早明戦に勝利!明治、最上太尊、古賀龍人、阿部煌生 | ラグビージャパン365

早明戦に勝利!明治、最上太尊、古賀龍人、阿部煌生

2025/12/08

文●編集部


7日、明治大学は伝統の「早明戦」に勝利し、5季ぶり対抗戦優勝を果たし選手権のAシードを獲得。日本一に向けて一歩前進した。この試合で2トライを決めたFL最上太尊はこの試合のプレーヤー・オブ・ザマッチに選ばれた。また先発出場したルーキー、FB古賀龍人は大舞台でも臆することなく堂々たるプレーを見せた。こちらも先発したWTB阿部煌生はシーズン序盤で素晴らしい活躍を見せたが、途中怪我でメンバーを外れ、早明戦から復帰を果たした。試合後、3人に話を聞いた。

明治大学 FL最上太尊


――1本目のトライ

あれもチーム一丸となって取れたトライなので、僕のトライではなくチームのトライだと思っています。

――10-10で前半を終えて、チームではどのようなことを話しましたか?

絶対勝つと信じて自分たちがやってきたことをやりきろうって、話していました。

――早稲田大がPGを重ねていましたが

そこは特に意識してなかったんですけど、最後に1点でも多く僕たちが上回ってれば勝てるっていうことだけをずっと意識してました。

――セットプレーの調子はいかがでしたか?

帝京戦に引き続きよいクオリティを出せたのかなと思っています。

――モールを起点にトライを取れました

FWは僕たちのプライドなので、そこで取れたのは明治として良い収穫なのかなと思っています。

後半31分明大・最上太尊2本目のトライ

後半31分明大・最上太尊2本目のトライ


(2本目は)いけると思って、絶対トライ取り切るって気持ちでいきました。

――スクラムは苦しい中で、モールでいこうとFWで判断した?

FWはモールに自信があったので、

そこを起点にトライを取れればなと思ったので、モールを結構、多用しました。本当に僕たちはずっと意識して練習してるのは、ベーシックにこだわることで、そこをやっていけばどの大学さんにも通用するかなと思っています。

(ベーシックっていうのは具体的には)一人一人のスキル、マックスリフトであったり、低い姿勢であったり、後ろからのインパクトであったり、そこだけを常に意識して、モールが取り組んでいます。相手も強かったので、僕たちのモールの方が強いなと思ったので、全然、いけたと思います。

スクラム

スクラム


――スクラムは

相手との駆け引きがうまくいかなくて、審判ともうまくいかなかった。そこは80分間通して、うまく修正はできなかったかなと思っています。

――個人的に調子は良かった?

そうですね! まあ調子は良かったのかなと思います。1本自分が取ったことによって、波に乗れたっていうのはあります。

――対抗戦、初優勝の味は

率直にも嬉しくて、言葉に表すのは難しいかなと思っています。

――大学選手権にむけて

2週間ぐらい空くので、気持ちはリフレッシュできるかなと思っています。もうここまで来たら今までやってきたことを常に、詳細にこだわって、80分間やりきるのが大事かなと思っています。

――太尊(たいそん)という名前はお父さんがつけた?

父が、マイク・タイソンが好きだったらしくて、それでつけたらしいです。TikTokは見るたりするけど、YouTubeでわざわざ(マイク・タンソンは)調べたりはしないですけど、(強さの象徴の)その名前の通りになれればなと僕は思っていますし、今日は、ちょっとだけなれたかな(苦笑)

――フィジカルをつけるためにやってきたことは?

子供の頃は相撲をやっていて、足腰の強さはそこでできたのかなと思っています。秋田県チャンピオンになったこともあります。4年生のときです。小学校1年から6年まで相撲をやっていました。ラグビーは中学から始めました。

ラグビーは(経験者の)お父さんがやってみないかってことで始めました。

――手に持っている色紙は?

今日、ロッカールーム入ったらみんなからの寄せ書きみたいなのがあった。みんなの言葉が響いています。

――監督が会見で高校時代すごくボールキャリーが強い選手だったけど、大学入って、オフザボールの動きをすごく本人が意識してやってくれていると言っています。

やっぱりフィジカルだけじゃ勝てない部分もあるので、ずっと言われていたオブザボールを常に意識してやっています。自分では納得いかないんですけど、監督とかから評価されるのは去年の対抗戦から選手権にかけては伸びだなと言われています。

ゴール前で明治が粘りのディフェンス

ゴール前で明治が粘りのディフェンス

――明治の「前へ」という言葉は?

