「思い出のニュージーランド・聖地イーデンパークで勝ちたい」鈴木実沙紀がサクラフィフティーンの現在地を語る | ラグビージャパン365

「思い出のニュージーランド・聖地イーデンパークで勝ちたい」鈴木実沙紀がサクラフィフティーンの現在地を語る

2020/10/27

文●編集部


24日まで菅平合宿を行っていたサクラフィフティーン。22日、オンライン取材に応じた鈴木実沙紀(東京山九フェニックス)が来年9月にニュージーランド(NZ)で開催されるワールドカップへの思いを話した。サクラフィフティーンは、レズリー・マッケンジーHCを迎えて、昨年のヨーロッパ遠征ではイタリア代表(世界ランク6位)と引き分け、スコットランド代表(世界ランク11位)に勝利。格上相手に進化したパフォーマンスを見せていた。新型コロナウィルス感染拡大防止のためワールドカップアジア予選の日程がまだ決定していないが、サクラフィフティーンのメンバーは今どう進化しているのだろうか。


――今回の合宿について。前回と異なる部分は?


今回の合宿はまずディフェンスで新しいシステムにチャレンジしているところです。またアタックでこれまでやっていたところ少しブラッシュアップしてバックスとフォワードのリンクのところをターゲットにして取り組んでいます。前回は半年ぶりの合宿だったので、強度のところは様子を見ながらというところでしたが今回はコンタクト強度も上がっているので強度の高い状況でどれだけ精度を高くやることができるか、そういう部分を全体的にチャレンジしています。


――今のジャパンの状況は通常の試合に臨めるくらいコンディションが戻ってきていますか


前回の合宿までは各クラブチームどれだけ練習ができているか、どれだけコンタクト強度が上がっているかというものがそれぞれ違っていました。それに比べると今回は各クラブチームも練習が再開されはじめ、まだ15人対15人のゲーム形式での練習は行なっていないんですけれども、コンタクト強度はドリルの中でゲームと同じぐらいの強度にあがってきています。これからコンビネーションなどをどんどん精度を高めて15人対15人のゲーム形式の練習につなげていけたらと思っています。各メンバーはゲームと同じ強度のドリルをやっているので先月に比べると体のコンディションはどんどん上がってきていると思います


ーー昨年のヨーロッパ遠征でいいパフォーマンスでしたし、早くゲームがしたいという気持ちはありませんか


ポジティブな意味で早くゲームがしたいという風に思っています。すごく雰囲気としてはいい状態だと思います。また昨年のヨーロッパ遠征の中で確かにパフォーマンスが良く良いニュースを届けることができたと思いますが、内容をブレイクアウトしてみると私たちができることはもっともっと多くあると思いますし、もっともっと磨かなければならないところ、修正しなければならないところがあると思います。そこを今フォーカスして前回からさらにレベルアップするための取り組みをしています。


――その取り組みとは、例えばレズリー(HC)がアップしたディフェンスの動画の部分だったり?


そうですね。あとは誰一人レイジーな動きが出来ないシステムになってきているのでそういう部分でのマインドチェンジと言うか、さらに高い意識でプレーをしていくいいチャレンジができていると思います。


――練習の最終日はハードなものが待っていたりするのでしょうか。


これまでもそうですが、練習の最終日はがっつりしっかり体を当てて終わるというのがサクラフィフティーンのキャンプの締め方なので、私たち選手はスケジュールというものは分かっていないですけれども、そのくらいの強度に挑めるくらいの気持ちで今日の午後、それから最終日に挑もうと思います。

――コロナの期間中どれぐらいのトレーニングをすることができましたか


私自身、自粛期間ではチーム活動もできていませんでしたし、ジムに行くということもできなかったので、家でできるトレーニングだったり人がいない時間帯に走るということぐらいしか出来ませんでした。その中でこれまで自分が怠っていたすごくベーシックな体の使い方だったり、体のケアの仕方、あとは1日の時間の使い方、など自分だけのための時間として24時間考えることができました。今につながる過ごし方ができたと思っています

代表のSCだったりチームのSCとコミュニケーション取りながら自分の一番足りないところを伸ばすための土台を作るためのスキルだったり体のつくりだったり。私自身そこまで大きな怪我はなかったですけれども、負傷が全くないわけではないので、自粛期間でリハビリだったり体のケアの仕方を多く学びました。

あとは、食事ですね。体を大きくしなければならないので三食しっかり自分で作れる、というのは(これまで)あまりなかったので自粛期間が2ヶ月、3ヶ月…と続いた中でこういう食事をすると体重が維持できるんだ、あるいは減ってしまうんだというところを自分の中で知ることができたので有意義と言ってはなんですが、今につながるとても良い期間だったなと思います。


甘いものが好きなんですがあまり体重を増やしたくないのでオートミールを使ったりしてあまりジャンキーなものを使わないようにパウンドケーキなどをつくりました。捕食も考えることができました。体重も増えてきたのですごくいい感じです。


――ワールドカップのバンド分けが発表されました。レズリーからミーティングでワールドカップについて何か話があったりしましたか?


