25日、東京サントリーサンゴリアスに勝利し準決勝進出を果たした、クボタスピアーズ船橋・東京ベイがレギュラーシーズン2位の埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦した。

ファウルア・マキシ
スピアーズは前半3分、敵陣ゴール前の攻防でHOマルコム・マークスのトライで先制。直後の7分、ワイルドナイツにPGを決められ5-3となる。前半10分、ワイルドナイツボールのスクラムからSH藤原忍が山沢拓也に対してキックチャージ。そのボールを自らキャッチしそのままインゴールへトライ。12-3とリードを広げられる。

立川理道

モールを押し込み

マークスが稲垣啓太を弾き飛ばし

マークスがトライ

バーナード・フォーリーのゴールは決まらず

タイラー・ポール

キックチャージしたボールを藤原忍がキャッチ

そのままインゴールへ
それでも直後、ワイルドナイツに自陣ゴール前のスクラムからNO8ジャック・コーネルセンにトライを許し一進一退の攻防が繰り広げられる。29分、敵陣15m付近でペナルティを獲得するとショットを選択。SOバーナード・フォーリーが確実に決めて15-10とリードを広げる。

オペティ・ヘルの突破

29分バーナード・フォーリーがPGを決めて15-10
さらに直後のカウンターアタックで、SH藤原忍のボックスキックを怪我から復帰したハラトア・ヴァイレアがキャッチ。ボールをキープ。さらに藤原が右奥のスペースへキック。山沢京平がタッチに蹴り出すもスピアーズが敵陣10mのラインアウト。

怪我から復帰したハラトア・ヴァイレア

根塚洸雅
マルコム・マークスはルアン・ボタに合わせモールを組む。モールを内側に押してブラインドサイドにスペースを作り、マークスがボールをキャリー、藤原が背走してパスをうけて左隅にトライ。22-10とリードを広げて前半を折り返した。

32分モールからマークスがボールを持ち出し

背走してきた藤原へパス。藤原が左隅にトライ
モールを組んでワンプッシュしてBKへ展開。リカス・プレトリアスと根塚洸雅が連携して22m内側に入る。ラックサイドで藤原に対してベン・ガンターがヘッドコンタクト。ワイルドナイツのペナルティでスピアーズがゴール前のラインアウトのチャンス。
後半に入り48分、ハーフウェイからやや敵陣に入った位置でペナルティを獲得したスピアーズはショットを選択。蹴るのはハラトア・ヴァイレア。今シーズン、長距離のプレースキックを蹴ってきた。終盤怪我のため欠場していたが、満を持してこの大一番に復帰してきた。ハラトアが蹴ったボールはポストを超え成功。25-10として、ワイルドナイツにプレッシャーをかけた。

48分40m近いロングPGを決めるハラトア・ヴァイレア
追いかけるワイルドナイツは直後のカウンターアタックで、FB山沢拓也が自らキックしたハイボールを再獲得してチャンスを作る。スピアーズのディフェンスが中央に寄っていたところ、SO山沢京平がショートパント。このボールに対して、藤原がダイビングしてフェアキャッチ。ワイルドナイツの流れを断ち切ったかと思われた。
ペナルティアドバンテージがあったワイルドナイツは敵陣15m付近のラインアウトからアタックを再開。6フェイズ目、FWでポイントを作り、小山、坂手、そして山沢京のロングパスが大外の竹山晃暉に繋がる。竹山が絶妙な位置へショートパント。再び藤原がカバーに入るもボールを抑えきれず、インゴールに転がったボールを竹山が抑えトライ。
さらに57分、山沢京平のトライで1点差とされ、後半20分を迎える。61分、敵陣15m付近でフォーリーがPGを狙うも、ゴールポストわずか左にそれて失敗。点差は変わらず。65分、裏スペースにキックを蹴り込まれ、再び自陣深くに侵入され、ピンチを迎える。ここでワイルドナイツは坂手から佐藤健次に交代。ラインアウトからフェイズを重ねるワイルドナイツに対して、トライラインを背負いながらのディフェンスが続くスピアーズ。ペナルティなくディフェンスをし続け、最後はワイルドナイツがノックフォワード。

ヴァイレアとコロインベテの空中

62分バーナード・フォーリーがPGを狙うも失敗
直後のスクラム。ワイルドナイツがペナルティ。スピアーズはエリアを戻すも、直後のラインアウトからのアタックで、モールアンプレヤブル。自陣10mで相手ボールスクラム。スピアーズディフェンスのコネクトは崩れなかった。エセイ・ハアンガナに対して、マキシの引きタックルが突き刺さり、オフロードパスがつながらずボールを再獲得。すぐさまカウンターアタックに転じ、ハーフウェイ付近でマークスがキック。敵陣ゴール前5mのところでボールがタッチ外に出て敵陣深くに入り込む。スコアには繋がらなかったがビッグプレーとなった。

マルコム・マークスが絶妙な加減でキック。敵陣深くまで前進した
75分、スピアーズのラインアウトが乱れ、ワイルドナイツボールのスクラム。ここでスピアーズが押し込みペナルティ。スピアーズはショットを選択。ハラトア・ヴァイレアが再びロングPGを決めて28-24と4点差にリードを広げた。