やっぱり明治の前って言葉は明治として1番大事なプライドの部分なので、絶対FWがそこで前に出ないといけないなと思っています。スクラムとモールはどこの大学にも絶対負けてはいけない部分だと思っています。まだ2週間あるので、(スクラムの)駆け引きの部分を修正して、また圧倒できるように頑張ります。

――昨季の大学選手権は準決勝で帝京大に負けました

帝京さんに負けて(昨年の4年生が)引退してシーズンが終わってしまった時の悔しさは常に覚えていて、前回の試合で帝京に勝てたことで、少しは成長できたのかなと思っています。必ず、選手権も勝って優勝します

――開幕戦負けてから6連勝で優勝です

自分たちのやってきたことを信じてやりきるってことを常に意識してやってきました。ミーティングやったことによって、どんな時になっても対応できるっていうのが一番でかかったのかなと思っています。一番得たものは、FWで取りきれるっていう自信かなと思っています。

――この試合のディフェンスに関しては

この2週間、ディフェンスにフォーカスを置いて練習してきた部分がこの失点の数につながったのかなと思っています。接点で、どれだけ早稲田のテンポを遅らせて、ノミネートを合わせるかということをずっと意識していました。

――この試合のテーマは?

2大テーマというか早明治戦なので、明治のプライドである「前へ」というのを掲げて、フィールドのテーマとして「接点」という部分をあげていました

明治大学 FB古賀龍人

古賀龍人

古賀龍人


――ディフェンスについて

早稲田は、BKが決めるということはわかっていたので、そこの部分で、自分がどう、みんなに合わせていくか、どうやってコネクションを切らさずにやるか、試合前から意識していたので、そこの部分で、多少はできたかなっていうふうに思っています。

――ディフェンスはそもそも難しい。。どういう意識でやっている

ボールキャリーを1人に定めて、2人見ようとするんじゃなくて、1人見て、なかったら次に見てくる。自分はその1人に集中して、もちろん頭にはディフェンスや、どういう風にアタックが並んでいるとか入れているんですけど、そこでやっぱり1人、1人上がってから次に次に。

――1年生ながら早明戦、先発でした

帝京大戦終わってから、ずっとスタートのこのメンバーで練習していたんで、そこは大体、わかっていたですけど、火曜日ぐらいにメンバー発表されて正式に先発になりました。

――対面はFB矢崎選手でした

でも、試合中はそんなことを考えていたら、戦えないと思うので、対等に。なんなら自分が越してやるぐらいの気持ちで臨みました。

――初の国立というのはどうでしたか? 4万人ぐらい入りました

僕あんまり環境にやっぱ左右されないっていうのが強みとしてあると思うので、そこの部分ではあんまり意識せず(にやれました)。

高校とか花園とか2年生の時に出始めて、その時にみんな緊張している中で、あんまりそういうの感じなかったので、そういうところは得意なのかなと。

――大学選手権に勝つために何が大事なのか?

個人的なところで言うとハイボールのところ、相手が蹴ったボールをクリーンキャッチできなかったりとか、自分たちが蹴って、追いかけるところも多分キャッチできたところもあったと思うので、そこの部分をもっと精度を上げていきたいなと思います。

――対抗戦はFBで始まって、竹之下選手が戻ってきたらWTBになって、またFBです。どんなところが成長できましたか?

大学入学当初と比べて、やっぱコンタクトのところだったり、スピード感の部分で、大学のラグビーのレベルに合ってきてるなと思っているので、ここからそこを越えられるように頑張っていきたい。

(竹之下さんの)オフザボールの動きっていうのは練習中から見ていて参考になるというか、自分ももっとオフザボールの動きが大事だなと思っていたので、そこの部分に一番、参考にしています。(アタックでは)単純にボールに対して顔を出す回数を多くするというのは、練習中を見ていても他の人と比べて(多くて)、ここにもいる、ここにもいるみたいな、と思う時もあるので、そこの部分で単純に自分がタッチを増やす回数していくというのは、どうやったら増えるかだったり、次どっちにアタックするからこういうことを考えながらやるという認識です。

――この数ヶ月でこの辺りが伸びたかなと思っていますか?

自分のボールキャリーというところに自信を持つことができるようになったと思います。最初はカウンターだったりも、春は自分でガンガン行くみたいな自信を持ってできてなかったんですけど、夏合宿で試合たくさん試合に出させてもらって、そこの部分で自分の強さだったりというのを再認識できたんで、そこの部分でどんどん活かすっていうのを考えてやったら、自分の強みであるラン(の調子)がどんどん上がってきた。

――大学選手権に向けて

ここで満足することなく、大学選手権優勝に向けて日々成長し続けていきたい。ハイボールのこともそうですし、自分の強みであるランのところもそうですし、全てにおいてどんどん伸ばしていくことを意識していきたい

(ハイボールに関して)自分の得意なところであるので、どんどん戦い方に対応していって、FBなので、身長が高い分、そこのハイボールっていうのも強みににしていきたい

――後半のハイパントについて

自分でも準備していたプレーというか、今のラグビーのカラー的にも、ハイパントがすごく大きな武器になって、ルール的にもやっぱりエスコートのところだったり、空中というのは守られているところになるので、そこのエリアで勝利するのも、もちろん、明治もたくさんしてきましたけど、これから増えるのかな。大学ラグビーの選択として。

――ハイボールに関しては、ジャパンの時の経験が活きている?

