5日、秩父宮ラグビー場では関東大学対抗戦A、帝京大学と早稲田大学の一戦が行われ、36-21で帝京が接戦を制し5連勝。次戦、明治との「全勝対決」に挑む。敗れた早稲田は、後半途中3点差まで詰めるも後半残り10分で引き離され3シーズンぶりの勝利とはならなかった。
2023/11/06
文●編集部
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入場を待つ江良楓と伊藤大祐

校歌斉唱・江良楓

伊藤大祐主将

NO8松沼寛治

左から、CTB野中健吾、WTB矢崎由高

HO佐藤健次

0-14とリードされていた早稲田は前半終了間際、FB伊藤大祐主将が自ら蹴ったボールをキャッチし前進。

最後はNO8松沼がゴール中央にトライを決め7-14で前半を折り返した。

45分、帝京WTB高本とむがトライ

井上陽公のゴールも決まり21-7と帝京がリードを広げる

53分早稲田は敵陣深くのラインアウトからモールを押し込みHO佐藤健次がトライを決め14-21と追い上げる

58分敵陣ゴール前でPKを獲得した帝京・江良主将はPGを選択。井上が確実に決め24-14と10点差に

HO佐藤健次のパスを受けたLO村田陣悟が左隅にトライ

残り10分で早稲田が3点差に縮めた

74分帝京FL奥井章仁のトライで突き放す

81分WTB高本とむのダメ押しトライ

MIPの早稲田・FL安垣直

POMはU20日本代表でキャプテンを務めた帝京CTB大町佳生
帝京 相馬朋和監督
早稲田大さんのプレッシャーで、こういったゲームをすることができました。そんな中でも、最後、勝利することができて大変うれしく思いますし、そんな中でも、キャプテンはじめ学生たちは、仲間たちとコミュニケーションを取りながら80分間戦い抜いたということにすごく満足しております。
――ミスが多かったが
ミスっていうのは起こるべくしてしか起こらないものですので、そういう意味で我々のプレーの精度というものが、この試合においては十分ではないシーンが多々出たなというふうに感じています。詳細に関しては、映像見直して一つ一つ明らかにしながら次の試合に向けて準備していきたいなと思います。
帝京 HO江良楓主将
本当に厳しい試合で、しっかり勝ち切れたということは大きなことだと思います。その中で僕たちの課題だったり、修正点っていうのがすごく見つかった試合で、この対抗戦の終盤でこういうゲームが出来た。この試合をしっかり持ち帰って来て来週の試合に向けてもう一度加速していけたらと思います。
――ミスが多かったシーンを振り返って
本当にコントロールできていなかったというところ、こういうところを見つめ直していきたいと思います。そのなかで一人ひとり考えてゲームを運んでいくっていうのはすごく大切なことだなと思います。どうなったらどうするというのをやっぱり考えてできることをひとつひとつを増やしていきたいなっていうのは思いました。
――後半、7点差で後半PG狙った場面はご自分で判断されたものか。
3点入れてもう1回戦い続ければ大丈夫だと思いましたけど、早稲田さんのアタックに関して、僕たちはディフェンスできるっていう自信はあったので、まずこのスコアをしっかり取って敵陣に運んでそこからアタックいけたらなというのを考えていたので、あとはこうまずスコアするべきだったと思った。
――やっぱり7点差より10点差のほうがよいというところも
ここまでトライ取りきれないっていう場面を想像すると、まずスコアして、全員の心に余裕をもたすっていうのは僕たち僕の役目かなと思ったんで、みんなトライ、トライっていう、タッチ、タッチという顔してたんですけど、全員ここで心に余裕を持って、もう1回あそこで早稲田に来られたんですけど、ここでもやっぱスコアで僕たちは勝ってるっていうのを心の余裕になるということを想像した。
――結果最後残り10分ぐらいでまた2トライ。チームメイトにどういうコミュニケーションしていたか
こういうゲームで何をするかっていうのは本当にエフォートし続ける、体を張り続ける、走り続けるだったり、根本的な基本のところに戻るのが1番だと思っていたので、またその部分をしっかり全員に考えをもたして、本当にこう走り続ければ、ディフェンスし続ければ、自ずと見えてくると思ったので、そこを簡潔に、短くみんなに伝わるように(話していた)。
――ディフェンスから青木選手のキックでトライが取れたっていうのは大きかった。
そうですね。その前にも、ディフェンスで抜かれていますけど。そこでもこうやっぱ全員が戻っているからああいうプレイできましたし、キック蹴ってチェイスしているからこそトライになりますし、そこはこう全員が考えればその中に抜かれた後でもその考えだったのかなというのはあります。

