将太郎です。スーパーラグビーがいよいよ大詰めになりました。30日に行われた準決勝は、昨年のチャンピオン、ハイランダーズをライオンズが破り、2012-2013年に2連覇を飾ったチーフスをハリケーンズが破りました。決勝の顔合わせはハリケーンズvsライオンズ。
開幕前は誰も予想していなかった顔合わせでしょう。ハリケーンズは、昨年に続く決勝進出ですが、昨年はマア・ノヌー、コンラッド・スミスを擁しての好成績。二枚看板が去った今季は厳しいだろうとみられ、事実、開幕戦ではブランビーズに10−52で大敗しました。この時点で、ハリケーンズのプレーオフは消えたな、と思った人も多かったでしょう。
ライオンズは、スーパーラグビーの最高成績は前身のキャッツ時代、最下位争いの常連。2001年の3位(準決勝敗退)で、3年前はスーパーラグビーから降格して南ア国内で戦っていたチームで、開幕戦でサンウルブズと対戦したときは26−13。サンウルブズにも十分勝機はありました。しかし第2節は、ホームでチーフスに36−32で競り勝ちました。ここから流れは変わりましたね。
改めて、長丁場で戦うスーパーラグビーの難しさと面白さを感じます。さて、ハリケーンズとライオンズの決勝を展望するに当たり、僕は3つのキーファクターを上げたいと思います。
1 ウィンディ・ウエリントン
ひとつめは天候です。ハリケーンズの本拠地ウエストパックスタジアムのあるウエリントンは「ウィンディ・ウエリントン」と呼ばれるくらいの、強風の名所です。そしてNZは今は真冬で、雨も多くて寒い。ライオンズの本拠地エリスパークのあるジョハネスバーグは、同じ南半球でも、標高が高くて空気も地面も乾いている。
今年のライオンズは、南アのチームには珍しい、自陣からでもボールを動かすラグビーで勝ち上がってきました。敵陣22mラインまで入ると、やっぱり南アらしくフィジカルの強さを前面に出したダイレクトプレーが顔を出してしまうのですが、アッカルマン監督はハイランダーズのようなボールを動かすラグビーを目指していると聞いたことがあります。それが、ジョハネスバーグというドライなコンディションで戦えるアドバンテージにも助けられて、今季の快進撃につながった。
問題は、それを、「ウィンディ・ウエリントン」でも出せるかということです。