1月13日、帝京大学は2度目の大学4連覇をかけて、早稲田大学と対戦した。キャプテン青木恵斗の気持ちこもったプレーで、森山飛翔の先制トライ。さらに青木自身のトライで先制する。
しかし、その後、日本代表・矢崎由高にトライを返されると、NO8鈴木風詩にもトライを決められ14-12で前半折り返した。
後半、帝京が優位に進めたのはセットプレーとディフェンスだった。11月の対抗戦では全く自分たちの組み方ができなかったスクラムで優位に立つと、早稲田のアタックも粘り強くディフェンス。さらに精度高いタックルで早稲田のモメンタムを作らせず後半はノートライに封じ込めた。
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スクラム
後半本橋拓馬、カイサ・ダウナカマカマ、日隈太陽のトライで突き放し33‐15で勝利。4大会連続13度目の日本一に輝いた。
試合後の相馬朋和監督、青木恵斗キャプテンのコメントを紹介。
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後半5分、LO本橋拓馬のトライ
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後半27分、LOカイサ・ダウナカマカマのトライ
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後半37分、WTB日隈太陽のトライ
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帝京大学 相馬朋和監督
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帝京大学・相馬朋和監督
このチームは、本当にいろんなことがある度に強くなって、立ち上がるキャプテンをチームが一丸となって追いかけていく。そんなシーズンだったと思います。本当に青木がチームを引っ張って、ここまでたどり着いた。本当に素晴らしいシーズンだったなというふうに振り返っております。ぜひですね、4年生がさらに次のステージで輝けることを祈りつつ、今日は喜びに浸りたいと思います。
――スクラム対策と先発1番・2番を変更した狙い
必ずしも、メンバーを変えて、リザーブに回った2人が弱いわけじゃなくて、これまでの試合シーズンを通して、いろんな印象が皆さんについていたと思いましたので、それを入れ替えることで、まっさらな状態として、グラウンドの中でレフリーに見ていただきたいなというような思いで入れ替えることにしました。そういった点でも、やっぱり青木中心に本当自分たちはどう戦うべきなのかっていうことを話して、リーダーたちはリーダーたちなりの答えを持って、会話をしながら、進むことができたので、チームの中でそれが原因で何か問題が起きるようなことなく、今日の結果に繋がったというふうに思います。
――スクラムの評価
ヒットして、組み合うことさえできれば自分たちの形にはなる。でも今シーズンの主要な試合において、組み合うことをさせてもらえずに、レフリーが介入してスクラムが終わるということが多かったので、その点どうやって相手と組み合うのかっていうことを考えて、その最初の瞬間に、自分たちが有利な状態であろうとする。基本的にやることは一緒なんですけど、そこをより強調してやってきた。
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青木恵斗キャプテン
――青木キャプテンのキャプテンシーについて
本当に何回もこの話をすると、青木も嫌かもしれないですけど、初戦、記者会見で横に座って何から話し出せばいいのかわからない。そんなキャプテンがシーズンのスタートだったかと思います。もう今、立派に自分の言葉で自分の考えを話せるようになって、おそらくシーズンの最初は自分の思いを言語化するのも難しかったんだと思います。ただだんだん自分の言葉を使えるようになって、より深く考えるようになって、自分の考えをチームに伝える。そういう言葉の力を持ち始めて、 元々フィールドでは圧倒的な力を持っていますから。より仲間が青木が何考えているのか理解し始めて、そこに向かってチームが進めるようになった。
帝京大学 青木恵斗キャプテン
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青木恵斗キャプテン
11月3日、早稲田大学に48対17という結果で負けて、本当にその現実をチームとしてしっかり受け止めて、1人1人が何が足りないのか考えて、努力し続けた結果、今日こうやって優勝することができて本当に嬉しく思います。
――最初のスクラム
本当に多分誰が出てもスクラムの結果は変わらないと思うんですけど、相手を分析して、どうするのか。メンバーを変えること自体が正解なのか、ゲームが始まるまでわかんなかったんですけど、決勝戦という舞台で、メンバーを変えて、スクラムという、セットプレー、それも11月3日は全部負けていたので、選手権決勝というところで自分たちの帝京らしさが出せたのを本当に嬉しく思います。
