今シーズンは若い力が台頭している。
日本代表の欧州遠征に招集されたヤマハ発動機ジュビロのNO8堀江恭佑、セカンドステージ全勝したパナソニックワイルドナイツのPR稲垣啓太、11年連続トップ4入りした東芝ブレイブルーパスのSH小川高廣などルーキーたちが元気だ。そしてトップリーグ3連覇を狙うサントリーサンゴリアスにもWTB塚本健太がいる。
リーグ戦で10トライを積み上げた。各チームのトライゲッターを抑えて3位、南アフリカ代表CTBジャック・フーリー、日本代表WTB山田章仁(パナソニック)に次ぐ決定力を見せた。
豊かなバックスリーが揃うサントリーに入団した理由
WTB塚本健太といえば、まず、2年前の大学選手権の決勝を思い出す。惜しくも帝京大に12-15で敗れた天理大の3年生FBとして国立のピッチで躍動した。主将も務めたSO立川理道(現クボタスピアーズ)の後方から、そのスピードでチームを鼓舞し続けた快足ランナーだ。
そんな塚本がWTB小野澤宏時、FB有賀剛を筆頭に、WTB長友泰憲、WTB長野直樹、WTB/CTB村田大志、FB竹本竜太郎、FB竹下祥平など能豊かなバックスリーが揃うサンゴリアスに加入したのか。現在、天理大のOBはサントリーには誰も在籍せず、天理高の先輩としてSO/CTB宮本啓希が唯一サントリーにいるだけだった。
あまり饒舌家ではない塚本だが、サントリーに入部した理由を「誘ってもらったこともありますが、サントリーに決めた理由は日本一のチームだから。そこでどこまでチャレンジできるかやってみたかったんです」とキッパリ。高校時代は2年生のときに花園出場時間はわずか5分、大学時代はあと一歩で頂点を逃した。そんな思いが彼を生まれてからずっと過ごしてきた奈良から東京へと駆り出したのだろう。