24日(日本時間、25日)ラグビー日本代表は、今シーズンの最終戦とイングランド代表戦を敵地トゥイッケナムで行った。ウルグアイ代表には勝利したものの、フランス戦と同様にセットプレー、ディフェンスが崩壊。14-59で大敗し、第2期エディージャパンの初年度は4勝7敗で終えた。けが人やキャップ数の少ない選手を中心に構成した戦いに、なにか収穫はあったのか、エディー・ジョーンズHCは「何かが良くなったこともなければ悪くなったこともなかった」と試合後の会見でこのシーズンを振り返った。
指揮官としてのこの発言は議論の余地があるだろう。2027年を見据えた育成、未来への投資、という観点で必要な戦いとはいえ、負けてよいテストマッチはないはずだ。招集間もない選手をテストマッチに出場させる方針は果たして強化につながっているのだろうか。そして50点以上の失点を繰り返したディフェンス面はどう改善していくのか。今シーズンの結果を踏まえたレビューに注目したい。
実際に戦っている選手たちはどう感じているのか。イングランド戦後にCTB梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)はチームの現状をリアルに打ち明けた。
梶村祐介
――今日の試合を振り返って
今日のゲームは、今までと違って、結構、早い段階でボールを手放すゲームプランだったので、いつもの試合よりキックの数が増えた。だからこそ、自分たちがボールを手放したときや、ターンオーバーボールをスコアに結び付けられたりした。若い選手がいる中で、単発のフィジカルはあるが我慢強さがまだない。
今日のようなフィジカルゲームの中での『我慢強さ』が欠けている。フィジカリティーあるチームに、フィジカルでプレッシャーを受けてボールを失うことが、このチームの現状の課題かな。フィジカルで戦えないと試合ができない。
――50点以上の失点が続いている、ディフェンスに関して
ディフェンスも正直、どこでボールとるかというプランがなくて、相手のエラー待ちになっている。ディフェンスのゴールが見えないことはやりながら正直感じている。
――ディフェンスに関するディスカッションはしているのか
自分たちで感じていることはいろいろコーチに話をしているが、(コーチから)降りてきたものしかできない。現状は降りてきたものでプレーしている。
――強い相手に対して序盤でプレッシャーを受ける試合が続いているが
今のジャパンは入りがいいチームだったはずが、ここ数試合は入りで流れを持っていかれている。特に細かいところは現状わからないが、やり続ける一貫性が欠けている部分かなと思います。
――敵地でのやりづらさはあった
あまり感じていなかったが、今日のゲームはお客さんの声の声量が大きくてラインアウトのコールがきこえなかった。そういうことを想定してオプションを用意しておくなど、現地でしか得られない経験でした。
――キックを裏に落とす意図はコーチ発信
相手のディフェンスはかなりラッシュアップしてくるので 裏のスペースを取りたいというのがコーチングスタッフの意図でした。(自分たちからハイパントなどの)コンテストキックを蹴らないというプランだった。(相手のディフェンスラインの)裏のスペースを狙った。予定していたほど上手くできなかったし、平面のスペースがアウトサイドにあるなと思っていたので、(前半の)トライはスペースを共有してのトライだった。もっと早いうちに(情報を)共有できれば良かったなと思います
――練習の時間の割合は
どっちの方がアタックの方が多い。アタックが『7』でディフェンスが『3』くらい。強豪との戦いで 50点以上失点している試合が多くて、ディフェンスに早く手をつけないといけないと思うが練習も含めてフィールドで反映されていなかった。春から(練習で)アタックの方が重きを置いてきた。
――エディーHCが試合後の会見で「何かが良くなったこともなければ悪くなったこともなかった」という発言をしたことに関して
正直、選手は降りてきたものをやるしかない。降りてきた情報の中で、やれることをやっていると思う。言葉選びは難しいが、お互いにもっと成長しないとここから伸びることはないと思います。
どっちかというと毎試合、プランの変更がなくて、試合で同じような展開で負けが続いていた感覚があった。もっと修正してゲームに臨めたのかなと思います