3月22日(日)、東京・秩父宮ラグビー場では5連敗だが6位の東芝ブレイブルーパス東京が、9位の三重ホンダヒートを迎えた。

モスタートとリーチ
ともに何としても勝利したかった試合は序盤から熱のこもった試合となり、前半は5-7で折り返した。後半も点の取り合いとなり、ブレイブルーパスは33分に途中出場のFLアフ・オフィナがトライ、37分に、今シーズン初めてSOリッチー・モウンガがPGを決めて22-21とついに逆転した。

アフ・オフィナのトライ

リッチー・モウンガのPGで逆転
残り2分ほどだったが、CTBセタ・タマニバルがディリバレイトノックフォワードをしてしまいイエローカード。38分、相手のPGは左へそれたが、ロスタイム、再び、ブレイブルーパスはペナルティーを犯し、相手のCTBダーヴット・ケラーマンにPGを決められて22-24で敗れた。
2月からブレイブルーパスは連敗が続き、ついに6連敗とワースト記録を更新。ただ順位は変わらず6位とプレーオフ圏内にいる。ここからどうチームを立て直すべきか。試合後、キャプテンNO8マイケル リーチと、司令塔SOモウンガに話を聞いた。
東芝ブレイブルーパス東京 NO8リーチマイケルキャプテン

リーチマイケルキャプテン
今日もたくさんのファンが自分たちの試合に来ていただいて感謝しています。
ブレイブルーパスファンからしたら、どうしたの?と心配しているはず。6連敗して、なんで昨シーズン優勝して、今年になってから不調、なんで?と、その質問をたくさん持っていると思います。
自分たちも何でこうなっているか、一生懸命、考えて、今、こういう状況になって、ポジティブなことはチームの中では少しずつ良くなっていると実感しています。
今の状況は正直苦しい、この状況からもう1回、抜け出して勝っていくチーム、結果にいくのか。選手とコーチ陣が一丸となって考えないといけない。(選手を)指したり、ああだこうだいうのが一番、簡単。もう1回、優勝に向けてやるべきことを考えてやっていくしかない。
ファンに対してのメッセージは、選手、一生懸命に準備している、勝つ準備しているが、申し訳ない気持ちでいっぱいです。チームの中では優勝はあきらめていないし、次のクボタ戦に向けて、勝つ準備をしていきたい。

アンドリュー・マカリオのトライ
今シーズンのリーグワン、下のチームが上のチームに勝ったりというリーグになって、ちょっとの差で負けること、ちょっとの差で勝つこともある。リーグとしては良くなっていると選手として実感している。
クボタ相手に準備して、自分たちの強みを出せるように頑張っていきたい。毎週、毎週、東芝のファンには感謝しています。
――どのあたりが良くなっている?
過去6試合の中で、セットピースから上手く出せなかったが、スクラムも安定していたし、ラインアウトから少しボールを持つ機会も増えてきた。その辺は良くなってきている。そこはポジティブに考えていて、あと一つは優勝する、あきらめないマインドが大事。まずはトップ6に入ってから、もう1回、勝負かけることをターゲットにしている。
――来週に向けて何が大事か
次の試合にどうやって勝っていくか。今野試合、なんで負けたかレビューして、5%でも10%でもいいから、少し良くなればいい。底を意識してやっています。サントリー戦からこの試合に向けて、少しずつ良くなっている。結果はついてきていないが、いつか結果がついてくる。
――サントリー戦から変えた部分はあるのか?
サントリー戦のゲームプランを継続しました。大きく変えることはなく、エリアごとに少しずつ変更してやっている。
――2月にリーチ主将が出場してからなかなか勝つことができていません……。
僕が出てから負けているので、自分のリーダー不足を考えたりしているが、考えてもしょうがないと思っているので、自分のパフォーマンスを仕上げていくしかない。正直、本当に苦しい状況だが、下を向いても周りに(良い)影響を与えない。とにかく勝つ準備をしていくしかない。長いキャリアでずっと強いという保証はない。こういう経験から得るものも多いし、こういう経験こそリーダーの役割が一番重要です。

――後半最後、リードして、残り2分、チームにどういった声かけをした?
ゴール前、攻めていて、そこでランアウトモールから、クイックタップでいくのか。時間を掛けて、迷って(PGを狙うために)蹴った。それが正しかったのか、正しくなかったのか。負けたから、トライに取りに行くべきだったと思うし、もし次の機会あれば、トライを取りにいくかな。
残り2分、円陣で、とにかく我慢ディフェンス、ペナルティーしないで(と話した)。だがイエローカードをくらって、ラックでペナルティーして、(PGを決められて)試合終了。その前に、(相手のキャプテンの)モスタートがキックオフを奥に蹴ると言ったのかな。脱出できなかったので、もうちょっと冷静になって、良い状態で(奥に)蹴ってもいいかなと思った。
この試合の反省点がいくつかあって、選択肢のところはリーダーとして反省はしています。勝つ試合に負けたとチームとして受け止めないといけない。
東芝ブレイブルーパス東京 SOリッチー・モウンガ

