太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025はながとブルーエンジェルスの3連覇で幕を閉じた。今季はワールドシリーズと日程をずらすことで日本代表と世界のトップ選手が大会にフル参戦。あわせてグランドファイナルが導入されるなど注目点の多いシリーズだった。
RUGBYJapan365では、男子セブンズ日本代表で歴代最多キャップを持つレジェンドであり、パールズのアシスタントコーチとして全大会に参加した坂井克行さんに大会のレビューを語ってもらった。
――2025年大会お疲れさまでした。パールズは2大会に優勝しましたが、グランドファイナルでは決勝で延長戦の末に惜しくも敗退しました。総合優勝はなりませんでしたが素晴らしい戦いをみせてくれたと思います。まず4大会を戦った全体の感想を伺えますか。
「大会全体の印象で言うと、ゲームスピードが速かった。パスもランもスピードがあって、試合がブツ切れにならない。レベルが上がったなと感じます。これは日本代表の選手が各チームに戻って世界のトップ選手も加わったこと、それと昨年からチーム数が12に絞られたこともあると思います。大差の着く試合が明らかに減った。パールズにとっても、最初の熊谷大会では大差をつけて勝った試合がけっこうあったけれど、最後の札幌大会はほとんどが接戦でした。各チームとも修正能力が高く、かつスキルが高い。以前は、足の速い選手が真ん中をクリーンブレイクしてそのままトライというパターンがあったけど、今季はそういうトライが少なくなった。各チームとも大会を重ねる中でディフェンスのコミュニケーションが良くなっていったと思います」

熊谷大会・花園大会と2大会で優勝したPEARLS
――今年は酷暑の中での大会が続いた関係もあってか、各チームとも負傷者が多かった。
「その影響はあったと思います。主力にケガ人が多く出たチームは苦しんでいたのに対し、けが人が少ないチームは必然的にディフェンスの連携、習熟度が上がってくる。最終的にポイントで上位に入ったチームはケガ人が比較的少なくて、ディフェンスが強みになっていました。

日体大の猛暑対策
一方で、トップメンバー以外の選手のプレータイムをどう作るかというコーチの難しさを感じました。大会のレベルが上がっているので、コーチとしてはなかなかメンバーを替えられない。そうすると若い選手、控え選手の経験値を上げられない。やっぱり試合に出ることが一番成長できるんです。やっぱり経験って大きい。エディーがよく『総キャップ数が大事』という理由が最近よくわかるようになりました。だからフェニックスはケガ人が多くて苦しんだけれど、その分日本人の若い選手がたくさん経験を積めた。15人制シーズンと来シーズンに向けて、強くなると思います」

フェニックスの若き司令塔・山本梨月