南アフリカを相手に歴史的勝利を果たした日本代表。SO小野晃征のゲームマネジメントは冴えていた。ニュージランドで育ち、19歳で代表に招集され、20歳で初キャップ。前回大会は代表招集されず、燻っていた才能は2012年サントリーへ移籍し当時ヘッドコーチだった、エディー・ジョーンズの元で開花した。「エディー・ジャパン」の戦術を理解しゲームマネジメント託された男が、世界を驚かせた80分を振り返る。
「リーチが後半の最後、セーフなオプションではなくてトライということでみんながまとまった」
――立川理道選手を上手く走らせた場面が多かったですね。
小野 SOランビーをターゲットにして上手くゲインラインきれていたのでそれを続けました。後半はその裏のプレー使いました。練習では7割くらい決まっていたサインが完璧に決まりましたね。
――試合が終わった瞬間の気持ちはどうでしたか
小野 言葉では言い表せられないですが、”ビード・ザ・ボクス”とか、いろいろなトレーニングドリルとかやってきましたし。過酷な訓練とかやってきて。本当にそれがどの瞬間につながるかわからなかったんですけど。リーチが最後、セーフなオプションではなくてトライということでみんながまとまりました。誰もポストの方を指差してしていなかったし。それが積み重ねてきた4年間の結果かなと思います。
勝った瞬間は4年間やってきたことをやりきれたというか。スクラムから15対15のアタック・ディフェンスだったので。やってきたことを信じ切れて80分やりきれた結果かなと思います。カーン(・ヘスケス)も残り30秒で入ってきてトライを挙げるという。選手・スタッフそしてサポートしてくれた人たちの力だと思います。
――ボール・イン・プレーも試合のはじめから長くできていましたね
小野 そうですねテンポのコントロールは、うちが7、8割していたと思います。ペナルティーで何回か相手のモールのペースになったときもありましたが、それ以外はできていました。(タックルを)やられても立ち上がる、リアクションのスピードは速かったですね。勝ちたい気持ちというか、スプリングボクスとか関係なく。ワールドカップという責任感も感じたと思いますし、エディーが言うように80%、90%、そして今日100%までメンタルもフィジカルももってこられたと思います。
――80分間を通して、フィットネスで上回っていたことは実感しましたか
小野 それは、選手のアクションにあらわれていたと思います。アタックもディフェンスもあきらめず立って、15人ディフェンス、15人アタックができました。
――2007年フランス大会は出場していました。その時と比べて今回はどうですか。