太陽生命ウィメンズセブンズ2024熊谷大会ドリームセブン・個人ランキング | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズ2024熊谷大会ドリームセブン・個人ランキング

2024/04/23

文●大友信彦


太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2024第2戦の熊谷大会は4月20-21日の2日間、熊谷ラグビー場で開催され、東京山九フェニックスが2022年弘前大会以来2年ぶり5回目の優勝を飾った。

チーム別の優勝回数はアルカス熊谷9、ながとブルーエンジェルス8に続き、フェニックスとパールズ、日体大が各5回で3位に並んだ。

個人ランキング(トライ・得点)

熊谷大会のトライランクと得点ランク(TOP10)は以下の通り。


トライランク

ジャネット・オケロ

ジャネット・オケロ



1 ジャネット・オケロ(三重パールズ)9T
2 松田向日葵(追手門学院VENUS)8T
3 アマーリ・ハラ(ながとブルーエンジェルス)7T
3 ジラワン・チュトラクン(ながとブルーエンジェルス)7T
3 岡元涼葉(東京山九フェニックス)7T
6 モニーク・コフィ(三重パールズ)6T
6 グレイス・スチュワート(横浜TKM)6T
6 アカニシ・ソコイワサ(横浜TKM)6T
6 木川 海(チャレンジ)6T
10 野原みなみ(東京山九フェニックス)5T
10 保井沙予(三重パールズ)5T
10 大内田夏月(日体大)5T
10 長田いろは(アルカス熊谷)5T
10 磯貝美加紗(横浜TKM)5T


松田向日葵

松田向日葵




得点ランク

プルーニー・キヴィット

プルーニー・キヴィット



1 プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス)50=4T15C
2 ジャネット・オケロ(三重パールズ)45=9T
3 松村美咲(東京山九フェニックス)41=3T13C
4 松田向日葵(追手門学院VENUS)40=8T
5 木川 海(チャレンジ)38=6T4C
6 岡元涼葉(東京山九フェニックス)35=7T
6 アマーリ・ハラ(ながとブルーエンジェルス)40=7T
6 ジラワン・チュトラクン(ながとブルーエンジェルス)35=7T
6 モニーク・コフィ(三重パールズ)35=7T
6 グレイス・スチュワート(横浜TKM)35=7T
6 アカニシ・ソコイワサ(横浜TKM)35=7T

アマーリ・ハラ

アマーリ・ハラ



ジラワン・チュトラクン

ジラワン・チュトラクン



アカニシ・ソコイワサ

アカニシ・ソコイワサ






得点王・トライ王

■トライ王:ジャネット・オケロ(三重パールズ 31歳 ケニア代表)9T、45得点

今大会でも圧倒的なパフォーマンスを見せたジャネット・オケロ。現役ケニア代表は別格のパフォーマンス

今大会でも圧倒的なパフォーマンスを見せたジャネット・オケロ。現役ケニア代表は別格のパフォーマンス



北九州大会のトライ女王&得点女王の2冠に続き、今回は得点王こそ逃したがトライ女王。昨季の最終戦・花園大会から数えれば3大会連続のトライ女王獲得だ。ケニア代表として2016年リオ、2021年東京と2度の五輪に出場してきたレジェンド。今大会で太陽生命シリーズ通算トライ記録は歴代3位の96。堤ほの花、ニア・トリバーに続く史上3人目の100トライ達成も目前に迫ってきた!

■得点王:プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス)27歳 167/64 オランダ代表

プルーニー・キヴィット

プルーニー・キヴィット



5大会連続優勝を逃したながとブルーエンジェルスだが、司令塔キヴィットのゲームコントロールはこの大会でも冴え渡った。激闘となった5位以下戦準決勝のナナイロプリズム福岡戦では後半6分、相手陣10m線からチップキックを蹴って追って自らワンバウンドで捕球、そのままトライを決めた場面ではスタンドを指さしながらグラウンディングするパフォーマンスも披露した。シリーズの得点王を獲得したのは初のMVPにも輝いた2022年鈴鹿大会以来2度目だ。




続いては恒例となった本誌選出ドリームセブン!


