22日、ラグビー関西大学Aリーグが開幕した。東大阪・花園ラグビー場では全8チームが集まり4試合が行われた。春季大会後、夏合宿を経て各チームは年末に行われる大学選手権の出場権をかけて一試合も負けられない戦いに挑む。
結果は以下のとおり。
◯近畿大学59-31立命館大学✕
◯関西学院大学49-17関西大学✕
✕摂南大学7-22天理大学◯
✕同志社大学24-97京都産業大学◯
春季大会での上位4校がいずれも開幕戦に勝利した。さらに4試合ともにボーナスポイント1を加えた勝ち点5を獲得。上位4校と下位4校の差が大きく分かれた。
充実の京産大は15トライで同志社に大勝。同志社は名門復活をかけるも厳しい状況は続く
関西4連覇を目指す京都産業大学は古豪・同志社大学と対戦した。廣瀬佳司監督は、LOソロモネ・フナキとSO/FB辻野隼大の2人をキャプテンに指名。日本代表やU20代表に参加したSH土永旭、高木城治、村田大和、PR八田優太、LO石橋チューカらとタレントが揃っている。
対する同志社は昨シーズンリーグ戦全敗で入替戦へ。何とか残留を決めるも春季大会でも8位と結果は振るわなかった。
試合は同志社がSO大島泰真のPGで先制するも京産大が6分にWTB福永然のトライですぐに逆転すると、その後、ラインアウトモールからHO李淳弘が連続トライ。相手のミスを自分たちのスコアにつなげ前半だけで7トライをあげて試合を優位に運んだ。
点差が開いた後半も攻撃の手を緩めることなく65分までに4つのトライをきめて69-8。同志社もU20日本代表・HO⻑島幸汰がトライを決め意地を見せるも、京産大との差は歴然だった。京産大は後半から入った高木城治もトライ、最後は80分フル出場したシオネ・ポルテレが豪快なダイビングトライを決め試合終了。97-24で大勝した。京産大は次節、摂南大との対戦となる。
京都産業大学 廣瀬佳司監督
開幕戦ということもありますし相手が同志社だったということもありまして、しっかりとメンタルのところを準備して臨みました。前半から攻撃的にプレーをしてくれて、今シーズンのいいスタートが切れたなというふうに思っています。来週も頑張っていきたいと思います。
――SOのポジションについて、今日は辻野選手が12番、尾崎選手が10番、那須選手が15番でしたが、コンビネーションの評価は
SOのところは、那須もいますし、尾崎もいますし、吉本もいますし、辻野もいます。治から誰がSOにしようかなというところをすごく悩みながら進んでいます。今回は尾崎がSOで那須がFBに下げて、辻野がインサイドCTBに回るという形なりました。この方がボールが良く動くのかなと思ったからです。4名みんな素晴らしいので関西リーグを戦いながら、定めていきたいなという感じです。
――石橋チューカ選手が6番でした
本当にあんまり背番号を気にしないでいてほしいなという感じです。今日の試合でもLOもやっていましたし日吉とスイッチしただけで試合中でも柔軟に変わったりとかしています。今日の背番号がそう(4番)だったというだけですね。
――日本代表、U20代表にいった選手が多いですが、チームにとってのいい影響は?
すごくいい経験をして帰ってきてくれました。練習を取り組む姿勢だとかトップ選手が何をやっていたのかというのを学んで帰ってきてくれましたので、それは本当にチームもすごく良い影響を与えてくれています。
京都産業大学 辻野隼大キャプテン
初戦が同志社大学さんということで、歴史のある大学ですし、ライバルとしてきた大学ですので、特別な思いはあったんですけど、その中でも相手をリスペクトしながらも自分たちにフォーカスしようということを常に話して1週間取り組んできました。この結果が今日のようなスコアに繋がったりとか、セットプレーの要所要所でのプレーが繋がったのかなと思います。まだまだ課題はあるので、来週の摂南大戦にむけてまた1週間、京都に戻ってしっかり取り組んでいきたいと思っています。
――初戦がこういう結果になったことについて
菅平ではスロースタートであったことが課題だとわかっていて、その中で自分たちが開始10分の精度高くキュはフィジカルで圧倒しようと決めていました。今日は最初ペナルティーの3点入れられたんですけど、その後、すぐにスコアを取って自分たちのプレーで前半10からどんどんあげていったのは京産にとっては成長した部分かなと思います。これからも後半もそうですけど、やっぱり最初の10分というのは意識してやっていきたい。
――日本代表にいった選手の影響
やっぱり個人のレベルももちろん上がっていますし、チームに良い影響をもたらしてくれているのもそうなんですけど、僕個人もやっぱり京産の選手が日本代表を経験しているというところで自分自身ももっと頑張らないとなと刺激もあります。
――今日は12番でしたが、ファーストレシーバーとなっている場面も多かった。
僕が一応メインキッカーとしてやっているので、エリアの兼ね合いとかでファーストレシーバーに入ることが多かったんですけど、尾崎も10番ではありますが、いろんなポジションができる選手なので、そこまでこだわらずに夏そうですけど、「10番が3人いる」と思ってもらえたらいいと思います。
――ゴールキックを途中で代わったのは?
