ながとが復活―藤崎春菜キャプテン、MVPの新野由里菜に訊く「もう一度家族に」 | ラグビージャパン365

ながとが復活―藤崎春菜キャプテン、MVPの新野由里菜に訊く「もう一度家族に」

2024/05/07

文●編集部


女子ラグビーのサーキットシリーズ「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2024鈴鹿大会」は、ながとブルーエンジェルスの優勝で幕を閉じた。表彰式を終え、藤崎春菜キャプテン、MVPを獲得した新野由里菜選手、村杉徐司ハイパフォーマンスディレクターに話を聞いた。

藤崎春菜

藤崎春菜キャプテン

藤崎春菜キャプテン



また1位という場所に戻ってこれて本当に嬉しいし、チームを誇りに思います。決勝戦は先制トライをされたんですが、絶対に優勝できる、勝てるという気持ちでチームでコミュニケーションをとって試合中に修正できました。

(前回大会を終えてから)もう1回家族になって、コミュニケーション取っていくという部分をしっかりやってきたのでそれが結果につながったのかなと思います。



ーーもう一度家族になる、コミュニケーション取る、というのは具体的にどんなことをやった?


この大会の1週間前に、キャンプををして、全員で一緒に暮らすということをやりました。泊まり込みで、練習後にキャンプ場へ行きました。


ーーMVPに選ばれた新野由里菜さんについて


足も速くて、フットワークも素晴らしい選手なのでボールを持ったら絶対にゲインしてくれるというのは全員わかっているのでその波に乗っかっていこうという気持ちです。今大会でもボールをキャリーしたところや、ゲインしてくれたところを全員でカバーして勢いづけてくれたので本当に誇りに思います。

先輩選手たちにもみくちゃにされる新野選手

先輩選手たちにもみくちゃにされる新野選手



大会MVP 新野由里菜選手

新野由里菜

新野由里菜



率直に嬉しいです。前回5位で終わってしまって、ながとに戻ってしっかりみんなで1から作り直して、今回こういう結果で終われたんで、自分のMVP以上に優勝できたことは良かったです。


ーー決勝では3トライでした。


気持ちのところは絶対負けないというのはみんな話していたんで、自分が行く、というのもそうですけど、絶対勝つ!という気持ちを持って戦っていました。

前半終了間際の新野由里菜のトライ。前半の悪い流れを断ち切った

前半終了間際の新野由里菜のトライ。前半の悪い流れを断ち切った


ーーながとはどういうチーム?


全員がファミリーで、外国人とか関係なく、全員がハードワークできるようなチームだと思います。


ーー先制を許した中で前半いいところでトライを決めることができました


チームが悪い流れになりそうなところを自分の持ち味であるスペースを突くことができたんで、そこは良かったかなと思います。


後半も貴重な追加点をあげた新野

後半も貴重な追加点をあげた新野


ーーチームへのアジャストは


もっと密にコミュニケーションを取ろうと意識するようにしています。(英語は?)いや全然っす。覚えている単語で頑張って話しています。


ーーチームに加わった最初の頃は何か違いを感じましたか?


前回の大会まで自分がやりたいことと、チームがやりたいことがあんまり合わなかったんですけど、今回ながとに帰ってからの2週間でしっかり準備することができたんで、そこは良かったかなとおもいます。


ーー具体的には?


1週間リカバリして、その後キャンプみたいな感じでみんなでコミュニケーションをもっと取ろうというのを話したりしていました。


昨年まで新野がキャプテンを務めた日体大女子。後輩たちから声援も送られていた

昨年まで新野がキャプテンを務めた日体大女子。後輩たちから声援も送られていた



ーー今日は後輩たち(日体大)が大きな声援を送っていましたが、その日体大に負けて今日の結果があるということで何か思うところは


前回めちゃくちゃ悔しい思いをしてて、自分の中で本当に気持ちが変わったというところがありました。今大会はもう日体とあたってもしっかり自分のプレーをしようというのを決めていました。ああいう形で応援してくれるのはとても自分の力になったし嬉しかったです。



ーー気持ちが変わったというのは?


練習の時にできていたことが試合になったら緊張しちゃったりとかして、何か余計なことを考えて思い切りプレーが出来ていなかったんですけど、今回はそれをなくしてしっかり自分のプレーができたんでそこは変わったところだと思います。



ーー去年は決勝でながとと戦ってなかなか勝てなかったけど、自分がながとに入ってみて、ながとの良さなど改めて気づいたことは?


一人一人の特徴を活かすためにしっかりとしたシステムがあるということですね。入る前は個人の方が大きいのかなと思っていました。



ーー最終戦に向けて


必ず1位になって総合優勝できるように頑張りたいです。


日体大同期の東あかりと、後輩たちの声援に応える新野

日体大同期の東あかりと、後輩たちの声援に応える新野


村杉徐司ハイパフォーマンスディレクター

正直ホッとしています。前回大会で久しぶりに負けて、しかも5位という結果は1年目に経験して以来なんで、2年目からは全部3位以上だったので、マネジメント側としてのダメージは本当に大きかったです。選手たちよりも多分僕たちの方がちょっと大きかった気がします。

村杉徐司ハイパフォーマンスディレクター

村杉徐司ハイパフォーマンスディレクター



――今大会前に合宿を行った意図は?


本当に田舎でみんなで暮らしているので、もう一度家族のような絆を作り直そうということで急遽近くのキャンプ場でバンガローみたいな狭いところでみんなで寝泊まりしてバーベキューなどをやりました。そこで絆を深めあったというか、もう1回やろうぜというのはなんかそういう気持ちになれた気がします。発案はロテHCからちょっとできないかということで探して青海島でやりました。



――決勝では先制されました


2つ先に取られると実際のところちょっときついなというイメージあるんですけど、それでも自分たちのスタンダードは高いということを信じてやっているので、選手たちも全然慌てなくてしっかりやっていければ逆転できるよという指示はしていました。


――フェニックスにはどういう戦いを


フェニックスどうこうというより、自分たちのラグビーをしっかりやろうとしていました。外に振って、ドライブしてそこから動き出そうと。




――前回大会から修正できたところは?


ディフェンスですね。前回大会は揃っているのにスライドディフェンスしちゃって前に出れなかったのが負けた一番の理由だと思っていて、そこをまず上がろうと、内をきられても自分のチームメイトがサポートしてくれるから大丈夫だというのは特に新野には伝えました。

新野だけの問題ではないんですが、NBAのCTBを彼女には任せているんで、1年目ですけれどもしっかり自覚をもって誇りをもってやってくれといいました。


――新野さんがいいところは?


実は10メーターのスプリント、チームで一番速いんですよ。アマーリよりも速くて。彼女のショートスプリントはCTBの適性がすごくあると思っています。




ーー先ほどマネジメントとしてかなりショックがあったと言われていましたがどのあたりをレビューしましたか。


準備のところはしっかり出来ていたと思っているんですけど、その中でも修正点がありました。もうちょっとリカバリーを長くさせようとか、練習時間ちょっと長いよねとか、補食のタイミングとか、選手の中にはカステラしか食べていないとか。そういうのも全部チェックして今一度しっかりやろうとしていました。

結構補食は充実しているんですけど、よくよく聞いてみると、3試合の間でカステラを1個ずつしか食べていないとか。水分足りていないとか、そういうのが出てきたんです。

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