太陽生命ウィメンズセブンズ2024・熊谷大会ドリームセブン

松村美咲(まつむら・みさき)東京山九フェニックス/早稲田大2年(杉並RS-関東学院六浦高)19歳 169/72 3T13C=41点

松村美咲

松村美咲



昨年はサクラXVでWXVを経験し、フィジカル面でもサイズアップ。「北九州大会では少し身体が重く感じたので、この2週間は有酸素運動のメニューを変えて身体を絞ってきました」その成果もあってか、杉並RS~関東学院六浦高校を通じて磨いたラン&キックのオプションの多さでトライ&アシストを量産。



41得点は大会個人得点ランク3位で大会MVPに輝いた。残り2大会はサクラXVの日程次第で出場可否は微妙というが「15人制と同じくらいセブンズも好きなので、どちらも楽しんで行きたいです」




モニーク・コフィ 三重パールズ (カナダ)26歳 157/61 6T=30点

モニーク・コフィ

モニーク・コフィ



北九州大会で太陽生命シリーズに旋風を巻き起こした新スターは熊谷でも大活躍。6位タイの7トライを量産したが、何よりの見せ場は味方ボールのキックオフだ。クラウチング姿勢から勢いよくスタート。



身長は157cmと大きくないが、全力でチェイスし、全身のバネを使って高く跳び上がってボールを確保。タックルされて倒れてもすぐに起き上がってサポートに走り、ボールをもらってトライに絡む驚異的なワークレート。グラウンドのどこにいても目立つヘアスタイルはパールズのランドマークだ!




大内田夏月(おおうちだ・なつき)日体大4年(かしいYR-福岡レディース/筑紫高) 21歳 163/62 5T=25点

ながとの連敗記録を止めた大内田のトライ

ながとの連敗記録を止めた大内田のトライ



今大会最大のトピック、日体大がながとブルーエンジェルスの連勝を止めた準々決勝アップセットの立役者だ。0-12とリードされた後半に2トライ。疲労困憊の中でも果敢に仕掛け、走り出したら意地でも走り切るという気迫が観る者を魅了した。




ながと戦は延長戦になったが「フィットネスは私たちの強みだよね、走ろう!」と声を掛け合って劇的なサヨナラ勝ちを飾った! ながとブルーエンジェルスの姉・優月、修猷館高3年の妹・葉月との姉妹対決は「残り2大会で実現できたらいいですね!」


木川 海(きかわ・うみ)チャレンジ/佐沼高3年/宮城女子RC Dianate(佐沼プラタナスJr)17歳 159/59 6T4C=38点

木川海

木川海



小柄な身体ながらスピード&トルクフルな走りでトライを量産した熊谷大会のライジングスター。最後の追手門戦では前半に自陣22m線から弧を描く巧みなランで80m独走、後半に足下へ飛び込むタックルを飛び越えながら70m独走、さらに猛烈な出足でパスをもらってジャージーを掴まれながら突破してインゴールへというハットトリック&トライ後の忍者ポーズ!
大会6トライは6位タイ、4Cも含めた38得点は5位に食い込んだ。



幼稚園年長組のとき佐沼プラタナスJrでラグビーを始め、中学時代は陸上部で短距離に打ち込み200mで県大会に出場。佐沼高ラグビー部では男子と一緒にフルメニューを練習しているそうだ。



葛西杏奈(かさい・あんな)自衛隊体育学校PTS(仙台商) 28歳 173/66 4T=20点

葛西杏奈

葛西杏奈



大会初戦となったDAY1のアルカス戦では前半ロスタイムに自陣ゴール前から80m独走、後半5分には相手DFとの間合いを計りながらハンドオフを交えて60m独走の2トライ。

そのアルカスとの再戦となったDAY2の準々決勝では17点をリードされた後半、キック&チェイスでPKを奪うとクイックスタートして秋田若菜のトライをアシスト、ロスタイムには自ら同点に追いつくトライを決め、延長戦でも力強いボールキャリーで平山愛のサヨナラトライをセットアップ。互いに疲労がたまった時間帯に驚異のワークレートで勝利の原動力となった!


小笹知美(こざさ・ともみ) ナナイロプリズム福岡 32歳 172/68 3T=15点

小笹智美

小笹智美


中村知春、大橋聖香がサクラ7sで欠場したナナイロプリズム福岡にあって、接点での強さと走り出したら止められないスピードの両面でチームをリード。準々決勝のパールズ戦では相手タックルを突き破る先制トライ。5位以下準決勝ながと戦ではチームの2トライをスコア。ベテラン健在を見せつけた。



堀毛咲良(ほりけ・さくら)横浜TKM(神戸甲北高―追手門学院大)24歳 159/61 1T10C=25点

堀毛咲良

堀毛咲良



走って良し、蹴って良し。TKMは北九州大会では7位と振るわなかったが、熊谷では司令塔の堀毛が永岡、松永らのハードワークとアカニシ、グレイスらの決定力を巧みにコントロール。日体大との3位決定戦では後半4分に巧みなステップで自らトライもスコア。TKMを2022年弘前大会以来となる3位に引き上げた。



大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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