あれば僕が外したんで、僕から土永に伝えました。
同志社大学 中尾晃監督
今日のゲーム、相手の強みを出させてしまった。自分たちであれだけペナルティをしてしまいモールを許してしまった。それを80分、修正できずにそのまま終わってしまった。
相手の方がセットプレーも安定していた。
同志社大学 CTB森岡蒼良
反省点はディフェンスの面がペナルティが多く、相手の強み、フィジカル、モールをださせてしまった。アタックについては、ひと工夫をするだけで後半の最後あれだけトライをとることができたのでその部分を前半から出していきたい。
粘りのディフェンスで摂南の攻撃を守りきった天理が白星発進。摂南の攻撃力は上位校に食い込む可能性も見せた
FL上ノ坊悠馬(4年)のトライで天理が先制。さらに9分、ラインアウトモールからHO寺西翔生(4年)がトライを決め天理が序盤の入りで流れを掴む。リードを許した摂南大はWTBマイケルズ・カストン(3年)が何度かブレイクするが、ゴール前の攻防で自らのミスで得点を奪えぬまま前半が終了。
後半最初のキックオフボールを天理がノックオン。おいかける摂南大としてはこのチャンスを活かしたかったが活かしきれず逆に2つのトライを決められてしまう。それでも摂南大は17分にようやくSH関太陽(1年・京都工学院)がトライを決めて試合は終盤へ。
天理は73分、7番上ノ坊がノーボールタックルでイエローカード。残りの時間を1人少ない状況となり、摂南大に攻め込まれる時間帯となるがここもノートライに抑え込み試合終了。22-7で天理大学が勝利した。天理大学は次節同志社大学と対戦する。
天理大学 小松節夫監督
今日は開幕ということで緊張だったり、体の動きが硬かったりとか、雨もふっていましたし、なかなかうまくゲームが運べないだろうなと思いながらゲームに入りました。最初に(トライを)取れてちょっと硬さが取れたかなと思ったんですけど、その後ミスも多くて、お互いですけれども。前半2つ取って、0点に抑えたので後半は自分たちのリズムがでるかなと思っていたんですけど、後半の最初も良かった。そこから膠着状態があって、なかなかうまくいかず、シンビンもあって、最後まで自分たちのギアをあげて、自分たちの形までには至らなかったなというのが今日の印象です。
でも開幕なのでこれから少しずつチーム力を上げていって最後はいい形になるようにしたいです。そういう意味では今日はいい勉強できたのかなと思います。
天理大学 SO筒口允之キャプテン
天理らしくひたむきに泥臭く相手にディフェンスをしていこうと思っていました。ゲームの入りからなかなか自分たちのいい形で80分間できなかったですし、個人としてもうまくコントロールできなかった。ゲームコントロールできなかったところは反省点です。
前半お互いミスが多かったんですけど、0点で抑えたというのは良かったんですけど、後半やっぱり摂南大学さんの縦の強いキャリーに持っていかれてしまったのでそこを修正し次の第2節に頑張っていきたいと思います。
ーー開幕戦ということでうまくいかなった部分はうまくいったところは?
