「6週間も家を離れたことはなかったですね。」故障者続出のジャパン・サンウルブズのLO陣。その中で、谷田部洸太郎(パナソニック)は、ヘル・ウヴェ(ヤマハ発動機)と共に獅子奮迅の働きを見せた。
7月15日のブルーズ戦後半、サンウルブズに流れを引き寄せるペナルティトライが認定された瞬間、モールの中に谷田部はいた。相手がシンビンで一人少ない状況で、相手ゴール前でのドライビングモールで押し込み、ペナルティートライの判定。一つ雄叫びをあげ、その後、両手拳を握りしめ天を仰いだ。
「今シーズンはメンバーも入れ替わって、難しい時期もありました。(ブルーズ戦は)ベストメンバーでいい準備ができて、100%を出すことができた。ホーム最後の試合だったので、負けてられないと気持ちも高まっていましたし、練習でやっていたことを80分間、出そうしました。
ゲームプランは(前の2試合と)そんなに変わっていないが、相手に合わせるのではなく、自分たちのことをしかりやって、走り勝つ、トイメンに負けない、ディフェンスで前に出るという準備してきたことが出せました。本当はもう少しキックして、相手を走らせて疲れさせて、ディフェンスで止めて、ターンオーバーを狙うプランでした。
ただキャリアアタックでゲインできたので、良い感じでアタックできた。ディフェンスでも、ラックができた後の、一番内側のゾーンは、FWが責任を持ってとめないといけない。だから1対2のディフェンスができるように、しゃべっていた。横とコミュニケーションを大事にしていました。」
と試合を振り返った。
ジャパンからサンウルブズと続いた連戦について「普通じゃない経験だった」(谷田部)。特にアイルランドとのテストマッチ第2戦が終わったその日のうちに南アフリカに向かっての二連戦は、
「正直しんどかった。」
「でも選ばれたことは当たり前のことじゃない」
そう自分に言い聞かせ、また家族の後押しもあって自らを奮い立たせた。