立川理道・スーパーラグビーへの挑戦 | ラグビージャパン365

立川理道・スーパーラグビーへの挑戦

2014/01/18

文●斉藤健仁


1月18日(土)、東京・秩父宮ラグビー場ではトップリーグセカンドステージBグループの最終節、リコーブラックラムズ対クボタスピアーズが行われた。試合は日本選手権出場を争うワイルドカードトーナメント進出のためには負けられないリコーが28-13で勝利した。試合後、前日、スーパーラグビーのブランビーズ挑戦が決まった日本代表でもあるクボタSO/CTB立川理道が報道陣の取材に応じた。

とりあえず自分の力を見てもらう

スーパーラグビーの強豪であるブランビーズとは2009年から提携関係にあり、毎年1年目の選手を留学させていたクボタ。立川理道も、その留学制度を使ってのブランビーズ挑戦だった。「とりあえず現地に行って、一緒に練習して、自分の力を見てもらって、トップチームなのかBチームなのか、アカデミー生なのかが決まると思います。行ってみないとわからない」(立川)

立川がスーパーラグビーを意識したのは、ハイランダーズのSH田中史朗、レベルズのHO堀江翔太(ともにパナソニックワイルドナイツ)という先人たちの影響によることが大きい。「(昨年6月の)ウェールズ戦、パシフィック・ネーションズ・カップのカナダ戦、アメリカ戦で(2人は)変わっていた。厳しさも知っていたし、ゲーム理解度も増していたし、言葉も重みもあった。プレーの幅も落ち着きもあった」と振り返った。

ブランビーズでプレー経験もある元オーストラリア代表NO8で、クボタのヘッドコーチであるトータイ・ケフは「ハル(立川)はとても良い選手で、日本で一番だと思います。サイズもあり、タフで強い。今回のブランビーズ挑戦は、彼にとってポテンシャルをアップさせる良い機会です。昨年、エディー(ジョーンズ日本代表HC)、ジェイク・ホワイト(昨年度のブランビーズHC)と話し合って決めました。たぶん、ブランビーズと契約して、(Aチームの)スコッドメンバーに入り、先発として活躍できるでしょう」と太鼓判を押す。

先人の2人もいう。堀江は「相談されたときに若いうちに早めに行った方がいいよ、とアドバイスしました。うまいこと会社と話し合って行けたのだと思います」と言えば、田中も「いろいろ相談されていましたが、決まったことは嬉しいことですね。僕たちと試合するまでにしっかり準備して、一緒に試合に出られれば良いですね」とエールを送った。

昨年度、すでに先にブランビーズ留学を経験したクボタで立川の同期であるLO新関世志輝は「僕らはAスコッドとは練習をできなかったので頑張ってほしいです!」。クボタだけでなくラグビースクールから同期のSH井上大介は「お酒を一緒に飲みに行った方がいいですね。コミュニケーションが大事だから」とアドバイスも忘れなかった。

明日19日に日本を発つ立川は最後に力強く言った。「スーパーラグビーの試合に出て結果を残したい。日本のラグビーファンもそれを望んでいる。その期待に応えられるように、毎日の練習がセレクションだと思うので、日々の練習を大事にしていきたい」

立川の「留学」は7月中旬のスーパーラグビー終了までだという。練習でブランビーズ首脳陣の信頼を勝ち取り、トップチーム入りを果たし、3人目の日本人スーパーラグビープレイヤーになることができるか。ハルの挑戦は始まったばかりだ。

 

斉藤健仁
スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当するなどトップリーグ、日本代表を中心に取材。プロフィールページへ


 

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