ワールドカップというところもあるんですけれども、アジアで勝利する、圧勝する、というころを目標にしていますし、それはまた、ワールドカップに向けての通過点だと思っています。勝利したとしても、どういう勝ち方だったかという部分にもこだわりたいですし、こういうラグビーをしたい、ということは(ワールドカップのバンド分けがどうであっても)変わらないので、他のチームのことよりもまず課題として上がっている部分、レベルアップするための細い意識とスキルのところを全員で映像見ながら厳しい意見を交換しあっています。



――ワールドカップ予選が今年はないことが発表されました。その後まだいつやるかも分かっていない難しい状況の中でどういった気持ちで練習に取り組んでいますか


合宿がはじまった2月から3月あたりは、すごく不安な気持ちが多かったです。各々その期間を乗り越えて現在に至るので、アジア予選の日程は決まっていないですが、私たちのやるべきことは変わらないと思っています。

この先のことがわからない不安というものがゼロではないですが、予選がいつ開催されるか分からないということは、まだ自分達のパフォーマンスを上げるために準備する時間があるという風にみんなポジティブに考えています。




――最近は、ラグビースクールに行くと女の子も多くプレーしている姿を目にします。


私も自分が学生の頃は、女子選手が競技を続けていく難しさを感じてました。例えば、高校に上がる時にチームがなかったりだとか。そういうのをすごく感じていました。

今ラグビースクールに顔出してもすごく女子の人数も多いですし、みんな日本代表になりたいです、とかラグビーを続けていくというモチベーションがすごく高いスクールの子だったり高校生が多いです。

そういう子たちの目標になる日本代表でありたいなと思います。女子選手が増えてきたことは嬉しいと同時に彼女たちが夢を抱くことができる日本代表でありたい。まずは勝利する事を皆さんに見せることができるよう、今はハードにトレーニングをしてます。


――もう若手という選手ではなくなりましたが、チームに対してどういう声がけとかしているんでしょうか。


18歳で代表に入った頃は、何もわからずに先輩達がとても暖かく助けてくれて。あの頃活動できていたというのがすごく大きいです。
今は新しい選手だったり、いろいろな年齢層の選手がいますが、若い選手とのつなぎ役になることを心がけています。何がわからないのかわからないという子達も、実際、初めて合宿に参加する子たちの中では少なくない。

フィールド外で声をかけたり、今日の練習どうだった、とか話しかけることでその子の考えていることとか知ることができるので、ケアではないですけれども、私が18歳の時に支えてもらったことのように今は私がチームを支えたいと思っています。


――それは、レズリーHCにお願いされたとか。


レズリーHCに何かをいわれたというわけではないですが、性格的に私に対して、フランクに接してくれる子も多くて、私の役割はここかなと感じています。


――ワールドカップはNZで行われますね。


私自身(NZ)留学をしたこともあって、NZにお世話になった選手にも、日本でお世話になった選手にも自分が成長した姿を見せることができる大きな舞台だと思っています。そういう私の姿と4年前のサクラフィフティーンから成長したチームを私の中で思い出のある地で見ていただきたい。


――NZのどこに留学しましたか?


オークランドです。イーデンパークで州代表として試合をした時は観客がフルではなかったんですけれども、あのフィールドの感覚というのは忘れられないものでした。もう1度、今度は、サクラフィフティーンとしてあのフィールドに立って次は満員のお客さんの前で試合をしたい。そしてそこで勝ちたいというのが大きな目標です。

――レズリーHCの存在。チームは変わりましたか?


ものすごく変わりました。日本人のいいところとしては、「言われたことを全うする」というところだと思いますが、レズリーコーチになってから、「自分たちの意思で動く」「考えるという癖がついた」と思います。

フィールドの内外でも、何でこれをやるのか、なぜあなたはこれをしたのか、というように各シチュエーション毎に質問もあります。ラグビーのハードなシチュエーションの中でもまず自分が何をしなければならないか、ただ動くだけではない、ハードワークするだけではない。自分の行動に意図を持つことを私たちはこの期間にすごく学んできました。

段々そういったことがヨーロッパ遠征を経てさらに高まったと思います。それが私達の中ですごく大きな変化になったと思います。

 

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