リッチー・モウンガ
――この試合で6連敗。チーム全体の状態について
まず、みんなのことを誇りに思っています。うまくできていない部分もあるかもしれませんが、それでも本当に誇りに思っています。自分がこれから何をするかについて、大きなことを言うつもりはありません。そういうことはしません。ただ、自分にできることに集中するだけです。
この試合はとても大きな試合だとずっと言ってきました。その状況にとどまってしまうこともありますが、もうそれは過去のこととして切り替えないといけません。そこに留まることはできません。厳しいですが、まだプレーオフ進出の可能性を失っていません。これからは少しずつ良くなっていくと思いますし、自分たちはやるべきことを分かっています。だから前に進むだけです。
チームとしてまとまれるかどうかは正直まだわかりませんが、それでも最終的にはチームとして形になっていくと信じています。
――ゲームプランの変化についてどう感じていますか?
最近は若い選手を多く起用しています。プレースタイルについても、少し変化があります。チームとして新しく取り入れている部分です。
――中盤でボールを持ちすぎない戦い方についてどう考えていますか?
特に中盤のエリアでは、ボールを持ち続けすぎると問題が出てきます。ハーフウェイ付近で3〜4フェーズ続けると、ペナルティーを与えてしまうことが多くなります。そのため、状況に応じてボールを手放す判断や、ゲームをコントロールすることが重要になります。

チーム内での関係性やコミュニケーションも大切です。選手同士でしっかり話し合いながら、プレーを組み立てていく必要があります。いろいろな課題もありますが、少しずつ元の状態に戻していけると思っています。
――ハンドリングエラーが多いことについてはどう評価していますか?
チームとしての細かいハンドリングエラーもいくつか見られます。最近はランダムなミスもありますが、その一方で改善できている部分もあります。どこか一つが悪いというよりは、全体として少しずつ良くしていく必要があります。
――チームの改善点についてはどのように見ていますか?
今日はセットプレーも良くなっていましたし、全体的に成長していると感じています。すべての面でさらに良くなっていきたいと思っています。
――プレッシャーの中でのプレーについてどう感じていますか?
個人的には、逆境やプレッシャーの中でプレーすること、そのプロセスが好きです。そういう状況の中で自分を高めていくことにやりがいを感じています。
――現在のチーム内での自分の役割についてどう考えていますか?
チームに対しては、もう言うべきことはすべて伝えたと思っています。今は、自分がどれだけプレーで示し、チームを引っ張れるかに集中しています。
――後半37分、PGの判断についてどう思いますか?
結果としては、3点を選んだのは正しい判断だったと思います。残り時間を考えれば、どのチームでも試合を締めにいく場面だったと思いますし、自分たちもそれを信じて選択しましました。
――フリゼルやナイカブラ、トンプソンという選手が戻ってくると状況も変わるでしょうか。
シャノンやジョネ、ロブといった選手たちが戻ってくることで、チームにエネルギーを与えてくれると思います。彼らが入ることで、チーム全体に勢いが生まれるはずです。
――次のスピアーズ戦に向けてどのように準備していますか?
非常にタフな相手です。どんなチームかも分かっていますし、しっかり準備して臨まなければいけません。
――最近のリーグ全体のレベルについてどう感じていますか?
ここ数年でどのチームが成長しているかについては、特定のチームを挙げるのは難しいですが、下位にいたチームも含めて全体的にレベルが上がっています。特に下位5位、6位あたりのチームも競争力があり、どのチームが勝ってもおかしくない状況になっています。
実際に、昨日、横浜が神戸に勝った試合のように、どの試合も予測が難しくなっています。このリーグは非常に競争が激しく、ファンにとっても魅力的なものになっていると思います。
自分が日本に来た当初は、ここまでチーム同士の差が小さいとは感じませんでしたが、今はどのチームも力をつけていて、リーグ全体のレベルが上がっていると感じています。
――NZのクルセイダーズのチームメイトだったアルゼンチン代表のパブロ・マテーラとの対戦についてどう思いますか?
ラグビーを通じて出会った数少ない大切な存在の一人で、そこから本当に親しい友人になりました。自分自身も同じように、この競技を通して多くの人とつながってきました。
ラグビーは、競技の中だけでなく、その外でも人との関係を築いてくれるものです。プレーを離れた後も、そのつながりは続いていきますし、自分にとって大切な価値観や基盤の一部になっています。
斉藤健仁スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当する。リーグワン、日本代表を中心に取材。 プロフィールページへ |

斉藤健仁