2016年2月27日、19,814名を飲み込んだ秩父宮ラグビー場で一つの歴史が刻まれた。今シーズンから世界最高峰のラグビーリーグ「スーパーラグビー」に今シーズンから参戦する日本チーム「ヒトコムサンウルブズ」の初戦・ライオンズ戦がキックオフされた。サンウルブズのメンバーは以下のとおり。23名中、2015年ワールドカップに出場した13名の代表選手が名を連ねた。初参戦ということもさることながら、チームがスタートしたのは2月。他のチームに比べ、準備期間はほとんどない中、どこまで試合ができるのか注目された。
「全員がゲームに対して気持ちを作ることができていた」(LO大野均)というように、サンウルブズは序盤からボールへの集中力を見せ、ライオンズのアタックに対してもしっかりとディフェンスし、ブレイクダウンでもFLリアキ・モリやNO8エドワード・カークなどがボールに絡みトライを許さない。すると6分、自陣10m手前でボールをターンオーバーすると、一気に敵陣22mへ。一旦、相手にボールを奪われるもCTB立川理道がボールキャリーに対してボールを叩き落とし、すぐさま取り返す。
SOトゥシ・ピシが相手の裏に転がしたボールはライオンズがインゴールで抑えドロップアウト。ライオンズのフリーキックでリスタート。すると、NO8エドワード・カークが見事なリターンで22m手前までボールを運ぶとSH日和佐篤が素早いボールさばきで相手のオフサイドを誘い、サンウルブズにアドバンテージが出される。22m付近でフェイズを重ねるも、ボールが停滞しアドバンテージが適用され、サンウルブズにPKが与えられる。ここで、確実にショットを選択しピシが冷静に決めてサンウルブズが3−0と先制する。