20日、プレーオフ準決勝に挑んだ東芝ブレイブルーパス東京、キックオフ直前のウォーミングアップでトラブルが発生した。メンバー入りをしていたCTBセタ・タマニバルが右太ももにテーピングを巻きはじめ、トッド・ブラックアダーHC始めスタッフ陣が集まりバックアップメンバーだった眞野泰地を呼んだ。
午前中、眞野はじめ「Kナイン」の選手たちは試合と同じくらいの強度の負荷で体を追い込んでいた。トッドから眞野にリザーブメンバー入りを急遽告げられた。内心「ホンマか?」と思った眞野だったが、いつでも出場できる準備をしてきたので気持ちを切り替えられたという。
試合が始まり前半24分、今度はCTBニコラス・マクカランが膝を痛めプレー続行が難しくなってしまう。背番号25をつけた眞野がピッチに入った。体はタイトな状況だが、しっかりその役目を果たした。後半1点差とされた場面で、眞野が仕掛けた。左右に相手ディフェンダーを揺さぶり、スペースを抜けてチャンスをつくると、シャノン・フリゼルのトライまでつながりチームに貴重な追加点を与えた。
試合は28-20で勝利。眞野のパフォーマンスについて、トッド・ブラックアダーHCは「眞野は今日Kナインとして試合と同じくらいの強度高い練習を下中だったが、素晴らしいパフォーマンスをしてくれた。滞りなく、完璧なパフォーマンスだった。彼は今日の朝練習して、2試合分やってくれたね」と評価。ブレイブルーパスのチーム力の高さを証明した。
試合後、眞野に出場が決まったところの心境、そして試合での心境を聞いた。
東海大学の先輩、「マイケルさんを喜ばせたい」僕らの仕事はそれだと思います
――ウォームアップの時にブラッカダーHCに呼ばれてまずはどう言われましたか?
セタがもう無理だからベンチ入るよと言われ、「ホンマ?」となりました。何回か訊き直しましたけど(笑)。結局セタはテーピングしていたので厳しそうだったのでそこから気持ちを切り替えましたね。
――戦術面のところは?
メンバー外は相手側のムーブをするので、もう1回確認して、試合中もベンチで確認して試合に入りました。最初の10分で結構相手にモメンタム取られていたのと流れが悪かったんで、絶対変えるというふうに、東芝はシンプルなところでしっかりやりきればめちゃくちゃ強いチームなんで、ディフェンスのコンタクトであったりハードワークすることだけは意識していました。
――ブラッカダーHCは「タイチは2試合分今日はやったね」と言われていました
メンバーに入っていなかったので、午前中は次に備えてめちゃくちゃトレーニングしていたので、体はタイトな状況でした。結構追い込んでました。ゲームと同じくらいの負荷をかけてました。それをやってからでもいけるぞというのをチームにちょっと悪い影響でたかもしれないですね(笑)。
――最近東芝が負けないのは
もうチーム力じゃないですかね。今日わかったのは、セタに頼るとかじゃなくて、そんなんじゃない。実際にリッチーがおらん時でも(中尾)隼太さんが入っても勝てたし、やっぱ本当にチーム力とかディフェンスがすごく良くなってます。チーム力ってディフェンスに一番表れると思う。そこの結束力が上がっているのが強さの要因じゃないかなと思います。
――日本一まであと1勝となりました
優勝したいっすね。優勝して(リーチ)マイケルさんを喜ばせたいと僕らの仕事はそれだと思います。やっぱり東海大学(の先輩)というのもあるし、これまで優勝できていない、あの人が優勝するところが見たいというのはみんな持っていると思います。だからこそやっぱすごくチーム力も上がるし、そういう思いがみんなにあるんじゃないかなと。
優勝したらどんな顔をするのかな、泣くのかな(笑)。相手も強いんでチーム力で戦います。(勝つためには)自分たちのラグビーをしっかりするところじゃないですかね。めっちゃ崩れないチームなんで。それに対して自分たちが崩れてしまうと自滅するし、自分たちのラグビーにフォーカスすれば全然チャンスはあると思います。