トライを演出する決定的なパス、力強い突破と12番の存在感が日に日に増している。今年度のアジア5カ国対抗(A5N)を見ていて、そう思った方も多いはずだ。昨秋の欧州遠征より桜のジャージーのインサイドCTBを任され続けているのは、「ハル」ことCTB立川理道(クボタ)である。天理大時代はSO、そして主将としてチームを初の国立に導いた社会人2年、23歳の若きミッドフィルダーだ。
昨春は迷いがあったが、欧州遠征で自信をつけた
立川は、1つ年上のSO/CTB田村優(NEC)とともに「パス、ラン、キックができて、判断もできる選手」と称され、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が指揮官になると同時に日本代表入りを果たした。
ただ昨年の春シーズンはCTBだけでなくSOとしてもプレーし、「10番としてのこだわりも少しありましたし、エリアを取らずに我慢して攻めていく、このラグビーでいけるのか。少し半信半疑的なところがありましたね」と吐露した。
それでも、アタッキングラグビーを貫くジョーンズHCの下、昨秋の欧州遠征のルーマニア戦、グルジア戦では12番を背負い敵地での連勝に貢献。立川自身、U-20代表のウエールズ遠征以来2度目となる海外への遠征を経て、日本代表が標榜するラグビーに対する徐々に迷いはなくなり、「12番をどんどんやってみたくなりました!」と自信をつけていった。
欧州から日本に戻ると疲労で2日間くらい寝込んだが、クボタでも朝からフィジカルトレーニングを続けて、現在では96kgほどに体重は増えているという(公式プロフィールは93kg)