江良楓
――そういう意味でもこういう厳しいゲームをできてこう勝ち切れたっていうんですけど、まずこの厳しいゲームになったっていうのはキャプテンの中ではどう捉えている?
僕たちの詰めが甘いというところが出た試合だと思います。この試合の目的として、このゲーム内容が目的にあったわけじゃないですが、こういうゲームをしてしまった以上、次どうするかっていうのを考える。僕たちがここで止まらず進化していけるように進んでいきたい。
――想定外でうまくいかなかったところっていうのはどこですか?
こう繋がりをもたずに、僕もそうですけど、オフロードして、相手にボール渡してしまったっていうのは、全員が同じ画を見ることが次の明治戦で一番大事だと思います
――先日、報告会でワールドカップに出場した日本代表の先輩が大学に来ました。
そうですね。本当に堀江さんだったり、坂手さんがおっしゃれたんですけど、世界で戦う上で、一番大事になってくるのは個人のところのフィジカルだったりするので、まず追いついていかないといけないっていうのは世界で戦う上で必ず大事なことだし、常に身体をつくって世界で戦える体を作るのが道のりだと思うので、まず自分のスキルだったり、成長させるっていうことが1番考えていかないなといけないなと思います
――将来のことを踏まえて今、帝京大でやっていることは?
本当に日本一目指して、戦い続けるっていうのはもちろんなんですけど、帝京大学は日本一だけではなくてこの先をしっかり見すえて戦っているので、1位だけじゃなくてチャンピオンベルトを巻いて、周りから認められる存在になるっていうのは僕たちの目指しているところです。日本一っていうタイトルを取ることを目標にしているが、まだその上を目指して1人1人が考えることを続けて、ラグビー選手としても人としても成長できるチームになっていきたいなと思っています。
早稲田 大田尾竜彦監督
テンションのいい準備をしました。まだまだやれることがいっぱいあると思います。想定内だったこともあるし、ちょっと違ったなってこともあるし、収穫のあるゲームだったなと思うんですけど、やっぱりこの壁を越えないといけないなっていうところまでいきましたがその壁が(越えられなかった)。現実があった。勝ちたかったかな。しょうがない。
――アタックでは手応えあったと思うんですが、どのような指示をしたり、テーマを設定したりしたか
今日は「策に溺れない」っていうことをすごく意識しました。いろんなものを準備しましたけど、あくまでも今年、1年間、(そして)去年からも自分たちが積み上げてきたものを大事にしよう。その結果として、選手たちがいろんな形を作ってくれたかな。
――大幅にポジションチェンジがあったが
(伊藤)大祐のポジションに関してはどうだっていうと、彼は1番いいところだと思います。やはりジュニア選手権を通して、調子を上げてきている選手らが自分の力あるポジションをとったことによって、チェックしてみようっていろんなところから結果として、自分たちの1番いいのが今こういうふうなのかな。
――想定内だったのはどんなところか
ボールを持って自分たちのアタックをやったりとか、まあコンビネーションとか深く考えるというか、やってきたことをしっかり出して、ある程度攻めればというふうな印象はありましたし、やはり今日の試合は、自陣22m、敵陣22mのスクラムのペナルティの数っていうのが、少し今年の調子だと出たのかな。
――コリジョンのところの感触は
帝京さんは、今日コリジョンのところはどっちかというと引いていたみたいで、間に入ったらボーリキャリーは前出ていったりしたし、自分たちがフォーカスしてきたところで言えば、接点のところで苦しむというのがなかった。相手のことはわからないですけど。特に我々がボール持った時に、やっぱりボールを殺されるタックルとか、あとはロータックル入られてみたいなことはちょっと僕の記憶ではあんまりなかったかな。
FB伊藤大祐主将
やっぱり勝つか負けるかで、負けて悔しい気持ちがすごくつよくて。1週間それなりにいい準備をしたんですけど。まだまだ僕自身もそうですし、みんながチームとしても100%でできているわけじゃない。そこを自問自答しながら、そして、仲間でも、厳しい指摘をしながらもっともっと高められるし、もう1回選手権でやれるように頑張りたいと思います。
――かなりアタックでは手応えあったと思うんですが
いやそんなに深く考えてはないですけど、まあそれなりに注力してやることはあったんですけど、本当に1対1の部分だったり、ラグビーに絶対的に必要なところで負けないようにみんな意識したと思います。
――前半からちょっと狙えるかなというところを狙わなかったが
今日は全て僕がペナルティのディシジョンがあったので、まあとにかくモールには自信があったので、そこをやってみたいっていう。3点で刻んでいくというのもあると思うんですけど、帝京のプレッシャーとかも考えてモールで(トライを)とることを考えました。
後半ラインアウトであんまり狙う場面がなかった。結果、モールで1回取れて、それはチームにはすごい大きいことだと思いました。
――前半からあのでかいFWたちと体当てて消耗的にはあんまりなく
そうですね。今までは去年の大学選手権とか、春に比べると、今疲れて動けないとかっていうのはあんまりなかったんで。そこで粘れた。
――後半30分過ぎぐらいまで3点差まで締め寄ってそこから引き離されて、さらに追い越すためにあと自分たちに選手権までこう積み上げたいものっていうのはありますか
自分たちがボール持った時に失った数が多かったんで、単純に言えばあれですけど、それに対するスキルが大事だとか、あとはチームとして、どうだったかっていうのをしっかりと見つめ直してやればあんまりこわくない感じだとおもいます。
――昨季の大学選手権に比べたらスコア的にも非常に差が決まっていい勝負ができてるのかなというふうに思うんですけども、収穫はどこに?
試合が終わってあんまり整理がついてないです。帝京に対する思いというか、今日はやっぱり本気で勝ちに来たんで、選手権では本気で勝ちに行ってなかったわけじゃないですけど、チームとしてそういうのができていなかった。