1月27日、クボタスピアーズ船橋東京ベイは、リコーブラックラムズ東京と対戦。WTB根塚洸雅は先発で出場、前半と後半それぞれ1本ずつトライを決めPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた。連覇を目指すチームはこれで3勝3敗の五分に戻し、クロスボーダーマッチに挑む。チームの状況、クロスボーダーマッチ、そして日本代表への思いを訊いた。
スピアーズは79分にペナルティートライを決められ逆転され、残り1分もない状況でラストワンプレーに全てをかけた。
「最後逆転するかされるかみたいな試合だったんでそこは諦めずに、僕自身はWTBとしてあまりやれることはなかったんですけど、仲間を信じていました。正直レフェリーの手がこっちに上がった時は自分でも嬉しかったです」
HOエラスマスがジャッカルを決め、PKを獲得するとFBゲラード・ファンデンヒーファーがPGを落ち着いて決め、18-17と再逆転し、薄氷の勝利を掴んだ。互いにフィジカルに強みがあるチーム同士で、WTBのフィニッシャーがしっかりトライを決めることができるかが一つのキーとなった。そのゲーム展開の中で根塚はしっかり2トライを決めた。
「自分としても体の調子も上がってきています。今日も結構ラインブレイクだったり、トライをを取ることができましたし、自分の良さというのもどんどんゲームをしていくうちに良くなってきているかなという実感はあります。こういう接戦を勝ちきれるというのもチームとしてもすごく成長になると思っています」
チームは3勝3敗。その3敗も大きく負けたというより、いずれも接戦を落とした形だ。
「初戦自分たちのラグビーができなくてサントリーに負けちゃったんですけど、そこからの負けも最後うまくいかないところがちょっと続いたのがありました。ここにきて連勝できてからクロスボーダーで海外のチームとの試合を含めて5連戦あると思うのでそこにむけていい準備ができたんじゃないかなと思います」
「ヤマハ戦も東芝戦もやっぱりラスト7分で勝ちきれなかったというところがありました。プレー自体は悪くない、チームとしてもそういうラスト7分で逆転されたというところで最後仕留めきらないと今年の優勝は見えてこないというのはずっと話をしていました」
この試合にはエディー・ジョーンズ日本代表HCも視察に訪れていた。根塚も代表に招集されながら昨年のワールドカップスコッドに選ばれなかった。
「やっぱりデビューした年に代表に選んで頂いて、一緒に遠征もいかせてもらって、逆に昨年はワールドカップには出ることができなかった。自分としても求められている部分は自分なりにわかっていると思っています。代表で自分はラグビーしたいと常に思っていますので、今日の1日としてはいいアピールになったんじゃないかなと思っています」
スピアーズは2月10日、ギャラガー・チーフスとの対戦を控えている。リーグワンのレギュラーシーズンとは異なるエキシビジョンマッチだ。
「まだ出れるかどうかわからないですけど、個人として昔から見ていたチームと試合ができるのは楽しみです。海外のトップチームだと日本では経験できないようなプレーを経験できると思うので、それは自分にとってもメチャクチャプラスなことだと思うんで、シンプルに「出たい」です」
最後に、東海大仰星高校(現:東海大大阪仰星)の先輩である岸岡智樹はこの試合、9番のリザーブとしてメンバー入りしていたが、後半序盤にSO立川理道がHIAの検査で急遽10番で出場。そのまま試合終了まで10番を務め、根塚の2本目のトライにつながる、見事なロンクペナルティーキックを見せた。
「9番でいきなり出たり、10番でいきなり出たり、結構ハラハラするのはあると思います。僕としては高校からずっとやっているんで出てくれれば出てくれるだけ、わかっているプレーも多いし、性格もわかっているんでやりやすい部分もあるんですけどね。ちょっと久しぶりに一緒にできて、10番、後輩の僕が言うのもなんですけど、頑張ったなと思います(笑)」