今日は雨ということはわかっていたんで、やっぱりハンドリングエラーを少なくしていこうということは練習の中でキーワードとしてやっていたんですが、ハンドリングエラーが多かったですね。そこでクイックで出したいところも出せず、自分たちの強みである外へ展開して取り切るという自分たちの形まで持っていくことができなかった。
前半取り切りたいところで取り切れたところは良かったと思います。でもまだまだ自分たちのイージーミスで相手にボールを渡してしまった。そこを取りきらないと今後試合を進めていく中で、相手に簡単に取られてしまうので。
ーー夏合宿を終えて成長できた部分は
自分たちのいい形と悪い形がはっきりと分かったので、そのいい形をどれだけ試合で出せるかということを練習通じてやっていたんですが、今日は雨でハンドリングも良くなくブレイクでもなかなかボールを出せなかったので、修正していかないといけないと思います。
摂南大学 瀬川智広監督
学生は本当にいい準備をして今日の試合に臨んでくれました。特にラインアウトは学生自ら相手のことを研究してそれが非常にうまくいった部分もあって学生の成長を感じています。ゲーム内容については本当にスコアよりももっといい試合をできているんじゃないかなと思っています。なので勝つことができなかったことは非常に残念だし、学生自身が一番悔しく思っているんじゃないかなと思います。我々としてもチャンスどころで単純なミスをしている部分もあるので、そういったところをなくしていかなと関西の上位チームには勝つことができないということも今日の試合で学習したんじゃないかなと思っています。一つひとつが素晴らしい経験だと思います。次週の京都産業大学に向けてしっかり準備していきたい。
――ハーフタイムでの指示は?
12点差で折り返して、本当に天理大学さんと僅差で戦えるようになってきたということは一番の成長だと思います。その中で後半は摂南大からのキックオフということもあったのでまずはキックオフから相手を逃さない。我々が一つ得点を加えることができれば我々のペースが来ると、他細かいところもいろいろと修正したんですけど、大きなところで言えば、ゲームの入りの時間帯でスコアしようと話をしました。ですが、ちょっと意気込みが強すぎてスクラムのペナルティを取られてしまったところがありましたけど、もしあそこでいいスクラムが組めて良い攻撃ができたら、全く違った流れになったんじゃないかなと。そういうところも含めて、ちょっと悔やまれる部分でした。
摂南大学 CTB嶋本⼤賀キャプテン
天理大学さんとの試合で、自分たちで分析してディフェンスとかアタックとか、ビデオを見て対策をしてきました。ディフェンスでは前に出ることができてそこは自信になったところでした。アタックを継続してゴール前までいくんですけどそこで細かなミスとか、サポートの遅れとかで取り切れなかったというのが今日のは委員だなと思います。そこをこの一週間で修正して京都産業大学さんに向けて練習していきたい。
――チャンスを取り切るためにこの1週間どんな練習をしていきたい
練習の中でもミスに対して厳しくであったり、試合ではいつミスをしてしまうとやり直しできないので、練習のときから1回のチャンスをものにするために集中して取り組みたい。(具体的には)ゴール前のラインアウト、モールが崩れた後のBK展開だったりです。
前半だけで40点、近大が序盤からロケットスタート。立命館は後半戦えただけに序盤の失点が悔やまれる展開に。
前半だけで40点と攻撃がハマった近大が立命館との開幕戦を勝利。立命館は前半終了間際に2トライを奪い、流れを引き戻すも、後半にも被トライが続いて追い上げも届かず。途中で激しい雨も降って難しいコンディションの中、乱打戦となった。
近畿大学 神本健司監督
ゲーム序盤から悪天候を想像していたんですけど、思ったより悪くなくて、アタックではミスなく攻撃を続けることができスコアをすることができた。その最初の40点まで取れたところがこのゲームの中では大きかった。目標は毎試合5ポイントを取って関西優勝することですので、スコアを重ねても3トライ差以上あげておかないとポイントが取れないので、そこを常に言い続けていました。終盤の方にペースを取られてからはちょっと相手に息を吹き返させてしまったのでそれも自分たちのプレーの足らなかったところかなと思っています。
最終的に3トライ差以上のポイントを取りましたけど、全く満足していません。本当に関西の優勝を目指してやるには、当然毎試合の勝負ですけど、今は京都産業大学さんという強いチームがいますのでそこに勝っていこうと思ったら今日のゲームのクォリティは満足できないゲームでした。学生はやるべきことはしっかりやっていたと思うので、勝って反省できるのはいいことなので、次に修正して1試合毎に成長していくということをテーマにしていきたい。
