28日(土)、ジャパンラグビーリーグワン2024‐25第2節、リコーブラックラムズ東京と東京サントリーサンゴリアスの「東京ダービー」が秩父宮ラグビー場で行われた。
開幕節で三重ホンダヒートに逆転負けを喫したブラックラムズは、アイザック・ルーカスとファカタヴァアマトが戦列に復帰した。同じく開幕節、ワイルドナイツに完敗したサンゴリアス。両チームは今シーズン初勝利をかけた戦いとなった。
2024/12/28
文●編集部
前半2分、サンゴリアスSO高本幹也のPGで先制。前半6分、ブラックラムズは敵陣22m付近のラインアウトから左オープンサイドに展開してWTBネタニ・ヴァカヤリアがトライ。中楠一期のゴールもきまって7-3。さらに10分、ブラックラムズLOジョシュ・グッドヒューがキックチャージ、FLブロディ・マクカランがトライ。14-3とラムズがリードを広げた。
さらに前半13分、FBアイザック・ルーカスが自陣22mでボールを持つと、相手と入れ替わり一気に敵陣15分付近までボールキャリー、LOマイケル・ストーバークがトライ。3連続トライで19-3とする。
リードを許したサンゴリアスは、20分、CTBイザヤ・プニヴァイのブレイクからFB河瀬諒介がトライを決め反撃を開始。30分、PR森川由起乙のトライで19‐17と2点差に迫ると、試合終了間際、SO高本幹也のPGが決まり19‐20とサンゴリアスが逆転して前半を折り返した。
後半最初にスコアしたのは、ブラックラムズ。44分、ゴール前の攻防からTJ・ペレナラからアイザック・ルーカス、中楠一期とつながりトライ。さらに49分にも池田悠希のトライで33-20とブラックラムズが突き放す。
55分、サンゴリアスは河瀬諒介の2本目のトライで追い上げると、さらに63分、代わってピッチに入ったばかりのNO8タマティ・イオアネのブレイクから、河瀬諒介がハットトリックのトライ。33‐32と1点差に迫る。
そのまま試合は終盤、ロスタイム、サンゴリアスが最後の猛攻。81分、流大から高本そして、高本からここまで3トライの河瀬へロングパス。河瀬が左隅にボールをグラウディングしようとするも、ブラックラムズSO中楠がタックル。TMOの結果、河瀬の足がタッチラインに触れたと判定され、ノートライ。ブラックラムズが今シーズン初勝利を決めた。
勝利したブラックラムズは次節ワイルドナイツ、敗れたサンゴリアスはトヨタヴェルブリッツと対戦する。
東京サントリーサンゴリアス 小野晃征HC
フィジカルな相手に対して、サンゴリアスも準備してきたんですけど、前半最初と後半の最初10分でブラックラムズさんの勢いをなかなか止められず大きなリードをされて追いかけるゲーム展開になった。そこは自分として修正していかないとならない。(20年ぶりに)2連敗したことに関しては何も変わらないので、来週の試合にむけてしっかり準備しないとならない。
東京サントリーサンゴリアス 堀越康介キャプテン
後半最初のペナルティとか、もっと自分たちがコントロールできるペナルティは相手の勢いを増してしまった。ドロップゴールについては試合の中で狙えるところは狙っていくというふうにコミュニケーション取っていましたが、(高本)幹也が勇気をもってトライを取るように決断したので、勝ちきれなかったは残念ですけど、彼の決断に全く問題はなかったと思います。チームとして成長してやっていく必要があるかなと思います。
リコーブラックラムズ東京 タンバイ・マットソンHC
サントリーに勝利したのは、何年ぶりかはわかりませんが、すごく嬉しいです。サントリーはこれまでリーグワンのスタンダードを作ってきたので。チームにとってはスペシャルな試合だったと思います。コーチとしては、来週、パナソニック戦が控えているので、しっかり準備をしていきたい。
試合後、ロッカールームではチーム全員を褒め称えました。先週負けましたが、同じレベルでエフォートとフィジカリティを見せてくれたので、そこは僕にとっても一番重要なので、本当にそこは嬉しい。
リコーブラックラムズ東京 武井日向キャプテン
本当に嬉しい。結果がついてきたと思いますし、ここ何年か接戦で勝ちきれなかったところが多かったんで、先週もそうですけど、そういう意味では少しチームとしても成長したのかなというは感じています。
