28日、NTTジャパンラグビーリーグワン、横浜キヤノンイーグルスがホストゲームで東芝ブレイブルーパス東京を迎え今季初勝利をかけ戦った。試合は65分まで5点差の拮抗した展開となるも、そこからイーグルスは3連続トライを許し、終わってみれば19-41で開幕三連敗を喫した。一方、開幕節で埼玉ワイルドナイツに大敗を喫した、ブレイブルーパスは前節の静岡ブルーレヴズ戦に続き、連勝で序盤の3試合を2勝1敗で終えた。
19-24と追いかけるイーグルスは、63分、自陣15m付近の密集でFLビリー・ハーモンがペナルティ。ブレイブルーパスはタッチに蹴り出しゴール前ラインアウトのチャンス。HO酒木凜平がスローしたボールをLOマイケル・スト―バーグがキャッチ。モールを押し込み前進。SH高橋昴平がPR小鍛冶とLOマクドナルドを使ってポイントを作る。3フェイズ目、高橋が相手ディフェンスの陣形を観て、パスダミーから自らインゴールへグランディング。SOリッチー・モウンガのトライも決まって31-19とリードを広げる。

後半だけで2トライを決めたSH高橋昴平
さらに71分、イーグルスが自陣ゴール前のスクラムでアーリープッシュのペナルティ。小鍛冶がクイックリスタート。SH高橋がゴール前ラックからNO8サウマキアマナキのタックルを受けながらもトライを決め36-19と17点差と追い詰める。
74分には、敵陣10m付近のラインアウトから高橋がハイパント。ボールをキャッチした武藤ゆらぎに対して桑山聖生がタックル。一気にプレッシャーをかけてボールを奪うと左オープンサイドへ展開。最後はWTBティージェイ・クラークが体をスピンさせながら勝利を決めるトライ。そのままノーサイド。
勝利したブレイブルーパスは年明け10日、三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦。一方、敗れた横浜キヤノンイーグルスは、今季初勝利をかけて浦安D-ROCKSと今季初勝利をかけた戦いに挑む。
HIGHLIGHTS
東芝ブレイブルーパス東京 トッド・ブラックアダーHC

松永拓朗_トッド・ブラックアダーHC
今日の試合を振り返ると、本当にポジティブな点がたくさんありました。スクラムについては、立て直しも含めて非常によく機能していたと思います。若いフォワードパックにとって、大きなステップアップになりました。
また、ラインアウトディフェンスは今日本当に素晴らしかったです。ラインアウトのアタックも良く、ディフェンス全体も非常に良かったと思います。
すべてが順調だったわけではありません。遂行面でのミスも多くありましたが、それでもチームはとても落ち着いていて、集中していました。常に次のタスクに意識を向け、チャンスが来たときには、しっかりと取り切ってくれました。

トッド・ブラックアダーHC
キャノンも非常に良いプレーをしていました。彼らは我々に大きな実行面でのプレッシャーをかけてきて、それが結果的に我々にとって良い経験になりました。重要な局面で、我々は成熟した姿を見せることができ、トライを取り切ってボーナスポイントを獲得できたことは大きかったです。この一連の試合期間を振り返ると、とても満足しています。チームとして大きな成長が見られました。
――チームの成長とリザーブの影響
ビッグマックは後半の入りは落ち着いた立ち上がりでしたが、終盤に大きなインパクトを与えてくれました。コンタクトレベルや衝突の強さが非常に良く、試合を楽にしてくれました。
若い選手たちについては、昨シーズンはほとんどローテーションをしませんでしたが、今季は多くの若手がいます。ベンチから出てくる選手たちのインパクトは本当に素晴らしいです。
トレーニングでの姿勢だけでなく、試合に出たときの影響力にも非常に感心しています。彼らは着実に成長していますし、もっと信頼して、より多くの出場時間を与える必要があります。本当によくやっています。
――SH高橋選手のパフォーマンスについてはどうですか? 2トライを挙げましたが。
素晴らしかったですね。出場してすぐに大きなインパクトを与えてくれました。彼はどんどん良くなっていて、今ではポジション争いに本当のプレッシャーをかけています。今日は非常に正確で、見事な試合でした。
東芝ブレイブルーパス東京 松永拓朗ゲームキャプテン

松永拓朗
今日の試合全体として、自分たちのアタックに対して、かなりプレッシャーをかけられたシーンが多かったと感じています。
キャノンさんのラインスピードが非常に速く、常にプレッシャーを感じる中で、自分たちのエクセキューションに多くのエラーが出てしまいました。
特に後半の入りでは、自分たちの流れをなかなか作れず、アタックしてはミスをする展開が続き、修正に時間がかかってしまいました。

ティージェイ・クラーク
ただ、良かった点としては、簡単に流れに乗れない中でも我慢を重ね、最後は自分たちの形で試合を終えられたことです。それは自分たちにとって、非常に良い経験になった試合だったと思います。
――後半、ボールを保持する場面でうまくいかなかったのは、チーム内のコミュニケーションの問題でしょうか。
ボールを持ってプレーしたいという意識はずっとありました。自分たちがボールを持てば相手にプレッシャーをかけられるという考えもありましたが、相手のプレッシャーが非常に強く、ミスが多くなってしまいました。
なかなか我慢してボールをキープできなかったのが正直なところです。
修正点としては、スペースを狙う意識は持ちながらも、焦ってアタックするのではなく、まずはストロングキャリーを重ねて、相手にプレッシャーをかけ返す形に修正しました。
横浜キヤノンイーグルス レオン・マクドナルドHC

