エディージャパン、秋の7連戦の2試合目、オーストラリア代表とのテストマッチに向け準備をしているラグビー日本代表が20日、オンライン会見を行った。FL下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)とSOサム・グリーン(静岡ブルーレヴズ)が取材に応じ、チームの現状やワラビーズ戦に向けた意気込みを語った。
FL下川甲嗣 「少ないチャンスでしっかりスコアを」
――JAPAN XVの試合は何かヒントになったことは?
ヒントになるものは相手のこともありますが、オーストラリアのテストマッチを見ていて、オフロードパスや、一人でタックルに行くとつなごうとする傾向があります。一人目がしっかり倒しきるのもそうですが、二人目が早く入ってボールを殺す。相手のやりたいアタックを止めて、セットする時間ができて自分たちがやりたいディフェンスができればいい。
オーストラリアAとワラビーズはまったく違うチームとは思っていませんでした。オーストラリアのチームとして、宮崎に残ったメンバーとして見ていて、ボールを動かしてくるのはあるし、アンストラクチャーからのアタックは得意としているかなという印象がありました。そういうところをイメージして練習でやっているという感じです。

下川甲嗣
――ワラビーズ戦から始まる秋の5連戦において、PNCから成長させたいことは?
ワラビーズ戦もそうですが、チャンスはたくさんあるものではありません。作り出したいが相手のプレッシャーもあり、そんなにたくさんチャンスはないと思うので、チャンスでしっかりスコアしたい。22m内に入ってスコアすることを作り上げたい。あとは中盤の時間帯のディフェンスの一貫性、スコアでプレッシャーをかけることだと感じています。準備は積み上げてきていると思います。まずは今週末、PNCが終わってからFWとBKに分かれて合宿し、(全員で)集まってという期間があったので、準備したことをしっかり出したい。
――ワラビーズ戦に向けて
個人的にはすごく楽しみですし、チームとして絶対勝ちたい、勝たなければいけない試合だと思いますし、個人としてもワラビーズ戦は初めてなので楽しみです。
――どうやってトライを取り切りたい?
ペナルティーをもらってラインアウトからか、ラインブレイクからか、どういう形で22m内に入るかわかりませんが、22mに入ってからの戦い方は、自分たちの形としてはあるので、遂行力や連携のところ(が大事)。あとは(相手は)トライラインの上ではグラウンディングさせないプレーがあるので、ブレイクダウンのところは質が求められると思います。

――タフな5連戦が待っています。
僕の中の感覚では目の前の1試合、2試合という感覚でいます。その中で、ポジティブな部分と修正していかなければいけない部分が出てくると思うので、毎週、明確にして、1週ごとに同じ課題を生まないように個人的にはやっていきたい。まずは目の前の試合をやりきって次につなげるというイメージです。
――5連戦ということで、いつもと何か違うところはあるのか?
そこまで違うところはありません。今もミーティングはオーストラリアに全員にベクトルを向けて、という感じです。目の前の1試合という雰囲気があると思います。
チームとしてオーストラリアに勝ちに行くと全員で思っています。戦術的には明日、あさっての練習がメインになると思うので、全員で突き詰めていきたい。

――ワールドカップまであと2年ですが、まだ2年なのか、2年しかないという感覚なのか?
去年、エディー・ジャパンができて、まだチームが完成したというより、作り上げている途中だと思います。自分たちが自信を持っている形が徐々にできてきているので、その部分は自信があります。課題もありますが、まだ時間があるという感覚です。本番は2027年で
最終的にはそこで結果を出すことが最大の目標です。ですが、今年は組み合わせ抽選もあるので秋のツアーは大事になりますし、秋のツアーは結果が求められます。自分たちとしても結果を出して自信をつけたい。だから1戦目は絶対、勝ちたいという思いがあります。
――選手としての強みは? また相手で警戒する選手は?
強みはワークレイトです。アタックでもディフェンスでもしつこくいって、ボールキャリーやタックルで前に出てアタックのテンポにつなげたい。ワラビーズで警戒する選手はFLマクライトです。ボールを持ったときは勢いがあるし、ジャッカルが得意なプレーなので
ペナルティーを与えると(相手に)勢いを与えてしまうので、警戒する選手だと感じています。
SO/FBサム・グリーン 母国との戦い「クーパー、カーターの2人が自分のロールモデル」

サム・グリーン
――今週、チームまたは個人としてフォーカスしていることは?
この週はとても大事な週になります。最初の試合ということで2週間準備してきたので、ちょっと変わってきます。準備したことを出したい。良い判断をしてハイテンポで臨んでいきたい。今週、ベストを尽くすことが大事。コネクトを取って遂行力を出していきたい。
――母国のオーストラリア代表戦です。
とにかくベストなパフォーマンスを出すことしかフォーカスしていません。
ウェールズ代表戦から特別なスコッドになってきましたが、先の試合でベストを尽くすことしか考えていません。

――オーストラリアA戦は、次のワラビーズ戦のヒントになったことはあったのか?
(ワラビーズは)アタックにおいてボールを運ぶのが上手です。モメンタムを生むのもチップキックも上手いです。今週の試合は先週と違ってくるので楽しみにしています。
――相手には知っている選手もいて、ワラビーズ戦は特別な気持ちはあるのでは?
(同じチームで)最後にプレーしたのはだいぶ前になりますが、知っている人、一緒に育ってきた人たちと対戦するのは特別かな。それと同時に接戦になると思うので、できるだけベストを尽くしていきたい。
――PNCから伸ばしたい、成長させたいエリアは?
ディフェンスはとても成長しました。特に幅を取るところはステップアップしました。アタックでもスペースにボールを運ぶのに成長できました。実行するには良い状況判断、15人でコミュニケーションを取ることが大事になってきます。試合でこの2つを発揮していきたい。

――国立で、日本を代表して戦う誇りは?
日本で(日本代表として)プレーするのは特別です。前回、ウェールズ代表戦でもファンの声援は最高でした。自分のクラブからもサポートをもらっているので素晴らしいです。
――日本の好きな文化、言葉があれば教えてください。
みんな優しくて礼儀正しいところが好きです。言葉は「サムライ」という言葉が好きです。
――声を出して積極的にチームを引っ張っているそうですが、エディーにもそう言われている?
若い頃からベストな10番、15番を見てきましたが、そういう人はコミュニケーションができています。コミュニケーションはずっと継続してやるのが大事。FW、BK関係なく、横とのつながりをとることが大事です。(影響を受けたのは)特にクエイド・クーパーとプレーできて恵まれました。彼はしっかりコミュニケーションをとっていました。ダン・カーターも神戸でプレーしていたときコミュニケーションが取れていたので、その2人がロールモデルです。