一時的なことで嬉しい気持ちもありますけど、来週もありますし、シーズンはこれからも続いていきますし、勝っても負けても次の試合が来ると思うのでそこに向けてしっかり準備していきたい。
本当に全員やるべきことを、一週間の準備の段階からチームとしていい準備ができたと思います。ノンメンバー含めて本当良いアタック、ディフェンスをしてくれたおかげだと思います。しっかり結果につながったと思いますし、去年は一貫性という部分がなかったんですけど、今年はまだ2試合しかやっていないけど、先週と同じ、フィジカリティ、気持ち、ハードワーク、エフォートというのを毎週見せていくことが大事だと思います。今週もそれができたのというのはチームとしては去年よりもレベルアップしているところなんじゃないかなと思います。
(TJについて)ラグビーの理解度もすごく高いので、そういう意味では9番として非常にコントロールしてくれますし、あとは彼自身本当にハードワークしてアクションを見せてくれる選手だと思うので、TJがやっている分、自分たちもやらなきゃいけないという思いもありますし、そういう相乗効果は生まれているなと思います。
リコーブラックラムズ東京 NO8リアム・ギル
昨年こういう試合を落としていたから今日勝てて本当に嬉しいね。(ジャッカルは)本当はもっとしたいね。そういうプレーをみんなに見てほしいよ。今のラムズは選手たちの状況判断が重要になっていて、みんな意識しているんだ。TJもいるし、中楠)一期もいるし、プレーしていて本当に楽しいよ。
(昨年トップ4だったサンゴリアスに勝てたことは自信になった?)そうだね。先週のホンダヒート戦を戦っても自信になったよ。このチームは試合を重ねればもっともっと良くなると思う。
(来週のパナソニック戦)フィジカルの戦いになると思う。厳しい試合になるとは思うけど、しっかり一週間準備していきたい。
リコーブラックラムズ東京 FL松橋周平
昨シーズンだったら、僕が入ってきてこういうシーンというのは大体逆転されて負けていたんです。これを勝ちに繋げられたのは、チームとして本当に成長したと思うし、自信になるし、一つ上のレベルにいけたのかなと思います。
やっぱり新チームになって、新しいメンバーが入ってきたことで、今まであったプログラムがありながらも、これまでのいいところはありながらも弱い部分もたくさんあって、それじゃだめだよねというのをもう1回みんなで認識して、全員、一人ひとりが自分の役割だったり、エリアごとで瞬間瞬間しっかり集中して、一人の判断に対して全員がリアクションするという部分にフォーカスしてラグビーができるようになってきたかなと思います。
先週(ヒート戦)の試合もしっかりできていた部分はあったけど、最後は後半20分くらいは、自分たちで合っていない部分があって、自分たちのせいで負けたと思っていたので、今週末しっかりクリアにしました。良かったのは、サントリー相手に自分たちのラグビーをしっかり修正できたというのがかなり大きかったですね。
先週は負けはしましたが、ボールの継続率はかなり高くて90%超えていないくらいかなと。
(中楠選手のトライはかなりボール継続する時間が長かった)今まだと、誰かがミスしたり、ノックオンしたり、表面的なミスがメチャクチャ多くて、昨シーズンはリーグワンで一番多かったことを全員認識していて、ボールをしっかり継続する。ゴールラインでも取り切るということを意識しています。
(今日は取り切れない場面が少なかった)今日はFW、BKがしっかり連動していたんで、先週できてなかったんですけど、今週はできたのが良かったですね。
(今季はニュージーランドスタイルのラグビーになったことについて)システムはあるんですけど、その中でしっかり前を向いて、全員のリアクションがすごく大事になってきてます。本当に状況判断が大事でやっていて楽しいですよ。
(来週に向けて)今日、勝ったことは自信になりますが、来週また駄目な試合をして負けてしまったら何も意味がなくなってしまうので、自分たちが変わってきているということを本当に示す意味でも、パナソニックという相手はすごくいいチャンスだと思うので、もちろん勝ちたいですし、勝つために自分たちができる準備をしていきたい。プレーオフにいくにはこういう相手に勝っていかなきゃいけないので。