近畿大学 FL中村志キャプテン
開幕戦ということで、緊張したり、独特な空気がある中、チームいいスタートを着るために始めの10分にこだわろうと言って入って、そこではしっかりいい形アタックができて40点まで取れたんですけど、そこから前半残り10分で2ついかれてしまったのは関西一になることを考えたら取られてはいけないトライだった。監督の言葉とかぶる部分がありますが、シーズン入って試合をしながらも成長していくということをテーマにしているので、今日出た課題を次戦に繋げて同じような課題がでないように1週間いい準備をしていきたい。
立命館大学 小寺亮太監督
相手の22m内側に入ったときにはしっかりとスコアを取ることがラグビーにとっては重要なところなので、うちは飛び道具があったんですが、中々入ることができなかった。後半は、勢いを持ってアタックすることができていた。あとは雨でタックルが滑っていた。去年のシーズンでも1回負けると上位にいくことがきびしくなっていくので、次の試合に気持ちを切り替えて、立命館スタイルを出して試合に臨んでいきたい。
関関対決は関西学院大学が快勝!課題の序盤でキャプテン平生が2トライ。チームに流れを引き込んだ
春季大会2位の関西学院大学は、関西大学との「関関対決」に快勝した。この試合にPOM(プレーヤー・オブ・ザマッチ)に選ばれた、平生翔大キャプテンは、前半・後半の入りでトライを決めチームに流れを引き込んだ。小樋山監督は「もっとやれる」と期待を寄せた。
関西学院大学 小樋山樹監督
開幕戦ということもあって、本当に難しいゲームになるという話をずっとしてきました。勝敗は後からついてきてくれると信じて僕らはひたむきにどのチームよりもひたむきに当たり前のプレーをしっかりやる、やるべきことをやるということを目標にこのゲームに臨みました。それが垣間見れた場面もたくさんあったのでそれを次につなげて、次戦の立命館大学さんに対して、ひたむきにチャレンジしていきたいです。
平生も言ってくれましたが、ゲームの入りが課題だったのでそこを夏合宿では練習してきたことを出してくれたのが良かったですね。あとはディフェンスも前にしっかり上がってプレッシャーをかけてくれた。
課題はセットプレーですね。もっともっと圧倒していかないと上位チームに対しては厳しいかなと思っています。敵陣に入ったときも今日は何度かミスがあったり、取り切れなかった場面があったので、そこは修正していかないとベスト4には届かないのかなと思っています。
――平生キャプテンについて
もっとやれるはずです。本当に日本一のHOになれると思いますし、僕らは期待しかしないので、全然甘やかさないでいきます。(いいところは)もちろんプレーもそうですし、人間性というかリーダーシップという面でも、今年2月からチームが始まって本当に良く引っ張って来てくれています。言葉でも行動でも本当に厳しく、ラグビー以外の面でも彼がチームを作ってきたので本当に信頼しています。
関西学院大学 HO平生翔大キャプテン
本日のゲームは雨であったり、途中イエローカードであったりうまくいかない時間というのもあったんですけど、メンバー15人がゲームに出れないメンバーの文までひたむきに笛がなるまでプレーできたところは良かったかなというのと、課題であったゲームの入りのところがうまく今日の試合ではハマっていたと思うので、前半後半どっちも取れたのは良かったかなと思います。
――同じポジションで意識している選手は?
同年代ではやっぱり代表に入った佐藤健次(早稲田)選手がいるので、もちろん意識するとかあるんですけど、まずはこのチームでベスト4を達成するところにフォーカスしながらやっていきたいです。
関西大学 佐藤貴志監督
昨年からモールは関大の強みでもあります。そういったところは継続してきた結果がでたと思います。今日の大きな収穫はセットプレーのところなので、いい意味で自信にしていきたい。リーグ戦なので、これからどう切り替えていくかということがすごく大事なんだと思っています。
関西大学 CTB石川海翔キャプテン
準備してきたものを出せずにまた違う変わったものを出してしまって、相手にボールを拾われて相手にスコアをされてしまいました。
(その要因は?関学のプレッシャー?)そうですね、圧もありましたけど、やっぱり一人ひとりの視野が狭くなってしまうことによると思います。相手のプレッシャーに対して、全体を見渡せなくて、ロッカールームで修正ポイントを言われたんですけど、現場で試合に出ている自分たちの中で修正する力が特に後半のところでは出すことができなかった。
本来であれば、相手のディフェンスの立ち位置でタックルの弱い選手に向けて自分たちの強いキャリアをあてていくことをしたかったです。