エディー・ジョーンズHCが就任したラグビー日本代表の再始動試合となるイングランド戦のメンバーが20日、発表された。登録23人中ノンキャップが8人というフレッシュな布陣。出場すれば初キャップという新鋭の一人が、東京サンゴリアスのFL山本凱だ。リーグワンのゴールデンショルダー賞に2022年、そして2022-2023年の2季連続で受賞し、今回初めて日本代表に選出。そしてイングランド戦のリザーブ入り。ついにインターナショナルの舞台に立つ国産最強タックラーの素顔に、宮崎合宿で迫った。
山本凱
「前回のW杯では日本代表にかすりもしなかったけど、今回チャンスが回ってきた。このチャンスを掴んで、このサバイバルレースに生き残りたい」
山本凱は目を輝かせた。高校日本代表、U20日本代表そしてジュニアジャパン――ユースレベルの代表を総なめし、近未来の日本代表を担うと期待され続けた逸材が、初めて選出された日本代表合宿。だが今回の代表選出は山本にとってはサプライズではなく、待ち構えていたものだったようだ。
理由は、日本代表の指揮官についたエディー・ジョーンズHCの存在だ。
「エディーさんはオーストラリアのジョージ・スミスやイングランドのサム・アンダーヒルを抜擢してきたし、ラインアウト要員にはなれない身長の僕にもチャンスがあるかなと思っていました」
山本凱のサイズは公式データでは177cm・100kg。一般社会では十分に大柄だが、屈強な男たちが身体をぶつけあうラグビーのそれも190cm級の大男が居並ぶバックローでは小柄な部類だ。
だがエディー・ジョーンズHCはオーストラリア代表を率いた2003年W杯では175cm・100kgのフィル・オー、180cm・98kgのジョージ・スミスを、イングランド代表を率いた2019年W杯では186cm・103kgのサム・アンダーヒル、185cm99kgのトム・カリーを抜擢した。
タックル、ジャッカルという武器があれば、身長などのサイズは必要条件ではない――山本はそう受け取った。そう、山本にはタックルという絶対の武器がある。