早稲田11年ぶりの復活優勝―現アシスタントコーチが語る(前編) 今季の早稲田の戦い、軌跡をコーチの視点から振り返る | ラグビージャパン365

早稲田11年ぶりの復活優勝―現アシスタントコーチが語る(前編) 今季の早稲田の戦い、軌跡をコーチの視点から振り返る

2020/01/14

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


第56回ラグビー大学選手権は早稲田大が11年ぶりという復活優勝を飾り幕を閉じた。

昨季は明治大が22年ぶりの復活を果たし、今季はそのライバル早稲田大が復権。ラグビーワールドカップが開催され、新しい国立競技場で決勝が行われたという時代の節目のシーズンに、伝統校が復活したのは興味深い符合だ。

そして、RUGBYJapan365的な注目ポイントは、本誌の好評連載「Shota's Check」で勝負のポイントを独自の視点で読み解いてきた後藤翔太さんが、今季から早稲田大のコーチングスタッフに、アシスタントコーチとして入閣していることだ。

現役で大学チームのコーチをしている関係上、今季の大学の公式戦ではなかなか解説をお願いできなかったが、早稲田大の優勝でシーズンも終了。そこで、コーチの視点から、早稲田大の復活優勝を、2回に分けて振り返っていただいた。

第1弾は、今季の早稲田大が目指したもの。
第2弾は、早稲田大は決勝をどう戦ったか。

翔太です。
解説をしばらくお休みしてしまいましたが、おかげさまで、大学選手権で、早稲田大は優勝することができました。応援してくださったみなさんに深く御礼を申し上げます。特に、新しい国立競技場で初めて行われるラグビー試合となった決勝を応援にきていただいたみなさんには、明治大ファンのみなさんも含めて、素晴らしい雰囲気を作っていただきました。深く感謝します。

僕は今季、早稲田大のアシスタントコーチを務めていました。そこで、RUGBYJapan365読者のみなさんに、今季の早稲田大の戦い、足取りについて、コーチの視点から少し紹介したいと思います。

帝京大も明治大もシーズンの最終形をイメージして、そこから逆算してチームづくりができた。早稲田にはそれが全然なかった

シーズンを通して振り返ると、1試合1試合、出し切って何とか勝ってきたな、という印象です。この時期まではこれをやって、ここまで積み上げたから、次はこれをやって、それができたらアレにとりかかる……というような計画的なチーム作り、年間を通した駆け引きは、正直できなかった。いつも、目の前の試合をどう戦うかということだけ。

2試合先を見ることはできなかったのが正直なところです。つまり、そうせざるをえなかった。
対抗戦で帝京大に勝ったあと、同期のMから「帝京大は対抗戦でひとつ負けたことくらい何とも思ってないからな、調子に乗るなよ」という励ましのメッセージをもらったんですが、本当にそうだったと思う。

帝京大は、そして今季は明治大もそうだと思うけれど、シーズンの最終形をイメージして、そこから逆算してチーム作りができる。それだけ成熟したチームだったと思います。選手層も厚いし、勝ってきた経験値がチームには蓄積されている。今の早稲田大にはそれが全然ない。ホント、ギリギリで勝ち上がったと思います。


シーズンを振り返ると、ポイントは早明戦の敗北だったと思います。


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