――入場の時笑顔だった
今日起きたときから、ラグビーしていて一番気持ちいい起き方ができたというか、すっきりして。最後だというプレッシャーもありますけど、何かそういうプレッシャーよりも純粋に大学ラグビー最後っていうのを楽しみたい気持ちが強くて、もうロッカーでも、すごいずっと笑顔でウォームアップもできて、自分自身なんていうか、心からすごく楽しめた結果、多分そういう表情だと思います。
――いつからそうなった
準決勝終わって、帝京として合わせてて、本当にこのチームで日本一になるっていう自信が練習のときからあったので、
いつからとかないですけど、自信はありつつ、今日起きて、最後かと考えて、いろんな思いを思い出して、最後勝っても負けてもラストなんで楽しもうっていう結果になりました。
―――モールディフェンスについて
最初のヒットのところで受けてしまったら、モールのところで押されてしまうので、そこのセンターのところ、チームとしてヒットしたときに自分も意識して頑張りました。
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スクラムで圧倒した帝京大学
――対抗戦で負けて何を考えて、何をしたからいい結果になった
本当に公式戦ずっと勝っている中で、チームとしてこれで勝てるだろうというか、そういった空気の中でずっとラグビーしてしまっていて、夏合宿も早稲田大学さんに負けたんですけど、そこでも変わらなくて、どうしたらチームとしては変われるんだろうっていうところを本当にすごい悩んだんですけど、みんなが支えてくれて、僕1人の考えじゃなくて、150人全員の考えで変われて、本当にチームとしても、急ピッチで成長できたと思います。
――ラグビー面的には
ラグビー面的には、11月3日までは、勝つ前提のラグビーというか、帝京の今までの勝ちパターンのラグビーだったんですけど、やっぱりそれが劣勢の状況でははまらないというのがわかったので、ボールを持つ時間を増やしたり、セットピースの精度を上げたり、一個一個のプレーを丁寧にやることで、チームとしても、ラグビーのレベルが上がったかなと思います。
――佐藤健次(早稲田大学・主将)の存在
本当に高校のときからずっと一番近くで何か刺激がもらえる存在で、健次は。本当に大学も別になりましたけど、健次は日本代表に入って、ジャパンフィフティーンでマオリオールブラックの試合に出て、自分自身ずっと刺激をもらっていて、やっぱり健次に負けたくないっていう思いは絶対心の中にあったので、健次がいるから僕もここまで頑張れましたし、お互い主将になって、リーダーシップいうところも負けたくないと思うからここまで成長できたかなと思います。
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桐蔭学園の同期・佐藤健次
――2点差まで迫られた時
2本取られて、チームで話したのは、引きずっても何も生まれないので、それを引きずらず、自分たちが思い切ってラグビーしようと伝えて、スタンドにいるみんながずっと応援してくれてて、2本とられて、チームとしても落ちそうな状況のときにスタンドのみんなに応援してくれと言ったらみんな応援してくれたんですけど、そのときは150人全員の力がもらえたというか、チームとしてはパワーをもらった瞬間でした。
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生田弦己
――前半最後 20次くらいの連続攻撃で取り切れなかった 雰囲気
自分たちのフィジカルを全面に出して、スコアと思ったんですけど、やはり早稲田大学のタフなディフェンスがすごい前半のラストのところ、受けたというところあったんですけど、ロッカールーム戻って、パスもしなかったんで、真っ向勝負で挑み続けて、それは互角になるし、最後は早稲田大学さん切ったというイメージあるんですけど、もっと賢くラグビーしようかっていうのを伝えて、例えばオプションで増やしたり、前半は真っ向勝負しましたけど、後半はパスオプションを使ったりして、ディフェンスのチャンネルをズラして、もっと賢くラグビーしようと伝えました。
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――後半 風上の早稲田をノートライに抑えましたがハーフタイムで何かあった?
本当にゲームプランのところを、小村中心に考えてくれて、風下の中で、蹴り合いに付き合っていたら自分たちが負けるので、もう22mのインサイドに入ったらしっかりキックアウトしてタッチに出すところと、自分たちができるだけボールを持てる時間を増やして、キックの種類、コンテストキックの量を多めにしてというプランで臨みました。