8日、埼玉ワイルドナイツのHO堀江翔太選手が今シーズン限りで引退を表明した。同じチームで堀江選手と共に過ごしてきた時間が多いSO松田力也は「まだ信じていないんですけどね」と心境を話した。

「怪我があって『怪我して良かったね』というふうに言われたのは堀江さんだけです」

僕はまだ信じていないんですけどね。あの堀江さんが引退なんて、まだ全然やれている選手で、チームそういう状態で無理やりなんか、明るくしているなというのも見えたんで。

プレーヤーとしてだけではなくて、人格者でもあるし、考え方も含め、人として学ぶべきことがたくさんあったんで、寂しさしかないし、嘘であってほしいなと思っています。

堀江さんに2019年ワールドカップでかわいがってもらって、佐藤さんにも電話してもらっていなければ今まではなかったと思います。

怪我もあってたくさん躓いてきましたが、堀江さんが日本にいてくれたからこそ今があると思っています。だからずっと見続けていた背中がいなくなるというのは今まだ考えられないですね。

考え方も含め（ワールドカップでいいパフォーマンスがだせたのは）堀江さんのおかげだと思っています。メンタルもラグビーへの考え方もそうですし、堀江さんとたくさん長くすごしてきたからこそ、学ぶものがあってああいった大きな舞台でも自分のやりたいようにできたと思います。数％どころか、（堀江さんのおかげという割合が）結構締めていると思います。

（堀江さんの）タイプが見てる通り本当にどの状況でも手を抜かないし、一番努力しているからこそ、パフォーマンスもついてきて、みんながついてくる選手がああいう選手だと思います。

皆さんが知らないロッカーでもそうだし、ウェイトの取り組みもそうですし、僕は一番近くで見ていたんで、そういう姿勢というのはすごく残っているし、メニューも焼き付いているので、（心に）残っている言葉というのは、たくさんありますけど、僕が怪我をして膝の十字靭帯を切ったときに堀江さんだけ「怪我してよかったな」というふうに言ってもらえたんで、初めそれ言われて何言っているか分からなかったんですけど、話していく中で、怪我したほうが自分の悪いところを見つけて、佐藤さんがいて体をケアして、体を強くして戻ってこれるという部分で、選手寿命が伸びるというようなアドバイスをもらえたのは堀江さんだけでした。それはもうすごく自分の中でも心に残っているし、その言葉があったから、復活してもう一回やろうとしんどい時に思えました。

怪我した人に「良かったね」とは言えないと思うんですけど、堀江さんも怪我をして手術して、復活してるからこそ言える言葉なんで、そこの深さ、言葉の重みというのは感じています。

ロッカールームでは本当に真面目かと思いきや、本当にみんなの輪に入って、いじられるようなキャラクターにもなれるし、もちろん堀江さんが喋ればみんなピリッとするときもあったり。そういう状況を見てロッカーでも自分の立ち居振る舞いをされているなというのは僕は長く接しているからこそわかるところがあって、なんか、めっちゃベテランですけど、ベテラン感をずっと出しているわけじゃなくて、締めるときは締めて、緩めるときは緩めるというのが一番うまいし、常に気を張っているんだろうなと思います。


僕らは今堀江さんと練習しているからこそ、体をどうやって使えばいいかというのはわかっているんですが、それがフリーになって他の選手たちも聞きたいことがあると思うんで、そういうところで、ラグビーのレベルをあげてくれる存在だと思います。どんどんポジティブなことをしていかれると思うし、それを期待します。

堀江さんと佐藤さんの信頼関係があるからこそ、そういう道にいかれると思うし、堀江さんもたくさん怪我してきたからこそ、怪我しない体作りをするにはどうしたらいいかということを広めるのは今までにないことだと思います。そういう考え方ができるのが「堀江翔太」だと思うので、引退後の一つの道として示してくれているのかなとは思います。


今季は優勝しか狙っていないし、元々チームその目標に向かって始まったけど、今日の話ですごく一体感もでたし、堀江さんと最後しっかり優勝という形で送り出せるように、何も言わずにチーム一丸にそういう思いのムードになっていたと思います。勝って送り出すときに堀江さんが泣くところをみたいなと思っています。

ワールドカップ2019が終わってから誰よりも一緒に過ごしている時間がン長いので、人よりも思い入れはあるかなと勝手に思っています。プレーだったりで堀江さんがやめたくないなと思わせるような、もっともっとラグビーしたいなと思ってもらえるようにしたい。