サンウルブズの初勝利を決めた立川理道のトライ。その直後、笑顔で讃える大野均の姿が映し出された。毎試合ハードワークをして、勝利のため全力を出し切るジャパニーズ・ロック。大野均。初勝利の心境を訊いた。
「うれしいですね。先週大敗したので、日本のラグビーファンをがっかりさせないよう、ここで初勝利を決めたかった。うれしいと同時にほっとしています。(前節で大敗した)あの試合は、忘れて、あの時の悔しさだけはしっかり覚えてやろうとヘッドコーチが言ったので、切り替えて、月曜日からしっかり準備してきました。」
秩父宮ラグビー場には満員とはならなかったが、サンウルブズの初勝利を信じて14,940人のラグビーファンが声援を送った。
「歓声に後押しされました。熊本、大分の震災もあり、日本で何かしらのメッセージを伝えたかった。」
前節の試合後のインタビューでサンウルブズキャプテン、堀江翔太は被災者にむけてメッセージを送った。「本当は勝利したかった―—。」その思いは、選手だけでなくスタッフ含め全てのメンバーが心に強く思っていた。
急造チームであるサンウルブズは、プレシーズンマッチもないままシーズンに突入した。その影響がセットプレーに直撃した。ことスクラムに関しては、専任コーチが不在というマイナスからのスタート。マーク・ハメットヘッドコーチ自らが指導にあたった。
対戦相手のジャガーズは、アルゼンチンのナショナルチーム。スクラムには絶対的な自信をもち強力なFWでアタックを仕掛けてくる。