1月4日、東大阪花園ラグビー場では第104回全国高校ラグビー大会、準々決勝4試合が行われた。第1試合は常翔学園と大分東明の一戦が行われた。
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レフェリーは池田韻さん
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先制したのは常翔学園。前半2分、NO8井本享介のトライで先制すると、そこからは大分東明高が攻勢をかける。前半11分、敵陣深くにキックを蹴り込み、キックチェイスでプレッシャーをかけ大分東明がカウンターラックでボールを奪うとLO石川波潤がトライ。
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前半2分・NO8井本章介のトライ
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前半11分大分東明・LO石川波潤がトライ
さらに15分、ラインアウトのこぼれ球をHO阪口豪之介がボールをキャッチし前進。さらにショートサイドに繋いでLO石川がトライ。FB安藤佑真のゴールも決まって19‐7と大分東明がリードを広げる。
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前半15分大分東明はこぼれ球に対してHO阪口豪之助が反応しブレイク
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阪口からパスを受けた石川が走りきり右隅にトライ
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連続トライで流れを引き寄せた大分東明
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イセオフォの突進
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前半21分、ハイボールをキャッチをしたWTB下川悠輝が個人技でディフェンダーを交わしトライ
常翔学園は前半終了間際、WTB正脇俊輔が相手ディフェンスを交わしトライ。19-12として前半を終えた。
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常翔学園・SH元橋直海
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前半終了間際にWTB正脇俊輔のトライ
後半の序盤、常翔学園がチャンスを迎える。1分敵陣ゴール前のラインアウトから、サインプレーを見せゴール前でラックを形成。NO8井本章介がトライ。さらに9分にはWTB宮脇がトライを決め24‐19と常翔学園が逆転に成功する。
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後半1分、常翔学園はNO8井本章介がトライを決め2点差に迫った
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FB松井成吾のゴールは決まらず
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後半9分WTB正脇俊輔のトライで逆転
そのまま時間は経過し迎えた終盤、大分東明が好機を迎える29分、敵陣ゴール前のラインアウト。モールを押し込むがグラウディングできず。残り時間もない中、ハーフウェイ付近のラインアウト。
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大分東明がゴールに迫るがグラウディングできず
常翔学園はこのボールを確保すれば勝利という状況だったが、ラインアウトで競った大分東明がインターセプト。さらに石川がピックゴーでブレイクゴール前までボールをキャリー。
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後半ロスタイム・大分東明が相手ボールラインアウトを奪ってマイボールに
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キャプテン石川が突破ゴールに迫る
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イリエサがゴールに迫るも届かず
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後半ロスタイム、石川の突破からゴール前に迫るが、ラックの前にいたイリエサがボールを手にかけ攻撃をしたことでオフサイドのペナルティ。ノートライで試合終了
左にはアタックラインができているが、ここはFWがボールを出さずにアタックを継続。結局、ラックの前にいた選手がボールをピックしてアタックをしたということでオフサイド。最後の最後、常翔学園が守りきり24‐19で大分東明を敗り4強進出決めた。
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接戦を勝利した常翔学園。スタンドの応援団に挨拶
常翔学園 白木繁之監督
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白木繁之監督
心臓に悪いですね。毎試合、本当に諦めずよく頑張った、そこにつきます。留学生も強烈なプレイヤーが入れ替わり何回も出てきたんで来たんですけどもひるまずにみんな立ち続けていましたね。
スクラムはやっぱりうちの強みでもあるので、そこを貫いていこうというのをこの大会ずっと言ってますので、その結果がいい形で出たのかなと思います。
(ハーフタイムでは)とにかく前半はマイボールが少なかったんでとりあえずボールをキープし続けるとチャンスも生まれてくるんでという話をしていたら、後半の最初にトライをしてそこからちょっとペースを持ち直したのかなと思います。
(うまくいったのは?)やっぱりディフェンスですかね。ここにきてディフェンスをしっかりと整備して大会が始まる前につながりを大事にやってきて、トライはされましたが諦めることなくずっと繋がり続けられたかなと思います。エリアは敵陣でやりたかったんですけども、結構自陣でやる時間帯が多かったのでそれはしんどかったですけども、よく勝ちきったなと思います。
大分東明 白田誠明監督
東明高校のラグビーをちゃんと大観衆の中で見せてくれんたで。「エンジョイラグビー」というところで大阪のチームにも全然まけてなかったし、そういった部分では新しい歴史を築きましたが、ここから上に行くということの大変さとかそういったことを後輩たちにも教えてくれたかなというふうに思います。
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準々決勝の舞台でも大分東明の「エンジョイラグビー」を体現
このチームは個性も強かったし、やんちゃな子も多かったですけど、いろいろと討論することも多かったです。それだけこの子たちが勝ちたいとか頑張りたいという強い思いがすごくあったので、そういった思いに答えられなかった。やっぱり自分の力不足が情けないなというふうに思っています。いろんな駆け引きというところで向こうの方が1枚も2枚も上手でしたね。
大分東明 LO石川波潤キャプテン
最後あそこでもう少しキープしてフェイズ重ねていけばトライを取れたかもしれないのに、自分がラックに入ってイリエサに声を出せずに勝手にいってしまったので、やっぱりそこはキャプテンとしての弱さかなというのを自覚しています。
ゴール前ではBKがサインコールしてたんですけど、自分たちでトライを取りたい、自分が取らなきゃという気持ちが強かったですね。イリエサも高鍋戦でミスしちゃって、何とか取り返そうという姿勢の上で出てしまったのでそこはしょうがないです。
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大分東明に新たな歴史を作ったチーム。来年はどんなチームとなって花園の舞台に戻ってきてくれるだろう。
(最後のミーティングでは)本当にこの新しい景色が、見れて本当に良かったというのと、自分は3年間楽しんでラグビーができたことが大きな収穫だと思ってそこについて伝えたことと、この仲間を誇りに思って帰りたいなと思います。