現在、スーパーラグビーのハイランダーズ(ニュージーランド)でプレーする日本代表SH田中史朗(パナソニック)。大学4年生時に京都産業大を大学選手権ベスト4に導く活躍を見せたが、決して全国区の選手ではなかった……。だが田中は2007年に三洋電機(現パナソニック)に入るやいなや、SOトニー・ブラウンの指導の下、持ち前のハードタックルで頭角を現し、レギュラーポジションを獲得。トップリーグでは新人王に輝き、続く日本選手権でもチームの優勝に貢献し、その勢いのまま、日本代表に定着することになる。そんな田中選手の社会人2年目、2008年シーズン直前のインタビューをお届けする。
2007年度は新人ながら
三洋電機(現パナソニック)ワイルドナイツの
日本一に貢献したSH田中史朗。
身長は小さいがハートは大きいパスとタックルに長けたSHである。
2008年度には日本代表にも選ばれた田中が
自身のパスとタックルを語る!
昨シーズンは人生初の日本一を経験
――昨シーズン(2007年度)はルーキーイヤーながら、トップリーグ(以下、TL)は全試合出場、日本選手権にも優勝しました。
田中 昨季の日本選手権で優勝したサントリーサンゴリアス戦は、ラグビー人生で一番印象に残った試合となりましたね! マイクロソフト杯(以下MS杯)こそ準優勝でしたが、高校、大学とベスト4止まりだったので、初めての日本一を経験できて嬉しかったです!
――TLの他の試合はどうでしたか?
田中 第9節コカ・コーラW戦(55-19)は、前半最後にクイックスタートから裏に蹴ったところ、WTB吉田尚史さんが走り込んでトライしたシーンは印象に残っています。他にもサイド攻撃など思っている通りの攻撃ができて、2から3トライに絡めました。あと、最終節のNEC戦(34-7)はトライをしたのでよく覚えていますね。NECのSOヤコ(・ファン・デル・ヴェストハイゼン)が外にパスした後、CTB森田茂希さんにタックルして、そのこぼれた球を自分で拾って、そして試合後にわかったんですが、CTB櫻谷勉をハンドオフで交わして左隅にトライ。櫻谷とは同じ高校(京都の伏見工)の同期なんで、ポジションは違いますが、お互いに「お前には負けへん」とずっと言い合っている仲なんですよ。