レオン・マクドナルドHC_古川聖人ゲームキャプテン
正直に言って、とても悔しいです。試合開始10秒でトライを与えてしまいましたが、その後はよく立て直し、試合に戻れたと思います。ただ、ハーフタイム直前にソフトなトライを許してしまいました。今の我々は、自分たち自身を苦しめている状況です。
後半は再び盛り返し、残り16分で5点差まで詰めました。勢いもあり、スクラムでのビッグペナルティも取れて、ボールも保持できていました。勝つチャンスはありました。しかし、そこで連続したミスをしてしまいました。これは今季何度も見られる展開で、本当に残念です。情熱的なキャノンイーグルスのファンの前で、こうした内容になってしまったことを申し訳なく思います。
――勝てなかったことは非常に悔しいと思いますが、勝利にはかなり近づいているように見えます。やはり遂行力の問題でしょうか。
そうですね。今回も十分に勝てる内容だったと思います。東芝を苦しめる時間帯もあり、試合の流れもつかめていました。勝つことは習慣です。しかし、今の我々にはその習慣がありません。接戦を勝利に変えていかなければなりません。

ビリー・ハーモン
このチームには、試合運びや重要な場面での実行力といった点で、さらなる成熟が求められています。一方で、外国人選手や日本代表クラスの選手を多く欠いている状況でもあります。この休養期間は我々にとって良いタイミングです。再開後は、ほぼフルメンバーを揃えることができ、さらに強くなれるでしょう。

土永旭
――トッドとは日本ラグビーについて何か話しましたか?
今週コーヒーを飲もうという話をしました。トッドは古い友人で、選手としてもコーチとしても一緒にやってきました。日本で成功している彼から、いろいろな学びを共有してもらえると思います。
横浜キヤノンイーグルス 古川聖人ゲームキャプテン

古川聖人
この結果は残念ですが、我慢比べのような時間帯で、自分たちの首を絞めてしまった部分がありました。逆に言えば、勝負強さを持って耐えられていれば、結果は違っていたかもしれません。
先週も同じ話をして、今週も同じ課題が出たことは、本当に成長していかなければならない点です。
今週からバイウィークに入りますので、やるべきこととリカバリーのバランスを取りながら、今年最後の試合を終えたこの流れを、新しいシーズンに持ち込まないようにしたいと思います。
――今週のフォーカスは?
今週は相手対策よりも、自分たちにフォーカスしました。自分たちが成長しなければならない部分、ディテールの実行をどう高めるかに取り組みました。特別なことをするのではなく、それぞれの役割をどれだけ正確にやり切れるか。「だいたいできた」では勝てないので、毎週「全部できた」と言い切れるレベルまで、厳しさを持って取り組んでいきたいと思います。
SCOREBOARD
NTTジャパンラグビー リーグワン 2025-26 ディビジョン1 第3節 カンファレンスA
TRY(3)前半6分 11.ヴィリアメ・タカヤワ, 前半27分 14.石田吉平, 後半23分 6.ビリー・ハーモン G(2)前半28分, 後半23分 12.森勇登 PG(0) PENALTY PK(6) FK(1)
TRY(7)前半1分 4.ジェイコブ・ピアス, 前半11分 7.佐々木剛, 前半23分 14.ネタニ・ヴァカヤリア, 前半39分 2.酒木凜平, 後半25分, 後半32分 21.高橋昴平, 後半35分 11.ティージェイ・クラーク G(3)前半2分, 前半40分, 後半26分 10.リッチー・モウンガ PG(0) PENALTY PK(9) FK(0)
1 岡部崇人 後半16分 OUT → IN 17 南友紀 2 庭井祐輔 後半5分 OUT → IN 16 中村駿太 3 杉本達郎 後半3分 OUT → IN 18 祝原涼介 4 ランダル・ベイカー 後半11分 OUT → IN 20 ジャンドレ・ラブスカフニ 5 リアキマタギ・モリ 後半29分 OUT → IN 19 秋山大地 6 ビリー・ハーモン 7 古川聖人 後半23分 OUT → IN 21 シオネ・ハラシリ 8 サウマキアマナキ 9 土永旭 10 田村優 後半26分 OUT → IN 23 小倉順平 11 ヴィリアメ・タカヤワ 12 森勇登 13 田畑凌 14 石田吉平 15 武藤ゆらぎ 16 中村駿太 17 南友紀 18 祝原涼介 19 秋山大地 20 ジャンドレ・ラブスカフニ 21 シオネ・ハラシリ 22 山菅一史 23 小倉順平
東芝ブレイブルーパス東京
1 木村星南 後半22分 OUT → IN 17 眞壁照男 2 酒木凜平 後半33分 OUT → IN 16 日吉健 3 ヴェア・タモエフォラウ 後半15分 OUT → IN 18 小鍜治悠太 4 ジェイコブ・ピアス 後半22分 OUT → IN 19 カラム・マクドナルド 5 マイケル・ストーバーグ 6 アフ・オフィナ 後半15分 OUT → IN 20 木戸大士郎 7 佐々木剛 8 山本浩輝 9 杉山優平 後半10分 OUT → IN 21 高橋昴平 10 リッチー・モウンガ 11 ティージェイ・クラーク 12 ロブ・トンプソン 13 セタ・タマニバル 後半26分 OUT → IN 22 マイケル・コリンズ 14 ネタニ・ヴァカヤリア 後半15分 OUT → IN 23 桑山聖生 15 松永拓朗 16 日吉健 17 眞壁照男 18 小鍜治悠太 19 カラム・マクドナルド 20 木戸大士郎 21 高橋昴平 22 マイケル・コリンズ 23 桑山聖生