高校ラグビー1回戦・チャンスをモノにした札幌山の手が高鍋に勝利! | ラグビージャパン365

高校ラグビー1回戦・チャンスをモノにした札幌山の手が高鍋に勝利!

2013/12/28

文●斉藤健仁


12月27日に花園で行われた一回戦のうち、もう1試合注目されたのは、FLリーチ・マイケル(東芝)の母校として有名な14年連続14回目の出場となる札幌山の手(北海道)と、WTB長友泰憲(サントリー)を輩出した3年連続21回目の出場となる高鍋(宮崎)の対戦だった。

雷の影響でキックオフの時間が25分遅くなったものの、強豪同士の対決は両チームとも集中力高く試合に臨んだ。前半7分、札幌山の手がモールで先制(5-0)するも、互いに決定力を欠いて、そのまま前半を終える。

後半、同点に追いついた5-5高鍋

後半、同点に追いついた5-5高鍋

後半、先に得点を挙げたのは高鍋だった。ランニングラグビーが持ち味だが全国大会に向けて強化してきたというモールでトライを挙げて5-5と同点に追いつく。

すばらしい走力を見せた札幌山の手FBリード

すばらしい走力を見せた札幌山の手FBリード

試合が大きく動いたのは14分だった。後半8分、SHがレイトタックルのためシンビン(10分間の一時的退場)中で数的不利だった札幌山の手だが、「私はディフェンスを、アタックはコーチたちが指導してきました」(佐藤幹夫監督)というアタックでワイドに展開し、ニュージーランド出身の1年生FBモリキ・リードがトライ(10-5)。「線は細いですが体幹が強い」(佐藤監督)

札幌山の手は柔道で鍛えたフィジカルでゴールラインを割らせなかった

札幌山の手は柔道で鍛えたフィジカルでゴールラインを割らせなかった

その後、相手FWがしつこくゴール前でサイドを突くも、札幌山の手FWはゴールラインを割らせない。「11月から3月くらいまで、外練習ができない間は、毎日、柔道の寝技を30本やってきました」(佐藤監督)という接点の強さが光った。

後半、残り4分間だけだったが1年生ながら試合に出場したLO伊藤。兄は日本代表だ

後半、残り4分間だけだったが1年生ながら試合に出場したLO伊藤。兄は日本代表だ

相手の攻撃を凌いだ札幌山の手は、再びリズムよく攻め続け、最後はFBリードからWTB松本巧也(3年)が左中間にトライを挙げて15-5と点差を広げた。札幌山の手は試合終了4分前、日本代表&神戸製鋼の伊藤鐘史の弟のLO伊藤鐘平(1年)を途中出場させた。「日本代表の試合でリーチ・マイケル選手と握手したことと、花園に出たかったので札幌山の手に進学しました。初めての花園出場だったのは感慨深いです」(LO伊藤)

モールで押し込む高鍋FW陣。勝利を手にすることができなかった

モールで押し込む高鍋FW陣。勝利を手にすることができなかった

結局、試合は15-5でノーサイドを迎えた。高鍋の山本巧監督は「相手がシンビン中にトライを取られたことが大きかった。展開ラグビーだけでなく、FWのモールも鍛えてきたのですが…」と肩を落とした。チャンスの数はあまり変わらなかったが、決定力で上回った札幌山の手が勝利を手にした。

FWとBKバランス良くトライを取った札幌山の手は、12月30日の2回戦でBシードの目黒学院(東京第1)と対戦する。

 

斉藤健仁
スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当するなどトップリーグ、日本代表を中心に取材。プロフィールページへ


 

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