78分ハラトア・ヴァイレアが再びロングPGを決める
残り2分、全てをかけるワイルドナイツだったが、ハーフウェイ付近でノックフォワード。直後のマイボールスクラムでもスピアーズがペナルティを獲得。残り1分を切り、マキシキャプテンが選択したのは、再びスクラム。しっかりタイムマネジメント。2度目のスクラムを組む前にノーサイドのホーンが鳴り、ラストプレー。スピアーズがボールをキープして、タッチに蹴り出し試合終了。28-24でスピアーズがワイルドナイツに勝利し決勝進出を果たした。




喜ぶオレンジアーミー
激闘でのPOMには藤原忍が選ばれた。フラン・ルディケHC、ファウルア・マキシキャプテンの会見コメントを余すことなくお伝えする。

POMには攻守にわたり存在感を見せた藤原忍
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ フラン・ルディケHC

ファウルア・マキシキャプテンとフラン・ルディケHC
――チームのパフォーマンスについて
もちろん、結果には大変満足しています。本当に一生懸命頑張らなければなりませんでした。ワイルドナイツは決して引き下がりませんでした。リードを奪いましたが、後半に追い上げられ、そして試合は1点差になりました。
つまり、全てが勝敗を分ける瞬間でした。そして、その状況でリーダーシップを発揮したと感じました。チームメイトのために奮闘し、勝利を掴み取ったのです。スキッパーが言ったように、まさにそれが起こったと思います。小さな差が結果を左右しました。そして、来週またチャンスが与えられたことに、私たちは本当に感謝しています。
――とりわけは大事な前半と後半の頭くらいのディフェンス素晴らしかった
それは今週私たちにとって大きな課題でスコット・マクラウドがやってきたところです。前回のワイルドナイツ戦で、彼らはモメンタムを掴み、素早いボール回しで混乱を突破し、私たちにプレッシャーをかけて彼らはボールを長く保持することができました。それが今日の試合での私たちの大きな焦点でした。私たちはそれをうまくマネジメントできたと感じており、コリジョンをコントロールし、試合のペースもコントロールできました。それが、私たちが優位に立てた理由だと感じています。

エセイ・ハアンガナに為房慶次朗のタックル

クレイグ・ミラーにファウルア・マキシの低いタックルが突き刺さる
――来週の決勝はブレイブルーパスが相手です
今のところは、この瞬間を楽しむだけです。東芝はシーズンを通して、他のチームの手本となるような好調なチームでした。試合も接戦でした。彼らと対戦したとき、私たちはキックのチャンスがあり、それを確実に決めなければなりませんでした。つまり、またしても、わずかな差で勝敗が決まるだろう、ということです。私たちは、最高の状態である必要があることを理解しています。そのため、今週は、リカバリーが重要です。選手たちに、前回、彼らと対戦した試合からの小さな調整を実践させたいと思います。しかし、私たちは試合を楽しみにしています。

71分からピッチに入って役割を果たした江良颯
――スクラムで勝てた要因は?
それが、(FW)6人、(BK)2のベンチ構成にした理由です。パナソニックとの試合は、常にロングボールの展開になることを知っています。特に、衝突やセットプレーでは、バックやフォワードの強さが求められました。HO(江良)颯とPR為房については、彼らが出場した際、若いメンバーを率いて力強く速いプレーを見せ、ペナルティーで試合を早い段階で決着させました。これにより、試合をコントロールすることができ、本当に嬉しかった。彼らは本当に頑張りましたし、HOマルコム(・マークス)からも多くのことを学びました。またPRオペティ(・ヘル)が戻ってきたことも、試合に大きな貢献となりました。それが結果を喜べる理由です。

後半の勝負所、スクラムで連続ペナルティを獲得
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ NO8ファウルア・マキシ

ファウルア・マキシキャプテン
――試合のテーマは?
自分たちのテーマはショットしていくということと、あとはマインドセットで一瞬、一瞬で勝っていく。その瞬間にいることをしっかりフォーカスして、他のことにフォーカスするんじゃなくて、本当に目の前のことに、チームに周中して、レフェリーも、スコアも、そこを気にせず、自分たちがやるべきことをしっかりフォーカスしてやっていく。それを一瞬一瞬、勝っていくということです。
――何度もピンチを凌いだ
本当に自分たちのディフェンスを信じて、すごく我慢することができました
――後半のワイルドナイツのアタックをおさえた
本当に自分たちのコネクションを失うとワイルドナイツがどんどん来るので、次のことで勝ちにくいという。

キックチャージした藤原がそのままトライのシーン、大きく右腕をあげ喜ぶマキシ
――POM藤原選手のプレーは
藤原選手は今シーズン、すごく成長している。彼も自信になっているし、僕らも彼をサポートして、上手いボールとか、テンポとかもコントロールしてくれる。
――後半最初、連戦の疲れも見えたが、ラスト20分のパフォーマンスが良かった
チームに一瞬、一瞬に勝つということを伝えて、もちろんプレーオフは簡単な試合はないし、ワイルドナイツは本当に素晴らしいチームだと思うので、ちょっとでも気を抜くとどんどん相手がモメンタムでやってくるので、そこはうまく修正して最後までやれた。
――疲れは関係なく、プレーできた?
いや、疲れました(笑)。