12月22日(日)ジャパンラグビーリーグワン2024-25、日産スタジアムでは横浜キヤノンイーグルスと東芝ブレイブルーパス東京の一戦が行われた。イーグルスは昨シーズンプレーオフ進出、2シーズン連続でトップ4入りを果たした。対するブレイブルーパスは、昨年ワイルドナイツとの死闘を制し、リーグ制覇を果たした。トップ4チーム同士の戦いということで2万人を超える大観衆が日産スタジアムに訪れた。
リーチ・マイケル
リッチー・モウンガ
トップリーグから通算100試合目を迎えた小倉順平
梶村祐介キャプテン
ファフ・デクラーク.
イーグルスがSO田村優のPGで先制すると、前半14分、南アフリカ代表・SHファフ・デクラークのトライで10-0とリード。さらに26分、30分と田村のPGで点を積み重ねて16-0とリードを広げた。
追いかけるブレイブルーパスは、ようやく反撃の狼煙を上げる。前半の後半、ボールを自陣から繋ぐアタックが功を奏し、FB松永拓朗がゴール中央にトライを決めて7-16として前半を終えた。
前半39分、FB松永拓朗のトライ
後半先にスコアしたのはブレイブルーパス。FLシャノン・フリゼルのトライで14-16と2点差にすると、55分、CTBセタ・タマニバルが裏のスペースにボールを転がすとSOリッチー・モウンガがそのボールに反応。さらに自らボールをキャッチしてトライ。21-16と逆転に成功した。
アマナキ・レレイ・マフィ
ファフ・デクラーク.
リッチー・モウンガ
逆転を許したイーグルスは63分、敵陣のラインアウトからボールを継続し、WTBヴィリヤメ・タカヤワがトライ。21-21の同点とした。
ヴィリヤメ・タカヤワ
70分、ブレイブルーパスは相手のペナルティに対してボールをタッチに蹴り出しトライを狙いにいくと、ラインアウトからのアタックでCTB眞野泰地が走り込んでトライ。この日、眞野は試合直前のメンバー変更で急遽先発出場することになったが、大事な局面でしっかりと結果を残した。
石田吉平
POMに選ばれた眞野泰地
そのまま試合終了し、ブレイブルーパスが28-21で逆転勝利を収めた。この試合のPOMには決勝トライを決めたCTB眞野泰地が選ばれた。
また試合後には、この試合でトップリーグから通算100キャップを達成した小倉順平(横浜キヤノンイーグルス)のセレモニーが行われた。
小倉順平100キャップのセレモニー
勝利したブレイブルーパスは次節、ホスト・味の素スタジアムに三菱重工相模原ダイナボアーズを迎える。一方敗れたイーグルスは、アウェイ・神戸でコベルコ神戸スティーラーズと対戦する。
HIGHLIGHT
東芝ブレイブルーパス東京 トッド・ブラックアダーHC
トッド・ブラックアダーHC
お客さんにたくさん入っていただいて、良い雰囲気になって良い試合になった。(相手の)小倉選手の100キャプはおめでたいですし、池戸選手もファーストキャップで嬉しい。
(開幕戦に)勝利できて、これ以上ないくらい選手が誇らしい。
トッド・ブラックアダーHC
もちろん開幕戦でプレッシャーを感じましたし、イーグルスさんというフィジカルな相手にプレッシャーをすごく受けたタフな試合だった。0-16の厳しい中、選手たちが我慢してよくやってくれた。前半は良くなかったが、後半、よく戻ってきた。フィジカルで戦えたし、ディフェンスが長く続いたところで、上手く適応できたかなと思います。
東芝ブレイブルーパス東京 NO8リーチマイケルキャプテン
リーチ・マイケル
開幕戦に勝てて嬉しい。総合的にレベルアップしようという目標があり、今日は、理想通りの戦いではなかったが、それでも勝てて良かった。相手の巧いアタックや開幕というプレッシャーがあり、自陣で反則が多く、自分たちのリズムが作れなかったが、修正できてモメンタムを作り出すことができたのが勝利の要因かな。リーグワンは勝つのが難しい、タイトなリーグになってきた。
――前半、反則が多かったが
基本、反則の種類としてはロールアウェイだった。(タックルで)下に刺さって、ロールアウェイできなかった。向こうの巧さもあった。 タックルしてすぐどくように声かけたら良い修正できた。ファイトしようとして下に行きすぎた。
――モウンガ選手が今日も素晴らしかった
ボールもったら何かしてくれるが、そこに頼り過ぎるのがあまりよくないと正直思っています。やっぱりチームとして勝つために、勝たせるために、きっかけ作って、そこからプレーしてくれる。今日、リッチーが久々にバテた顔が見られて良かった(笑)。
リッチー・モウンガ
横浜キヤノンイーグルス 沢木敬介監督
沢木敬介監督
(21-28という)スコアの差は、局面の我慢比べの中で、うちが負けていた分、点差につながっていた。こういう試合を勝ちきれるようにチームで成長していかないといけない。メンタル的なプレッシャーは一人一人がいしきしてやらないといけない。
経験(の差)と言ったらめちゃくちゃ悔しいから言わないけど、それがいつも勝てる肝だと思っていて、1試合終わったばかりなので、伸びシロに期待しています。
――どうしたら我慢比べに勝てるようになる?
トレーニングと試合は、ラグビーの強度的なプレッシャーは同じ設計ができるが、メンタル的なプレッシャーは本当に一人一人が意識して取り組んでいかないといけない。あのような(接戦の)場面で落ち着きを保てるか、感情をコントロールできるか、そういうことなんですよ。
(相手のSO)モウンガはそういう、勝負所がわかっていますよね。(2度ほどトライセーブタックルをしたが)彼はオールブラックスでもそういうプレーを何回かしていますし、それが経験じゃないですかね。
横浜キヤノンイーグルス CTB梶村祐介キャプテン
梶村祐介キャプテン
前半は極力、敵陣でプレーしようと話していて、キックを使ってうまく敵陣でプレーできたことが大きかった。反則もすくなかった。後半は真逆になって、自分たちが反則し、自陣に釘付けになってしまった。規律のことは試合前から言っていましたが、ブレイブルーパスさんのようなフィジカルの相手に無駄な反則をしてしまうと自陣でプレーしてしまうので修正しないといけない。
ジェシー・クリエル
無駄な反則をしてしまうと自陣でプレーしてしまうので修正しないといけない。ただ自分たちが準備してきたことを出せていた時間帯もあった。ただ、ちょっとした気の緩みや気持ちがオフになってしまう時間帯にスコアにもっていかれてしまった。極力、そういう時間帯をなくしていきたい。
(ディフェンスへの手応えは)自分たちのシステム的に、相手のスキルにプレッシャーをかけたいという根本的な考えがあって、前半はそれが上手くいっていた。ただスコアの取られ方があまりよくなくて、我慢強さがたらなくて、簡単に取られてしまった。1フェーズ、2フェーズで取られたところは、自分たちのシステムの問題ではなく、個々の問題なのですぐに修正したい。