ルリーロ福岡がウォーターガッシュ昭島に23点差をつけられてから猛反撃。37-26で逆転勝ちし、リーグワン参入から2勝目、記念すべきビジターでの初勝利をあげた。
ルリーロは開幕から10連敗ののち、3月30日の中国電力レッドレグリオンズ戦で記念すべき初勝利をあげたが、この日対戦した昭島とは1月19日にAGFで26-64、3月16日に久留米で27-54、ともに大差で連敗していて、これが3戦目だった。

両チームの入場

ルリーロSO松尾将太郎がキックオフ。レフリーは桑井亜乃さん
シーズン開幕前にルリーロ福岡の島川代表にインタビューした貴重な記事はこちら。
試合は桑井亜乃レフリーのもと、ルリーロのキックオフで始まった。
序盤はルリーロが昭島陣深くに攻め込むが、ゴール正面で得たPKでNo8フィナウが速攻を仕掛けたがノットリリースザボールで逸機。

ルリーロWTBアマナキ・リサラのゲイン
逆に昭島は10分、初めて攻め込んだ相手ゴール前ラインアウトからWTB濵副慧悟が左隅に先制トライ。18分には相手ゴール前スクラムから21歳のCTBレオ・ゴードンのオフロードパスを受けたSOピアーズ・フランシスがトライ。ともにフランシスがコンバージョンを決め、14-0とリードする。

10分、昭島WTB濱副が先制トライ

33分、ルリーロSH三股主将にYC

ルリーロPR寺脇
敵陣に入りながら得点できなかったルリーロは26分、正面約30mのPKを得ると、SH三股久典主将がショットを指示。SO松尾将太郎が冷静に決めて3点を返し、14-3とする。
33分、ルリーロは三股主将が不当なプレーでイエローカードを受け、14人の戦いになる。数的優位を得た昭島は40分、前半ラストプレーで再び濵副がトライ。昭島が19-3としてハーフタイムを迎える。

40分、昭島は相手ゴール前のモールを押して

再び濱副がトライ

昭島SH大政のパス

ルリーロCTB久田侑典
後半はルリーロが風上に立ったが、後半も先に点を取ったのは昭島だった。44分、CTBゴードンのビッグゲインからラストパスを受けたFB菅沼神平がトライ。フランシスのコンバージョンで26-3。昭島のリードは23点まで広がった。

後半、昭島CTBゴードンがブレイク

昭島FB菅沼がトライ

SOフランシスのコンバージョンで昭島が26点
しかしここからルリーロの反撃が始まる。
直後のキックオフから昭島の蹴り返しをチャージしたLO上田健太が左隅にチーム初トライを返す。左隅の難しいコンバージョンを松尾が決めると、52分に松尾がPG。55分には直線約50mのロングPGを失敗するが、61分に再び攻め込むとフェイズアタックから松尾がステップで切れ込みポスト下にトライ&コンバージョンを決め20-26の6点差。

67分、ルリーロ16中村篤が自陣で相手パスをカットしてカウンター

ルリーロは松尾のトライとPGで追い上げる
65分に松尾がまたPGを決め23-26とすると、次のキックオフからの昭島のアタックで交代HO中村篤郎がインターセプトしてそのまま相手ゴール前まで走り、SH三股主将につないで逆転トライ。
30-26と試合を引っ繰り返すと、73分にはNo8フィナウ マカヴァハのブレイクからCTB重一生が抜けだし、鮮やかなステップで相手DFを抜いて左隅にトライ。SO松尾が難しいコンバージョンをポストに当てて成功。

昭島のアタックにルリーロは粘り強くタックルで応戦

三股主将が逆転のダイビングトライ!

73分、ルリーロCTB重一生が快走

重は昭島23榎本のタックルを受けながら勝利を決定付けるトライ

81分、ホーンが鳴ったあとのスクラムで昭島がノックフォワード
37-26としたルリーロは、終了直前にはハーフウェー手前から直線距離約60mのロングPGにチャレンジ。交代出場のSH田辺雅文が狙ったキックはポストに届かなかったが、カウンターアタックを焦った昭島がこれを落球して万事休した。
ルリーロは37-26で勝ち、リーグワンで2勝目をあげた。

勝利を喜ぶルリーロxv

バックスタンドの応援団にあいさつするルリーロxv

23点差をつけられてから4連続得点の大逆転だった
ルリーロ福岡 豊田将万HC

記者会見で、三股主将、豊田HC、POMのSO松尾
「良い準備をしてきて、選手がそれをグラウンドで体現してくれた。してではなく自分たちにフォーカスして、ベクトルを向けて、やってきたことを試合で出せた。上位チームのウォーターガッシュに勝てたことはチームの自信になる。残りの2試合に向け、また良い準備をして向かって行きたい。
SHの三股主将とSO松尾将太郎というゲームメーカーの2人が身体を張ってゲームを動かしてくれて、風下の前半を粘ってくれたのが勝因。ディフェンスでは、誰かがやってくれるんじゃなく各自が自分からやるべき仕事をやっていったのがよかった。
順位は変わらないかもしれないけれど、最下位の僕らが上位のチームに向かって行って勝てたことを、地元でずっと応援してくれているみなさんたちと一緒に喜びたい」
ルリーロ福岡 三股久典主将

記念すべき2勝目&ビジター初勝利を飾ったメンバー集合
「前節からやることを変えず、ひとつひとつの細かいことを詰めてきたことがこの結果に繋がったと思う。強の勝利を、いつも応援してくれている地域の方々、地元に残っているメンバー、良い環境で練習を一緒にやっているメンバーと一緒に喜びたい。
前半は風下で、自分がイエローカードを受けてチームに迷惑をかけたけど、チームのみんなが身体を張って前半をあの点差で耐えてくれたことが勝利に繋がった。
PGを狙ったのは、点数を重ねていくことが大事だと思ったし、BKがみんな冷静で『ショットで行こう』と声をかけてくれた。ディフェンスではファーストタックラの出足とセカンドマンの意識づけが練習でよくできていたので、練習通りできた」

記念すべき2勝目&ビジター初勝利を飾ったメンバー集合
ルリーロ福岡 SO松尾将太郎(POM)

POMは1T4C2Pの19得点をあげルリーロを勝利に導いたSO松尾
「この1勝はすごく大きな1勝です。シーズンを通じて、ケガ人も出ている中で、自分たちのあり方を、どう戦っていくかもずっと考え続けてきました。大所帯で、みんな昼間はバラバラな職場で働いて、練習は夜、クルマのライトで照らす中でしかできなくても誰も言い訳しないで、一人一人チームのためにラグビーに取り組んできたことがこの結果につながったと思う。

ルリーロSO松尾
このチームはみんな、ラグビーが大好きで集まっていることが共通している。砂のグラウンドで練習するのはハードで、中学生のとき以来ですが、人間は不思議なもので、慣れてくると気にならない(笑)。地域の人たちに応援してもらって、たくさんのボランティアの人たちが手伝ってくれて初めて試合ができる。前のチームだったら当たり前にできていたことが、ここでは当たり前じゃない。1つの試合をやることがどれほど大変かを知りました。だからこそ、ひとつ勝つことが大事。その気持ちで、1つの試合に集中してやっているのがこのチームの良さだと思います」