プレーオフ進出し、埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦する横浜キヤノンイーグルスが14日、練習を公開した。練習後、沢木敬介監督、SO田村優が取材に応じた。
横浜キヤノンイーグルス 沢木敬介監督
――準決勝に向けて
ファイナルのラグビーになると、昨季、居心地が悪い中、プレッシャーの中で戦うには何が必要か学んだ。一発勝負なので、流れを作って、自分たちのコントロールする時間を長くしていくか。実力からしたらワイルドナイツが間違いなく上なので、来たチャンスを仕留められるか、ですね。
――攻め勝ちたい?
うちのチームは守っても勝てないので、自分たちのスタイル、強みをもう1回クリアして、そこで勝負するというシンプルな感じです。
![沢木敬介監督](/img/2024/0515/9c70b7463489b8c45d01a50d085e433c_original.jpg)
沢木敬介監督
――相手のディフェンスを崩すには?
ワンチャンスを逃すとすぐに揃っちゃうので、いかに崩せるタイミングを見逃さずに思いっきり攻められるか。それが上手くいったらチャンスがあると思います。
――先手を取っていきたい?
もちろん。ただ、俺らが勝つなら、僅差でついていって、どっちがスコアが上かは別として、僅差でついていく。そうじゃないと勝てないと思うから、いいスタート切って、いいプレッシャーをかけ続けられればいいなと思います。80分攻めないといけない。
![](/img/2024/0515/b8b9bed26ff35b71a959bc90e3bcccd2_original.jpg)
――スペシャルプレーは
普通にやっては勝てないので、何かやらないといけない。
――監督となって4年目です
(ファンの方が)見ていておもしろい、という感覚はついてきたと思いますし、ある程度、結果がついてきていると思うけど、そんな簡単にチームのカルチャーは変わるわけじゃないので、継続してその位置にいる、それが次のステップにつながると思う。
![ジェシー・クリエル](/img/2024/0515/ff74759faa1d5ec28aa4474b2712dab1_original.jpg)
ジェシー・クリエル
ただそれをキープするのはハードだと思う。3位より上にいくにはファイナルに行かないといけないし、トップ4に入ったからには優勝狙える権利があるので、優勝狙いに行かないといけないが、そんな簡単じゃないし、自分たちの力をしっかり出し切る準備をしないといけない。
![梶村祐介キャプテン](/img/2024/0515/3aa287c9204cfb95859d1096e1b2f60e_original.jpg)
梶村祐介キャプテン
まず、自分たちのカルチャー、スタイル作ったりをしないといけなかったし、ただ4年でトップ4に2回入っているのでまあまあいいんじゃないですか。たぶん、どのチームも5位になれるんです。5位とトップ4にすごいギャップがある。それを達成できているから、ちょっとずつ力がついているとは思いますが、ここで満足してはいけない。上を目指していかないといけない。
――就任当初はどんな感じでした?
サンゴリアスはカルチャーができていた。監督が変われば、築こうとするカルチャーが変わるという繰り返しだった。まだ(歴史が)浅いチームだったから。徐々にそういうのができつつあるんじゃないですか。
![](/img/2024/0515/3dba1ea4ec6715096d3051a5a4679f11_original.jpg)
――田村選手が中盤、自立しないといけないと話していたが、トップ4に入った
そこも紙一重だから。どっかで崩れていたら入替戦に行っていた可能性もあるし。本当に力がついてきたというより、ケガ人が出ながらこの位置に入れたのはある程度の力がついてきたと思う。ただ毎年、その位置に入れるだけの力がというと、今後も危機感持っていかないといけない。
――監督として2年連続プレーオフに入った
プレーオフは勝つのが難しい。そこで1個、壁がある。
![田村優](/img/2024/0515/24f771d53c6225c203db4d234be6c929_original.jpg)
田村優
――居心地が悪いとは?
ずっとプレッシャーかかるでしょ。ミス1つで流れ変わるし、緊張感ある中でずっと集中してやらないといけない。その集中が切れたチームが流れを相手に渡すし。ファフとかジェシーとか緊張をW杯決勝で経験している。ファフは試合に出られないが、チームメイトにメンタルの整え方をいいアドバイスを送っている。
![ファフ・デクラーク](/img/2024/0515/446f8fd47275c77da4dce0c493a51ec4_original.jpg)
ファフ・デクラーク
「居心地いい中でやろうとするな、ファイナルはそういうものだし、受け入れないといけない。プレッシャーから逃げていたらいいプレーできないし、絶対、感じないやつなんていないから」と話している。
――ファンの見方も変わった?
ファンは増えていると思います。変化は感じますよ。イーグルスのラグビーがおもしろいと言ってくれて、いろんな入り口があると思うが、ホームの試合は毎回来ている人もいて、顔なじみのファンが増えるということはそういうことだと思います。
――HO中村選手が沢木監督がマイルドになったと話していました?
年齢も取ってくるし、もちろん変わるし、時代に合わせて変化していかないといけない。
――最終節のワイルドナイツ戦に出場していなかったSO田村選手に期待することは
ベストのパフォーマンスを出してチームを引っ張ってほしい。シンプルです。
横浜キヤノンイーグルス SO田村優
![田村優](/img/2024/0515/781e8e0c5adc3696d8b7f08fdbe34168_original.jpg)
田村優
――準決勝に向けて
ワイルドナイツは強いチームなので、今年やってきたこと、できなかったことがハッキリ見えて(いるので)、いいところだけ出せれば勝てると思う。やってみてからのお楽しみですね。
――プレーオフに向けて
僕はまず走れるように、僕が動けるように。(リーグ戦の)最終戦は(ケガの影響で)走れる状況ではなかった。
――最終戦を外から見ていて
強いチームなので、うちがパニックになってしまったのでしょうがないですね。
――プレーオフに向けて意識したいことは
どうやってもあと2試合なので、ボロ負けするか、マジックが起こって勝つかということだと思うので、そういう雰囲気に持って行ければ。自信を自分たちの中だけでも持つ。回りはパナ(ソニック)が勝つと思っているし、その通りだと思う。
何かを起こすときは自分たちの中が、自分たちに自信を持っているときにアップセットが起きると思う。それは僕自身何回も起こしているので、そういう雰囲気にチームを持って行ければ(いい)。1%でも勝利する確率があれば、必ずチャンスは来るかなと思う。
![](/img/2024/0515/48eb1f0dbdd0b217991b7ddf9d6fa6e1_original.jpg)
――アップセット起こすために10番として
僕は僕らしく常にいることですかね。追いかける展開になることは間違いないので、常に勝てる圏内にいて、点差しかり、流れしかり、レフリーのマネジメントしかり、チームのマネジメントしかり、そこをやりたい。
みんな緊張しているし、練習は熱入りますが、レギュラーシーズンよりリラックスした感情、ふわっとした感情を出して、やるときはピシッとしめるという差を出せれば。できるだけみんながピリピリした状況にもっていきたいが、気負い過ぎず。(リーグ戦で)この10数試合やってきた枠組みから外れないようにしたい。