キンちゃん、こと大野均が東芝のジャージーを脱ぐ。
5月18日、東芝ブレイブルーパスは、2019年度の「勇退選手」6人を発表。そのリストの一番上に、大野均の名前があった。東芝というチームは、特定の選手のことをあまりクローズアップしたがらない。プレスリリースには選手のコメントもなかった。唯一あったトッド・ブラックアダーHCのコメントも、あえて、と形容したくなるような、フラットなコメントだった。
「今シーズンでチームを離れる選手達には、これまでのチームへの貢献に感謝するとともに、今後の挑戦に対しての幸運を願っています。またここまでのシーズン対して、選手のご家族の協力や貢献に対しても心から感謝いたします。これからも東芝ブレイブルーパスの一員です。この経験を糧に誇りをもって歩んでいってほしいと思います。長い間、本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございます。」
だが、その簡潔な言葉がなおさら、1行目に書かれている名前の特別な重みを際立たせていた気がする。他の5人の在籍期間が10年、9年、9年、4年、1年…と並んでいる中で、一番上にいる名前には「19年間」と記されているのだ。生まれたばかりの赤ん坊が成人しようとするほどの、かくも長い時間、大野均は東芝の看板プレーヤーであり続けた。