ラグビージャパン365創刊からご寄稿いただいている、スポーツライターの斉藤健仁さんが2016年に発表した「ラグビーワールドカップ2015観戦記」を特別に公開します。
エディー・ジョーンズHC(現・イングランド代表HC)率いる日本代表の戦い57試合全て現地で取材し迎えたワールドカップ2015・イングランド大会で何が起きたのか--全4回に渡ってたっぷりと観戦記をお楽しみください。
(文章は当時のままを掲載しております。※初掲「ゆるすぼ」2016年4月)
追いかけてきた4年間。「どんな結果となっても受け止めないといけない」
いよいよ9月19日、日本代表対南アフリカ代表戦の当日の朝を迎えました。
前回で書いた通り、前日、ラグビーワールドカップの開幕戦から人身事故に巻き込まれてしまい、朝4時過ぎに寝たにもかかわらず、9時くらいに自然と目が覚めました。
天候は晴れ。疲れはありますが、どことなく興奮している自分がいました。エディー・ジャパンが初めてテストマッチをしたのは、2012年4月28日のカザフスタン代表戦。あれから3年半、「いよいよ、やっと本番がやってきた」と感慨深かったです。
4年間、全試合を取材してきたので、いろいろありました。カザフスタン、ジョージア(旧グルジア)、フランス、フィジー、スコットランド、ウェールズといろいろ足を運びました。オフィシャルのライターやカメラマンさん以外の日本人メディアはひとりだけの試合も多々ありました。
日本代表はウェールズ代表やイタリア代表に勝利も勝利し、世界ランキングも一時、過去最高の9位まで上昇しましたが、この1年間は、ティア1(世界ランキング10以内の強豪チーム)と対戦することができていない。それなのに、ワールドカップの初戦で、過去に対戦したことのない優勝2回の南アフリカ代表と対戦する。
今までの練習の成果を出して「やってくれるはず」と思いながらも、「どんな結果となっても受け止めないといけない」という思いでいました。