27日、小田原市城山陸上競技場では、関東大学リーグ戦A、東海大学と法政大学の一戦が行われた。東海大は、開幕戦で立正大学を50‐3で圧勝。法政大は、流経大に14‐26で敗れている。昨シーズンは法政大が東海大に29‐19で勝利。今シーズンはU20代表経験もあるNO8宮下が怪我で離脱。他にもけが人が多いが再び勝利なるか。一方、東海大は昨季リーグ戦3位と苦しんだが、開幕戦の勢いそのままに連勝できるか注目された。
先制したのは東海。U20日本代表のPR杉浦皓亮のジャッカルからフェイズを重ねるとルーキーWTB鬼頭慶のトライで先制。18分、東海はCTBコンラッド・セブンスターが相手ディフェンスをものともせずトライを決め14‐0。さらに19分、法政がオフフィートのペナルティで東海の前進を許すと22分NO8ヴィリアミ・マフィのトライで21‐0とすると、26分には、WTB鬼頭のカウンターアタックからブレイク、SH川久保瑛人がトライ。

前半4分WTB鬼頭慶の先制トライ

福本耀

前半18分CTBコンラッド・セブンスターのトライ

小山田祐悟

WTB炭竈柚斗は昨年ジャパンタレントスコッドプログラムにも参加

鬼頭慶のカウンターアタックから

前半27分川久保瑛斗のトライ
30分には東海が自陣ゴール前で相手ボールを奪うと、ボールを繋いで、NO8マフィが2本目のトライ。さらに法政がアタックでボールをキープできずルーズボールとなったところをPR小柳竜晟がマイボールとしてブレイク、FB浦本明惟がトライを決め、42‐0と大きくリードを広げた。

前半33分にはルーズボールにPR小柳竜晟が反応

FB浦本明惟がトライ
追いかける法政はようやく前半終了間際にLO細田幹太ゲームキャプテンがトライを決めると、前半ロスタイムには敵陣ゴール前のラインアウトからサインプレーでHO本橋陽助がトライを決め42‐12で前半を終えた。

FL三浦幹太のラン

前半37分細川幹太のトライ

渡辺圭祐のゴール

前半ロスタイムHO本橋陽助がトライ

前半のスコアボード
後半、最初にチャンスを掴んだのは法政。東海のペナルティから敵陣深くに入ると46分、一度はボールを奪われるも再び奪い消しFL三浦幹太がトライ。46分、東海はFB浦本がビッグゲインするもトライライン直前で止められチャンスを逃すと、そこからはお互い拮抗した展開。58分、激しく攻守が入れ替わる展開から、東海FB浦本がトライを決め49‐19と東海が再びリードを広げる。

46分・三浦幹太がトライ

浦本がゴールに迫る

LO中村太志朗

58分浦本明惟のトライ

コンラッド・セブンスターのゴール
さらに63分、SH箕輪大地のキックチェイスで法政SO佐川一眞にプレッシャーをかけると東海大が怒涛のプレッシャーでボールを奪い、PR杉浦がダメ押しのトライ。65分にもゴール前ラインアウトからFL細川聖がトライをきめ61‐24と大きくリード。法政は70分にWTB桜庭侑大が個人技でトライ、さらにFB鈴木颯太がトライを決めるもそこまで61‐31で東海大が開幕2連勝を飾った。

63分PR杉浦皓亮のトライ

ウェスリー・トンガ

65分ゴール前ラインアウトからモールを押し込み

FL細川聖がトライ

細川聖

70分WTB桜庭侑大が個人技でブレイク

自らキックしたボールを再獲得してトライ

FL篠田晃成
プレーヤーオブザマッチには、東海大NO8ヴィリアミ・マフィが、モストインプレッシヴプレーヤーには法政大SO佐川一眞が選ばれた。

佐川一眞

ヴィリアミ・マフィ
勝利した東海は次節12日(日)、関東学院大と、敗れた法政大は12日(日)東洋大と対戦する。
HIGHLIGHTS
東海大学 木村季由監督

木村季由監督
テーマとしては今日全員でいい準備ができてゲームに臨んだんですけども。法政大学さんのスピード感に対して自分たちの強みである部分がどれだけ通用するかというところをチャレンジしようと思いました。
前半は前に出れるシーンが多かったので、だいぶ落ち着いていたんですけど、後半の入りから自陣でペナルティが増えて、ちょっと地に足がつかない時間も長くなって最後はドタバタ感があったことは否めないんですけど、とはいえ、試合の中でしっかり修正するばきところは修正しながら、ゲームを進められたところもありましたんで、今日は本当に勝って反省できる、いろんな課題を与えてくれたゲームだった思います。これをしっかり受け止めて次につなげていきたいと思います。
――今日先発した1年生2人(トゥポウ・鬼頭)の評価を
鬼頭については本当に持ち味であるフィニッシュできるスピードというのが、やっぱり我々にとっては必要な武器でもあったので、一番期待しているところです。

鬼頭慶
あとはディフェンスとか、ハイボールは思い切りがいいので、背は小さいですけど、高さないんですけど、しっかり競り合えるんでそういうところや、失敗を恐れずに思い切りやるところというのが、すごくこう、1年生ってあんまり気にしていないんですけど、しっかりやってくれるんで普通に2試合連続スタメンに出ています。

鬼頭慶
トゥポウは身体能力も高いですけど、ちょっとまだゲーム感というか、U20の時の怪我もあって、夏にちょっと肩も怪我して抜けたりしてるんで、実はあんまりゲームにもチームにもフィットしていないんです。今日は試合の中でどんどん修正させる意味で最後まで使ったんですけど、彼ももっともっとチームにフィットしてくれば良いかなと思っています。

トゥポウ・ランギ
――10番、12番、15番は前節と同じですが、BKについてはこのコンビネーションが現状よいかなという感じでしょうか。
まあ現状のベストメンバーというところの中なんですけど、日替わりで人を変えながらやるかというとそれはすごく難しいですから、ある程度軸を決めて、その軸に従って今はチームづくりをやっているというところです。

SO北村光基
浦本は昨年SOもやったりしたんですけど、固定するだけじゃなくて、いろんな動きができるので、BK全体のレベルがどの塊であれば一番総合的に大きな力を出せるかというところを考えながらやっています。

FB浦本明惟

CTBコンラッド・セブンスター
東海大学 薄田周季キャプテン

薄田周季
このゲームは自分たちの強みを前面に出そうということにフォーカスした試合をしたんえすけども、前半はアタックでボールを持つ時間が長くて、自分たちの流れにもっていける時間も多かったんですけど、逆に相手ボールの時間で、相手の強みに対して自分たちが受けてしまった。WTBのパワーランナー、スピードのあるプレーヤーにゲインを取られてしまって自分たちのディフェンスでのプレッシャーをうまく与えられない状況になってしまった。

薄田周季
自分たちが強みをうまく出せればいいゲームができるということはわかったんで、このゲームで出た反省というのをまた次のゲームに持ち越さないように自分たちの中で修正していきたい。いい課題が見えたゲームだったかなと思います。
――前半の終盤と、後半の入りは相手の時間帯が続きました。どういうところをチームに伝えて、どの部分を修正できた?
ディフェンスのところで、自分たちが止めれている場面があったんですけど、ペナルティで下げられてしまうということが多くあったので、そこは規律を守って、そんなに自分たちが焦らなくても止まっているよと声がけしたんですけど、その中でもブレイクダウンで、こう手を掛けてしまったりだったとか、ゲインされた後、一歩下がればいいところを下がれない選手が出てきたんで、そこが自分たちの今の弱みかなというふうには思います。

薄田周季
――ピッチでも「下がれ」という声が聞こえました。気持ちが前に行き過ぎていた?
プレッシャーをかけないといけないという意識から、一歩前に出て相手との距離が近い方が自分たちも安心感があるので、ブレイクダウンを見れずに相手ばかり見てしまって一方前に出てしまっている、もしくは自分ではもう大丈夫だと思っているところでレフリーとの認識差でペナルティーを取られているシーンもあったかなと思います。そこは修正すべきポイントで、全員がここまで下がろうという認識をもう一度作り直すべきだなと思います。
ーー開幕戦ではノートライに抑えられましたが、今日の試合ではトライを取られてしまいましたが、ディフェンスの部分はどうでしたか?
やっぱりペナルティですね。一対一の部分で負けている感触はなかったんですけども、ペナルティで下げられてしまっていました。気持ちの部分でもペナルティが多いと乗っていけないとこもあるんで、規律さえしっかりすればいいディフェンスがまた見せれるんじゃないかなと考えています。
東海大学 WTB鬼頭慶(1年)

鬼頭慶
チームの目標として勝ち切るというところは達成できたので良かったです。前半の入りは良かったんですけど、前半の後半と、後半の入りが悪くて、チームとしての課題も出ましたし、僕自身の課題も出たので今日はいい試合になったと思っています。
――2戦連続の先発です。ピッチではどんなプレーを出そうしていたか?また出せなかった部分は?
自分の強みであるスピードとステップという場面では力を出し切れたかなと思っていますが、もう一つの強みである、ボールの競り合い、高いところでの競り合いというところでは今日はあまり全面的にはだせなかったなと思います。
法政大学 新宮孝行監督

新宮孝行監督
去年勝って今年負けると、去年はまぐれで勝ったみたいな言い方をされるのでこの試合にむけて勝つ準備をしっかりしていたんですけど、あんまりこういう言葉を言いたくないんですけど、レフェリーと私達の考え方が相違しなかった部分が多々あった。ブリーフィングの時にオブストラクションとか、エスコートとか色々と話したにもかかわらず、(実際試合では)なかったことと、新ルールでSHにはプレッシャーにいっちゃいけないというのがありますが、そこでいかれたりとか、ノックオンだと見えたんですけど、そうじゃなくトライにされたという感じで、これもやっぱりチームとしての実力かなと。やっぱり強いチームは見えないところでのスキルというか、そういうところが上回っていたというふうに捉えざるを得ない。
後半始まる前に選手たちもチームとして負けている気がしなかったので、後半5トライ差から、(トライを)取っていこうという意思があって、後半、東海さんも10年間で7回優勝しているチームなんで、なかなか取らせてくれなかったですけど。フィジカルが、今まで体感したことないフィジカルだと思うんで、そこにちょっと怯んだところもあったかなと思います。
2連敗したので、全国大会へ行くとなれば、一敗もできない状況ですし、このまま負けが続くと、入替戦へいかなかきゃいけないという危機感も踏まえながら、次の東洋大戦に活かしていきたい。
法政大学 細川幹太ゲームキャプテン

細川幹太ゲームキャプテン
前半の最初の方ではしっかり自分たちの安価で戦っていたというのはあったんですけど、我慢比べのところで、自分たちの我慢ができなかくところで連続で取られてしまいました。
――開幕戦に続き、リードを許す展開になってしまいましたが、今回の東海戦にむけて試合の入りの部分で準備段階から意識したことは?
自分たちの流れにもってくるために、まず先制しようという目標が最初のゲームプランであったんですけど、最初に取られてしまって、そこからズルズル崩れていってしまったのかなと思います。

細川幹太
――どの部分が圧倒されましたか?フィジカルの部分?
相手の留学生さんは一人で止められないので、その部分で人数をかけてしまい、外が余ってゲインされてしまったように思います。もうちょっと一人一人のタックルが強ければ外も余ることがなかったと思いますし、その部分で差がでたのかなと思います。
法政大学 SH小山田裕悟

小山田祐悟
前半、入りから東海さんに圧倒されてしまって自分たちのやりたいラグビーができずにズルズルといかれてしまった。前半の最後には少し立て直すことが出来たんですけど、そのまま後半になって、後半は少しづつやりたいラグビーを出せてきて最終的に後半のスコアは同点で終わったんですけど、やっぱり前半の最初の部分が響いて結果的には大敗してしまいました。
もっと前半の入りから自分たちのやりたいことをできるように準備の段階からもっと気を引き締めてやっていかなきゃいけないなと思います。

小山田祐悟
――前半の最後から後半の最初はいい時間帯だったと思います。ボールを展開すればトライを取れるところまでいけるアタックを作れたと思います。負けてはしまいましたが、アタックには手応えありますか?
前回の流経戦も前半いかれて、後半から自分たちのやりたいラグビーが出来たんですけど、気持ちを振り切って「もう攻めるしかない」というマインドになってから自分たちはこうできているなと感じます。2試合通じて。これを最初からそのマインドを持てば今回の試合もこんな結果にはなっていなかったかなと思います。
――今シーズンからケン・ドブソンHCとなりましたがこれまでの法政に加わった要素はありますか?
例年だったらサインがエリア毎に何をするというのは明確に決められてない部分があったんですけど、このエリアではこうするということがすべてのエリアに対して答えがあるので、そういう部分は変わったと思います。

ケン・ドブソンHC
SCOREBOARD
TRY(9)前半4分 11.鬼頭慶, 前半18分 12.コンラッド・セブンスター, 前半22分、30分 8.ヴィリアミ・マフィ, 前半27分 9.川久保瑛斗, 前半33分、後半18分 15.浦本明惟, 後半23分 3.杉浦皓亮, 後半25分 6.細川聖G(8)前半5分、19分、23分、28分、31分、34分、後半19分、23分 12.コンラッド・セブンスターPG(0) PENALTYPK(11)FK(1)TRY(5)前半37分 5.細川幹太, 前半41分 2.本橋陽助, 後半6分 7.三浦幹太, 後半30分 23.桜庭侑大, 後半41分 22.鈴木颯太G(3)前半38分 12.渡辺圭祐, 後半6分、41分 9.小山田裕悟PG(0) PENALTYPK(7)FK(0)1 小柳(木に夘)竜晟 後半26分 OUT → IN 16 中尾優人2 川村航平 後半31分 OUT → IN 17 大沢櫂3 杉浦皓亮 後半26分 OUT → IN 18 小濱由路4 中村太志朗 5 トゥポウ・ランギ 6 細川聖 後半41分 OUT → IN 19 篠田晃成7 薄田周希 8 ヴィリアミ・マフィ 後半16分 OUT → IN 20 宮前翔斗9 川久保瑛斗 後半19分 OUT → IN 21 石川裕大10 北村光基 11 鬼頭慶 12 コンラッド・セブンスター 13 古屋健太朗 後半31分 OUT → IN 22 高(はしごだか)サキ(山に竒)大我14 正木空馬 後半16分 OUT → IN 23 ウェスリー・トンガ15 浦本明惟 16 中尾優人 17 大沢櫂 18 小濱由路 19 篠田晃成 20 宮前翔斗 21 石川裕大 22 高(はしごだか)サキ(山に竒)大我 23 ウェスリー・トンガ
法政大学
1 守安史成 後半37分 OUT → IN 18 澤村勇介2 本橋陽助 後半29分 OUT → IN 16 木本慶祐3 本山淳祥 前半26分 OUT → IN 17 小笠原吉宗4 山内滉太 後半0分 OUT → IN 19 嶋崎汰星5 細川幹太 6 大沢空 7 三浦幹太 後半23分 OUT → IN 20 諏訪賢介8 植浦慎仁 9 小山田裕悟 10 佐川一眞 11 福本亘 後半36分 OUT → IN 21 箕輪大地12 渡辺圭祐 後半0分 OUT → IN 23 桜庭侑大13 徳山凌聖 14 炭竈柚斗 15 福本耀 後半36分 OUT → IN 22 鈴木颯太16 木本慶祐 17 小笠原吉宗 18 澤村勇介 19 嶋崎汰星 20 諏訪賢介 21 箕輪大地 22 鈴木颯太 23 桜庭侑大