40日間で大きな成長―早稲田が4年の積み重ねを礎に、最終学年で成し遂げた日本一 | ラグビージャパン365

40日間で大きな成長―早稲田が4年の積み重ねを礎に、最終学年で成し遂げた日本一

2020/01/12

文●編集部


11年ぶりに日本一となった早稲田大学。キャプテンの齋藤直人はじめ、1年生からレギュラーとして経験を積み、幾度となく悔しい思いを味わい、厳しい練習を乗り越えて勝ち取った頂点。試合後に相良南海夫監督、齊藤直人キャプテン、岸岡智樹選手が話したこととは。

アタックもディフェンスも「攻め続ける」ということを準決勝以降言い続けた― 早稲田大学・相良南海夫監督

――前半、アタックがうまくいった要因


明治を分析して、ああいうオプションを使おうとある程度絞って準備していたことが、中野が戻ってきたということが一番大きいのですが、中野を絡めたプレーが、今回はハマったということだと思います。メンタル的には準決勝あたりから言い続けてきたのですが、アタックもディフェンスも「攻め続ける」ということ。昨年くらいからディフェンスのチームということでフォーカスしてきました。このメンバーを見てきたときに、ディフェンスにフォーカスしながらも、アタックし続けることが相手に脅威をあたえ、自分たちのリズムをつくることになると思いました。とにかく準決勝以降は「攻め続けよう」と話をしていました。

――40日間で選手たちが一番変わったことは


早明戦で、ブレイクダウンにディフェンスで「受けてしまったこと」。何ができていなかったのか。選手権のノックダウン(負けたら終わり)方式の中で、フィジカルを伸ばすわけにもいかないですし、明治が当たり前にできていたことを我々ができていなかったということ。齊藤キャプテンが「勝ちポジ」と言いましたが、我々のような身体の小さいチームは、仕掛けなければいけないのに、仕掛ける準備もできていない。それでは当然「受け」てしまうよね。まずはそういうことからやってみようという話をして、練習中、常に意識をしながらやってきました。そういう意識の変化が、すべてに対して良い循環になったと思います。今日のようなディフェンスもアタックもできたと思います。

――監督としての思い


嬉しいです。本当に勝つか負けるか、相手あっての話ですし、今日はほんとうに選手たちには自分たちがやってきたことをやりきろうと言ってグラウンドに出しました。しっかりやりきった結果、獲得したものだと思います。監督として、今シーズン長らくできなかった年越しをして、これまでの悔しさを経験して、準決勝勝利してこの決勝の舞台にたつことができた。このステージに立てたことで僕自身の役割は果たせたと思います。

――荒ぶるを歌えたこと


それは最高でしたね。僕も卒業する時歌えなかったですから。本当に、感無量。いいものだなと思いました。

――こういう大舞台で息子さんがトライをとるのを見るのは?


いいプレーヤーですね。アタックだけでなく、ボールキャリーも多かったですし、ディフェンスもとても良くやっていたと思います。選手として、いい選手だなと思いましたし、こういう舞台でトライを取るのも大したものだなとおもいました。

終わった瞬間は「安心した」―早稲田大学・齊藤直人キャプテン

――早明戦では敗れましたが、どんな部分がよかったのか。


試合を終えて、ディフェンスの部分が一番、40日前の「早明戦」に比べると成長したと思います。特に1対1のタックルの部分。あそこで早明戦ではテンポを上げられてゲインされて失点されてしまった。タックルの練習を増やすというよりは、タックルに入る前の姿勢―自分たちは「勝ちポジ」と呼んでいるのですが、ディフェンスのみだけでなく、アタックも、練習のはじめから終わりまで、意識しようと早明戦以降からやってきました。その意識付けが今日の試合は80分とは言えないですが、前半の40分はできたと思います。

――今決勝を終えて


終わった瞬間は「安心しました」。早明戦以降、負けたら終わりの戦いでした。早明戦もああいった負け方で、どうにかしてチームを変えなければというプレッシャーをチーム全体で感じていました。そのプレッシャーをはねのけて、チーム全員が努力してきた40日間だったと思います。昨日の試合前日練習から、今日の試合前の円陣まで。これまで多くの支えてくれた方や、試合に出れない部員のこれまでの努力を、23人が肯定できたことは良かったです。

――前半、簡単にトライを取れているように見えました。どのような準備をしてきた?


前回の早明戦では、かなりポゼッションを意識し過ぎていた。前回ポゼッションを意識したエリアであってもスペースがあればボールを運ぼうと話をしていましたが、それがうまくいった。

――中野選手について


特別、中野を使うようなサインを準備してきたわけではないですが、マークされている中でもしっかりゲインしてくれていたしあたっていた。その部分は後半、相手との駆け引きに使えるなと思っていました。前半、中野を交えずにトライをとれたのがよかった。

 

「早稲田クウォリティー」という言葉を使ってスタンダートの高さを求め続けた―早稲田・岸岡智樹

4年間積み上げてきたものをこの決勝という舞台で出すことができて本当に嬉しく思います。12月1日の早明戦で完敗を喫してからこの決勝で明治大学にリベンジするんだ、ということを考えてこの40日間取り組んできました。すべての部分で甘くすることなく、細かいことも含め「早稲田クウォリティー」という言葉を使って、スタンダードの高さを求め続けてきました。

この試合、前半大量得点をとって折り返すことができました。僕らの反省としては後半の入りが若干浮足立ってしまったということ。明治さんに連続トライを許してしまいました。結果として勝つことはできましたがまだまだ成長できる伸びしろがあったと思います。

前半は、僕らの入りがかなりよくて、ディフェンスでは前に出てプレッシャーをかけることができましたし、アタックではボールをもった選手が1㎝でも2㎝でも前に出るということができ、得点につながったと思います。

(日本一を果たしたことは?)感無量でした。スタンドを見れば、客席がエンジに染まっていましたし、多くの歓声をいただきながら試合ができたことは本当に光栄に思います。

「荒ぶる」を歌うのは大学に入ってからも初めてですし、自分の小さなころにみた覚えがあるくらい。早稲田の歴史を変えたというか、自分がそれを歌うことができ本当にうれしかった。

――「勝ちポジ」という言葉をチーム共通のテーマとしてもっていたということですが、どんな影響を与えた?

おそらく知っている方もラグビー界にはいらっしゃると思うのですが、本当に戦う姿勢の始まりというか。その姿勢をとらないと戦いが始まらない。それを作って少しでも相手にプレッシャーを与えるんだということでチームに浸透させていきました。


――チームの雰囲気はかわった?

結果として見えるものがありました。前半の得点はまさにその結果で、自分たちから仕掛けるということがよくできていたと思います。

――前半ドロップゴールを2回狙いましたがそれはプラン通り?


ゲームプラン通りではないですが、時間、点差、や風などを考えました。前半、相手がキックをしてインゴールを割ってしまったので、ロングキックは蹴りにくいだろうと思っていました。入れば、3点。正直入る感じはしませんでしたが、最悪インゴールを割ってもドロップアウトなので、僕のところに蹴ってくれば、何回でもやろうかなと思っていました。

――4年間、一緒にプレーをしてきた齋藤選手について


本当に1年生の時からコンビを組んで、本当に彼のレベルの高さに驚くこともありました。ハーフ団として、4年生のこの舞台で、優勝することができて直人に恩返しができました。

ウェイトするときもずっとパートナーで、本当に言葉を交わさなくても意思疎通できる。そういうハーフ団だからこそこういう環境の中でもコミュニケーションをとることができた。キャプテンとしても素晴らしいですし、一人のラガーマンとしても本当に尊敬する選手です。

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