いっぱい練習したので。

――トライがキャンセルなったシーンを振り返って

切り替えるも何も反則なので、という一言でしかないです。

――試合後のインタビューで22mに入ってからなかなか取り切れなかった、と。その要因とはどういうところになったかと思いますか?

もちろん接点のところで前に出られなくて、自分たちのテンポは作れなかったというのは一つの大きな要因だと思いますし、単に明治の圧力というのが本当に良かったと思うので、そこは、自分たちがまだまだできたと思います。

――アタックではオーバーラップもいっぱい作っていたと思うがもっとブラッシュアップしたい?

今日はエッジのところで、WTB、FBのところで、ボールをこぼしたというのは多かったと思います。そこもBKとしては、もうちょっとギアを上げて、取り切るなり、しっかりマイボール意識したいと思います。

――試合後のインタビューで、大田尾監督が(自分を)日本代表に送り出したらことが正解だと証明したいと話していましたね

そんな、四六時中ラグビーのこと考えてないです(苦笑)。もちろん優勝っていうのが目標なので、それに向かってやるだけなので、それ以上でもそれ以下でもないかと思います。


――悔しいのか逆に前に進もうとするのか、今の気持ちは?

もちろん悔しいという気持ちは、大きくありますし、でもシーズンが終わったわけでもないし、(大学)選手権というのはもちろん苦しい山ですけど、そこで僕たちが優勝の道がなくなったというわけじゃないので、今日の反省はしっかり今日いっぱいして、次に繋げないといけないなと思います。

――来シーズンは日本代表の試合数も増えて 今までのように大学でプレーできるかわからないので、今シーズンは悔いのないようにプレーしたい?

本当に重要な一戦、目の前に勝たなければいけない一戦という心意気で臨んでいるので、それは本当に早明戦、早慶戦、帝京大戦も限らず、シーズン通してそうあって、もちろん4万人弱のお客さんが集まる試合はなかなかないですけど、だからといって、この試合に一喜一憂というか、思い入れすぎず、そこはいつも通りやろうと思っています。

――大学選手権は3回戦からの出場。日本一になるまで、昨シーズンより1試合多くなります

勝つだけというか、もちろん次の試合にしっかり勝って、次、関西(天理大戦)に行く。先は見ないですけどもちろん、とりあえずまず関東学院大に勝ちきって、その後もしっかり勝ってと、本当に目の前の一戦一戦を大事にしていくだけじゃないですかね。


明治大学 WTB阿部煌生

怪我をしてしまって、早明戦が復帰戦という形になって、練習からすごく緊張感持って取り組めていたんですが、まずは勝てたことが一番嬉しいですし、この試合に出させてもらって貴重な経験をしてすごく大きな自信につながったなと思います。

――復帰予定が早明戦だった?

本当は帝京戦の予定だったんですが、そこからちょっとだけ伸ばして、帝京に勝ったときは僕も応援していて嬉しかったんですけど、やっぱりあの舞台に立ちたかったなと悔しさも半分ありました。

――怪我の期間は?

チームから離れるんじゃなくて、しっかりコミットして、チームがどういうオプションを練習しているのかとか、試合や練習の動画を見てイメージだけは保とうと、一日でも早く復帰できるようにリカバリーの部分はすごくて一定していました。


――今日は納得いくプレーができた?

最初のキックオフのところ、あとはチェイスのところでプレッシャーをかけることができたのは良かったんですけど、ハイボールのところも競れるところは競れていたんですけど、ディフェンスの部分で、早稲田さんのムーブがうまくて、誰にコミットするのかというところが少しズレてしまったり、アタックの部分ではあんまりランする場面はなかったんですけど、常に外側からコール出して、どこにスペースがあるのか(伊藤)龍之介さんを困らせないようにできたのは良かった。

――4万人の前でのプレーは?

正直言うと、今日の朝起きた時が一番緊張していました。歓声とかがすごくて、ワクワクの方が勝っちゃって緊張よりはいつも通り自分のやるべきことは、ハイボールを競る、ということだと龍之介さんからも言われていたんで、そこは思いっきりいけたなと思います。

――チームを離れてみてチームが強くなっていると感じた?

帝京戦の時ですね。本当にあの隙のないプレー、しっかり明治がやることを徹底していたんでそこを見て、早稲田に対してもこういうラグビーが展開できたら勝てるなというふうに僕自身も思っていたんで、そこは相手どうこうとかじゃなくて、明治のスタイル、今年は特にハイボールが強いので、そこで勝負するというのはすごく感じました。


――シーズン当初にはなかった?

はい。試合重ねていくうちに明治の強みはハイボールとモールという部分だったので、しっかり早稲田さんに対してもそこで勝負していくのは試合前の練習から出ていました。

――全国は楽しみ?

はい。楽しみですね。まずは出れるように、メンバーに入れるように。今は(竹之下)仁吾さんが怪我しているんで、戻ってきてもしっかりメンバーに残って、日本一になった時に自分がそのメンバーに入れるように頑張りたい。

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