国際中 21-17 八戸少年RS

八戸12笠島春弥

八戸9早狩夢希のトライ

八戸7山下永真のコンバージョン

松本国際のアタック

松本国際のアタック

松本国際9.金野来輝のトライ

松本7種山虎伯のコンバージョン

八戸12長尾舜士のタックル

後半ロスタイムの26分、松本はFWが殺到し3.齋藤丈が劇的逆転トライ




優勝した松本国際

優勝した松本国際
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |